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現象をほどき、本音から現実を組み直すALIGNMENT NOTEというノート術

ALIGNMENT NOTE術

最近、ノート術について改めて考えています。

いくつかの本を読みながら、これまで自分がやってきたことを振り返ってみると、私のノートの使い方には、ある一定の流れがあることに気づきました。

起きた出来事をノートに出す。矢印を使いながら、そこから感じる感覚、ふとよぎった思考、全てを出していく。そこにどのような構造があるのかを観察し、個別の現象を抽象化する。そして、自分の本音と、その奥に隠れている望みを見つける。最後に、その望みを具体的な行動へと戻していく。

これは単に、思考を整理するためのノート術ではありません。

現象として現れたものを一度ほどき、自分の本音に沿った現実へ組み直していくためのノート術です。

私はこれを、

ALIGNMENT NOTE

として、体系的にまとめていきたいと思っています。

現象から本音へ、本音から現象へ

ALIGNMENT NOTEの基本的な流れは、次のようなものです。

FACT|現象・事実を書く

FLOW|思考と感情の流れを可視化する

CHECK|事実と解釈を分け、認知の歪みを確認する

ABSTRACT|個別の現象を抽象化する

ESSENCE|エッセンスと本音を見る

DESIRE|本音の奥にある望みを見る

ALIGN|望みを具体的な選択と行動へ変換する


まとめると、

現象 → 構造 → 本音 → 望み → 選択 → 現象

という循環です。

現実に起きた具体的な出来事から、自分の内側にある抽象的な構造へ降りていく。そこで本音と望みを見つけたら、再び具体的な行動へ戻っていく。

抽象化するだけでもなく、具体的な行動だけを考えるのでもありません。

抽象化と具体化を往復することによって、自分の内側にある望みと、外側で選択する行動を一致させていきます。

1|FACT 起こったことを書く

最初に、今ノートで扱いたい出来事を書きます。

何が起きたのか。誰が何を言ったのか。自分は何をしたのか。どのような場面が心に残っているのか。

たとえば、

「送ったメッセージに、三日間返信が来ていない」

と書きます。

ここが、ノートを始める起点になります。

大きな出来事である必要はありません。

誰かに言われた一言。何となく引っかかったこと。ふと不安になったこと。繰り返し思い出してしまう場面。

自分の心が少しでも動いたことを、まずノートの上に置きます。

起こったことを書いた時点で、すでに感情や考えが浮かんでくることもあります。

その場合は、止めずに、そのまま次の言葉へ進みます。

FACTは、出来事を正確に記録するためだけの段階ではありません。

自分の内側にある流れへ入っていくために、最初の一点を置く段階です。

2|FLOW 矢印でつなぎながら、感情と思考を広げる

起こったことを書いたら、そこから感じたこと、思ったこと、一瞬でもよぎったことを、矢印でつなぎながらどんどん書いていきます。

たとえば、

返信が来ない

悲しい

大切にされていない気がする

私はいつも後回しにされる

いや、相手は忙しいだけかもしれない

でも、一言くらい返せるのでは?

なぜ私は、こんなに強く反応しているんだろう

以前にも同じように感じたことがある

私は、相手の反応で自分の価値を確かめている?

というように、一つの言葉から次に浮かんだ言葉へ、その都度矢印をつなぎます。

起点となる出来事から始まり、そこから生まれる感情や思考の流れを追いながら、リアルタイムで書き進めていきます。

感情、解釈、連想、記憶、疑問、自分への突っ込み、自分が書いた言葉に対する分析的な思考も、すべてノートに出します。

「本当にそうなのか」
「なぜ、そう思ったんだろう」
「それは事実なのか」
「私は何を前提にしているのか」
「今、きれいにまとめようとしていないか」

そのような声が浮かんだら、それも矢印の先に書き加えます。

正しい答えに辿り着こうとする必要はありません。

一貫性も必要ありません。

悲しいと思った後に腹が立ってもいいし、相手が悪いと思った後に、別の可能性が浮かんでもいい。

「本当は褒めてほしかった」
「でも、褒めてほしいと思う自分が嫌だ」
「いや、褒めてほしいと思ってもいいのでは?」
「私は、欲しがることを恥ずかしいと思っている?」

