Photo by
nyakopan
シッパイとセイコウの友情
昔々、あるところにシッパイとセイコウがいた。
シッパイは、みんなから嫌われていた。
失敗すると暗くなるし、落ち込むし、寂しくなる。
セイコウは、みんなから好かれていた。
成功すると明るくなるし、気持ちが高まるし、喜びにあふれる。
シッパイはセイコウに言った。
……でもさ、失敗しないと反省しないじゃん。なぜ、失敗はそんなに嫌われるんだろう。
セイコウはシッパイに優しく言った。
……みんな傷つきたくないんだよ。生きてるだけで、けっこう大変なんだから。
ある日、シッパイはどこかへ行ってしまった。
セイコウがひとり残された。
みんな上手くいくことばかり。
世界は喜びと明るさに満ちあふれた。
この世の楽園が成就されたように見えた。
しかし、それは夜の来ない世界のようだった。
誰も深く身をかえりみることが無い。
能力が伸びていかない。
このままでは、無駄に年老いるだけだと考えたセイコウは、シッパイを探して、戻るように説得した。
……シッパイ。戻ってきて。みんな成長しなくなった。シッパイが必要なんだ。
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