今日のジャズ: 2月29日、1960年@ニュージャージー
Feb. 29, 1960 “Bag’s Groove”
by Horace Parlan, Sam Jones & Al Harewood
at Van Gelder Studio, Englewood, NJ for Blue Note (Movin’ & Groovin’)
珍しい閏日の録音なので、二月の最終日に掲載しています。
強くて太い、特に木の胴体の音が響き渡る端正なベースは、とても気持ち良いものです。その典型が、本作品に登場するベーシストのサムジョーンズ。ドラムのアルヘアウッドの粘り感のあるブラシによるリズムすら、深くて太くて馬力のあるジョーンズに従いながら叩いているかのように聴こえます。
独特の間の取り方と打楽器のように和音で鍵盤を叩くスタイルのホレスパーランによる3:21からの20秒以上に渡って粘り強く続く微妙な強弱をつけた繰り返しフレーズが、本曲のクライマックスです。それが続いている間のベースとドラムに耳を凝らせると、何故20秒も続けられているのか、その理由が分かります。同じフレーズでも微妙に揺らいだリズムを繰り返すことによってノリが増幅するから飽きが来ないというからくりです。
その流れを引き継いだ4:08からのサムジョーンズのソロでの力強い爪弾きで弦とベースが芯からブルブル鳴っている事が伺えます。
前月の13-14日に紹介した同年の演奏(最下部)にもジョーンズは黒人ピアノトリオで登場しているから、比較してみると色々な発見があります。曲も勿論のこと、ピアニストとドラマーの組み合わせを変えるだけで随分と印象が変わりますね。パーランは、メロディーや和音とリズムの独特の崩し方が、どこか舌っ足らずなところが強烈な個性となっています。ドラムのヘアウッドは目立たないが着実にスイングする燻銀的な渋さとリズムの深さが通好みの味わいがあります。
曲はモダンジャズのビブラフォン奏者の先駆者、あだ名が「バグ」のミルトジャクソンが作曲したものです。ブルーノートによる定番ヴァンゲルダー録音作品です。冬の寒さを忘れさせるような熱い演奏が印象に残ります。
本曲のオリジナル演奏がこちらです。テンポと間の取り方が異なっていて、パーランの個性が分かります。
因みに、このトリオは、この月の5日に同スタジオでルードナルドソンの”Sunny Side Up”の以下録音に加わっています。更にパーランとヘアウッドは本アルバムの前日の録音にも参加していて、足繁くニュージャージーのルディバンゲルダースタジオまで通っていた事が分かります。ここでもパーランは、アルトサックスの北島三郎的な大御所に対してピアノソロで唯一無二の個性を発揮しています。
最後に、1月13-14日に紹介したジョーンズが参加している同年の黒人ピアノトリオの演奏はこちらです。ここでも力強いブンブンベースが味わえます。
閏日の貴重な作品と共に素敵な1日をお過ごしください。