その揺れや変化も含めて、自分の中にある流れです。

一本の矢印だけで進まなくても構いません。

一つの言葉から複数の感情や考えが浮かんだら、途中から枝分かれさせます。前に書いた言葉とつながったら、そこへ矢印を戻しても構いません。

文章として整っている必要も、図として美しくまとまっている必要もありません。

この段階では、きれいに整理することよりも、自分の中にあるものを止めずに出し切ることを優先します。

3|CHECK 事実と解釈を分ける


ある程度書き出したら、事実と、自分がその出来事に与えた解釈を分けてみます。

たとえば、

事実: 相手から三日間返信がない
解釈: 私は大切にされていない
感情: 悲しい、不安、腹が立つ
望み: 気にかけてほしい、安心したい

というように整理します。

私たちは、現実に起きたことと、その出来事に対して自分が与えた意味を、無意識に一体化させています。

そのため、ここでは認知の歪みも確認します。

これは事実なのか、それとも解釈なのか。「いつも」「絶対」「誰も」と一般化していないか。相手の気持ちを決めつけていないか。一つの出来事から、自分全体の価値を判断していないか。反対の可能性はないか。別の立場から見ると、どのように見えるか。「するべき」「しなくてはならない」といった言葉は、私の内側の声か、外側の社会規範からくる言葉ではないか。

ただし、これは感情を否定するための作業ではありません。

「そんなふうに感じるのは間違っている」と、自分を論破するためでもありません。

悲しかったことは、悲しかった。腹が立ったことは、腹が立った。

感情はそのまま尊重しながら、その感情を生み出した解釈や、自分の中にある前提を観察します。

4|ABSTRACT 現象を抽象化する


次に、個別の出来事から、そこに繰り返されている構造を取り出していきます。

返信が来なかった。大切にされていないと感じた。私には価値がないと思った。

この一連の流れを抽象化すると、

私は、他者の反応によって自分の価値を測っている

という構造が見えてくるかもしれません。

さらにそこから、

特別でなければ評価されない。
頑張らなければ愛されない。
相手の期待に応えなければ、関係を失う。

という、自分の中にある前提や信念が見えてくることもあります。

具体的な出来事に含まれている、場所、人物、言葉、時間などの固有の要素を少しずつ外しながら、「この現象には、どのような共通構造があるのだろう」と見ていきます。

私はこの時、

すべての現象は私が創造している

という前提に立って、ノートを見ていきます。

ここで言う「創造している」とは、外側で起きるすべての出来事を、自分が物理的に引き起こしているという意味ではありません。

起きた現象を、自分の内側にある構造を知るための鏡として扱う、ということです。

また、

他者への声は、私が私に言っている声

として、自分の言葉を見てみることもあります。

たとえば、相手に対して「もっとちゃんとしてほしい」と思ったとします。

その時、「私は私自身に対して、いつも『もっとちゃんとしなければ』と言っていないだろうか」「私は、自分の未完成さや曖昧さを許しているだろうか」と、外側へ向いていた矢印を自分の内側へ返してみます。

相手への言葉を、自分を責めるために使うのではありません。

外側の現象を入り口として、自分の内側に存在する構造を観察するために使います。

5|ESSENCE エッセンスと本音を見る


抽象化を続けていくと、最初は大量にあった言葉が、少しずつ一つの本音へ集約されていきます。

腹が立つ

大切にされていない気がする

本当は悲しい

私を見てほしい

ただ存在している私を、大切にしてほしい

表に現れている怒りや不満の奥には、別の感情が隠れていることがあります。さらにその奥には、自分が本当に伝えたかった言葉があります。

本当は何が悲しかったのか。本当は何を分かってほしかったのか。本当は何を言いたかったのか。私は何を恐れていたのか。誰にも否定されないとしたら、私は何と言うのか。この出来事の中で、私が一番守りたかったものは何か。

問いを重ねながら、出来事や言葉の奥にある自分の内側に在る本音、エッセンスを見ていきます。

エッセンスとは、多くの現象や感情を通して、自分の内側にある中心の言葉です。

6|DESIRE 本音の奥にある望みを見る


本音が見えたら、さらにその奥にある望みを見ます。

たとえば、

「特別でなければ、私は評価されない」

という信念があったとします。

その裏側には、

「特別ではない私も評価してほしい」

という願いが隠れているかもしれません。

さらにその奥には、

「ただ存在するだけで愛されたい」

という、とてもシンプルな望みがあるかもしれません。

信念は、間違いとして排除するものではありません。その信念は、自分の大切な望みを守るために生まれた可能性があります。

だから私は、信念を否定するのではなく、その信念が何を守ろうとしてきたのかを見ます。

その信念によって、私は何を得ようとしていたのか。本当は、どのように扱われたかったのか。何を受け取りたかったのか。どのような関係性を望んでいるのか。どのような自分として生きたいのか。

