見出し画像

「原寸のスケッチ」と「スケールスケッチ」

各課題では、手のひらに乗るような200mm~300mm程度の大きさの物を対象にスケッチを行ないます。
スケッチは毎回2種類
「原寸スケッチ」と「スケールスケッチ」のふたつです。

・原寸スケッチとは?
 目の前にあるテーブルの上に乗った対象物を、そのままの視点でスケッチしてもらっています。
 簡単に言うと、斜め上から見下ろす視点でのスケッチとなります。
 対象物のサイズも小さいので、極端なパースが付くこともなく、見たままそのままをスケッチしてもらうのが「原寸スケッチ」

・スケールスケッチとは?
 「原寸スケッチ」と同じ対象物を「建築の模型」とみなし、例えば200mmの高さを持つ対象物が1/100縮尺の模型だとすると、実際には20Mの高さの建築物となります。おおよそ6階建の建物でしょうか。1/1000縮尺だと200M。おおよそ60階建となります。
 まずは、目の前にある対象物を原寸で測り、どの程度のサイズなのか?を理解します。その後、縮尺を与え、実際の建物だとどのくらいのサイズになるか?を確認し、その建物を目の前に想像をしながら描くのが「スケールスケッチ」です。

原寸とスケールの目的は、
・目の前の対象物をそのまま捉える事(頭の中にイメージを形成すること)
・形成されたイメージを巨大化させ、目に見えないイメージに移行しアウトプットすること。
この流れは、全くの白紙状態の頭の中から、新しいイメージを構築していく為の訓練にもつながっています。

いずれも、A3のケント紙に描いていきますが、ケント紙に対し対象物の全体像を当て込んだところで大枠の形を取り詳細に移行していきます。
その際に、スケッチの違和感を感じるところを消しゴムで消して修正を行う。自身の手からアウトプットされたスケッチに対して、目の前の対象物と照らし合わせ、違和感を感じ修正を行う。それを繰り返していくのがこの授業のテーマとなっています。

違和感を見つけ、修正を行う。ことの繰り返し。
頭の中のイメージとアウトプットされたスケッチがどこかでパズルが合わさるように繋ぎ合わさる、、。そこに向けて何度も修正を行うことが目的となっています。


v以前は、授業の前に「チャールズ・レイ・イームズ」の制作した「POWERS OF TEN」を学生に観てもらっていました。
10の冪乗というタイトルです。

シカゴの公園でくつろぐカップルから始まる視点は、1辺が10の0乗メートル(1メートル四方)から徐々に上空に移動していき、10秒ごとに10平方メートル視点が広がっていきます。次の10秒で100平方メートルの範囲。徐々に地面を見下ろしながら上空へと移動していきます。
成層圏を超え宇宙に飛び出ると、巨大な回転楕円球である我らの生活環境「地球」は、とても美しい「物」のように見え、そのまま10秒ごとに地球を離れ、やがて太陽系を脱出した視線は、銀河系を飛び越え1辺が100000000光年(10の24乗メートル)になると今度は、5秒ごとに元のシカゴの公園に戻ってきます。

この映像を見てもらう事で「視点を変えるとスケールも距離も関係性も変わって捉えられる」という事を感じ取ってもらう目的がありました。
自身の立ち位置や周囲との関係性で、さまざまな捉え方ができるよ、、という「大人になり常識に囚われカチカチになった頭」をちょっと緩める為のオープニングメッセージ的な役割としてです。
ここ数年はガイダンス時などで説明を行い、学生それぞれで自発的に観てもらうようにしています。

いいなと思ったら応援しよう!