【大学受験】本番に弱い子になる“意外な原因”。親の関わり方を見直すヒント
模試ではいい成績なのに、本番になると力を発揮できない…
その原因を「緊張」や「運」で片づけていませんか?
生徒との面談の中で見えてきたのは、
“先回りしすぎる親”という共通点と
「判断力」は一夜漬けでは育たないという事実でした。
■「共通テストは受けたくない」と言ったある生徒
模試ではしっかり得点できている彼が、本番を避けたがる。
詳しく話を聞くと、共通テストに対する不安や怖さだけでなく、
「大事なことを自分で決めた経験がほとんどなかった」という背景が見えてきました。
• 中学受験も塾選びも保護者主導
• 受験する学部も本人の希望よりも、親が薦めたところ
• 洋服すら「親が勝手に買ってくるから、それを着るだけ」
• そして「言ってもムダだから」と、反論をあきらめている
そんなふうに、「自分の意志を押し殺して生きてきた」と言っても過言ではない状況でした。
というより、
「自分の気持ちをあきらめてきた」
「本当の気持ちがわからない」
と言った方が合っているかもしれません。
■本番は「自分の判断に責任がかかる場」
試験本番では、自分の選択に責任を持つことが求められます。
そしてそれは連続して起こってきます。
その判断一つで合否に大きく関わります。
• どの問題から解くか
• 時間配分をどうするか
• 書くか、捨てるか、迷ったときにどう決断するか
模試と違って、本番は「決める」ことが重くのしかかる瞬間。
だからこそ、日ごろから自分で選び、決めてきた子は、試験でも判断できるのです。
彼は模試では偏差値65以上が常連。
それでも本番になると過緊張状態になり、
普段では絶対にやらないミスをしてしまったり頭が真っ白になってしまう。
迷ったときに冷静な判断、決断ができなくなってしまう。
最終的にはそのパニックになった感情を切り替えることができず、精神状態を保つことができなくなってしまうのです。
■判断力は知識ではなく、経験から生まれる
判断力は頭の良さだけではありません。
むしろ、日々の小さな選択——
「何を食べる?」「今日は何から勉強する?」「苦手科目はどのタイミングでやる?」——
そうした“自分で決めていい”という感覚の積み重ねが、判断の土台を作っていくのだと思います。
だから私は、彼が「共通テストは受けたくない」と口にしたとき、その言葉の“是非”よりも、
「ようやく、自分の意志を言えたんだな」と感じました。
■指導者や保護者の方と一緒に考えたいこと
本当に“子どものため”になっているのか?
「決めさせる」ことが怖いのは、実は大人の側かもしれない。
それは子供を信じるということ。
決して放任することではありません。
子供の選択を、「あなたが選んだ道なら大丈夫」と背中を押してあげること。
もしかするとそれは世間一般論からは外れるかもしれない。
そんなとき、「失敗したらどうしよう…」「辛い思いをしたらどうしよう…」と思ってしまいます。
私たちの経験値から、こっちの選択の方が無難だろう、世間的にはこうあるべきなど正しさや価値観を押しつけるのは簡単です。
でも、本番や大事なタイミングで“判断できる子”を育てたいなら、
日常で「決める力」を育てることが何よりの準備になるはずです。
まずは日常の小さな選択から任せてみませんか?
おわりに
本番で力を発揮できない理由は、偶然でも気合不足でもありません。
「自分で決める」経験の有無が、判断力という形で現れてきます。
もし今、「あの子は本番に弱い」と感じているなら、
それは「決めることを許されてこなかったサイン」かもしれません。