望みが見えてくると、ノートは原因を分析するためのものから、自分の人生を選択するためのものへ変わります。

「なぜ、私はこうなったのだろう」というWhy型の問いから、「私は、本当は何を望んでいるのだろう」というWhat型の問いへ移っていきます。

7|ALIGN 望みと行動を一致させる


最後に、見つけた望みを現実の行動へ戻します。

本音や望みを見つけても、抽象的な言葉のままで終わると、現実の選択には結びつきません。

そこで、5W1Hを参考にしながら具体化します。

WHAT|何をするのか
私は、具体的に何をするのか。

WHY|なぜするのか
それは、どのような望みに沿った行動なのか。

WHO|誰と、誰に対して行うのか
誰に伝えるのか。誰と行うのか。まず、自分に何を与えるのか。

WHEN|いつ行うのか
今日なのか、明日なのか。何時頃に行うのか。

WHERE|どこで行うのか
どの場所で行うのか。どのような環境を用意するのか。

HOW|どのように行うのか
言葉で伝えるのか。文章にするのか。何かをやめるのか。小さく始めるのか。

たとえば、「私は、特別な成果がなくても大切にされたい」という望みが見つかったとします。

それを、

「今日の夜、夫に『解決してほしいわけではなく、今日は話を聞いてほしい』と伝える」

という具体的な行動へ変換します。

または、「私は、自分の表現を評価のためではなく、純粋な喜びとして育てたい」という望みを、

「明日の午前中、投稿するかどうかを考えずに、30分だけ絵を描く」

という行動へ変換します。

大きな目標を立てる必要はありません。5W1H全て出さなくてもよいです。

大切なのは、自分の内側にあった“望み”を

今の自分が実行できる、望みと一致した小さな選択

に変えることです。

抽象化と具体化を往復する


ALIGNMENT NOTEの核にあるのは、抽象化と具体化の往復です。

具体的な現象から、自分の内側へ降りていく時には、「何が起きたのか」「私は何を感じたのか」「何を考えたのか」「そこには、どのような共通構造があるのか」「私は何を信じているのか」「本当は何を望んでいるのか」と問いかけます。

そして、本音や望みから再び具体的な現実へ戻る時には、「その望みを、今日どのように生きるのか」「誰に何を伝えるのか」「何をやめるのか」「何を選ぶのか」「いつ、どこで、どのように行うのか」と問いかけます。

つまり、

What happened?
何が起きた?

How does it work?
どのような構造になっている?

Why does it matter?
なぜ、それが私にとって重要なのか?

What do I truly want?
私は本当は何を望んでいる?

How will I live it?
私はその望みを、どのように生きる?

という流れです。

波へほどき、粒として結び直す

私が研究している胎蔵界と金剛界の構造に重ねるなら、このノート術は次のように見ることができます。

現実に起きた出来事、発言、行動、身体反応。すでに形となって現れたものは、粒としての金剛界です。

その現象をノートの上でほどいていくと、感情、記憶、連想、意味、関係性、可能性が現れます。それは、まだ一つの形に固定されていない、波としての胎蔵界です。

そして、現象と内面の両方を観察する地点に、観測者としての私がいます。

望みは、波の世界と粒の世界が交差する地点です。内側にある本音を、現実の選択と行動へ変換する場所です。

だから、ALIGNMENT NOTEとは、

金剛界として現れた現象を、胎蔵界へほどき、観測者としての自分がその構造を見つめ、望みを通して、新しい金剛界を創造する営み

なのだと思います。

このノートは、ネガティブな思考をポジティブに変えるためのものではありません。

自分の中に生じたものを排除せず、すべてを材料として受け取る。自分の言葉や感情を丁寧に観察し、そこにある構造を見つける。その奥に隠れている本音と望みを知る。そして、自分の望みと一致する現実を、自分の選択によってつくっていく。

それが、私にとってのAlignmentです。

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