ちょい読み 2024/12/29
『洞窟のなかの心』 デヴィッド・ルイス=ウィリアムズ 著
港千尋 訳 (講談社 2012)
この1冊が
アンドレ・ルロワ゠グーラン(381夜)の
『先史時代の宗教と芸術』(日本エディタースクール出版部)や
『身ぶりと言葉』(新潮社・ちくま学芸文庫)、
スティーヴン・ミズン(1672夜)の
『氷河期以後』(青土社)や『心の先史時代』(青土社)や
『歌うネアンデルタール』(早川書房)につらなる重要な本であることは
すぐにわかった。
人類の文化的創発を語りたいなら、この3人の本は欠かせない。
『定本 尾崎翠全集 上巻』
(筑摩書房 1998)
尾崎翠にあるのは植物感覚だけではなく、
まったくおかしな嗅覚でもあって、また遅速感覚ともいうべき事の歩みや
眼の歩みの揺蕩(たゆたい)でもあった。耳鳴りも鳴っていた。
つまりは自信のない少女がもつ感覚のすべてが突起していた
というべきなのである。
そこが花田清輝にしてわからなかったのは、
この時代、まだ少女マンガというものが爆発していずに、
花田は竹宮恵子や萩尾望都や大島弓子が実のところは
尾崎翠の末裔であることを知る由もなかったからである。
これは大目に見てあげたい。
けれども、その後の世代には、
とくに少女マンガを少しでも読んでいる世代なら、
小野町子が赤い縮れっ毛の少女で、長兄の一助が精神分析医、
次兄が家の中で肥料研究に余念のない二助、従兄の三五郎が音楽受験生
という設定を聞いただけで、ハハン、これこそはあの少女マンガ特有の
疼くような感覚世界の原型であるのだということが、
すぐにピンとくるはずなのだ。
『ビジュアル・シンカーの脳 ー「絵」で考える人々の世界ー』
テンプル・グランディン 著
中尾ゆかり 訳 (NHK出版 2023)
二種類いるのだ。
物体視覚思考者は、
写真のように正確なイメージでまわりの世界を見る。
グラフィック・デザイナーや画家、目端のきく商売人、建築家、発明家、
機械工学士、設計士など
空間視覚思考者は、
パターンと抽象的な概念でまわりの世界を見ている。
音楽や数学が得意で、統計学者、科学者、電気技師、物理学者など
視覚思考のスペクトラムの両端にいるのは、
アファンタジアとハイパーファンタジア
アファンタジアの人は
視覚的なイメージをまったく、あるいはほとんど描けず、
ハイパーファンタジアの人は逆にイメージが過剰
