リキ日記_真因
ハリネズミの飼育者のことを、世間では、「ハリ飼い」というらしい。私は、その、ハリ飼いの中でも、まだまだ素人である。
我が家のハリネズミの名前は、リキという。
リキは点滴や抗生剤を打ち。毎週それを繰り返してきた。家内は、先週の金曜日は大切な歯医者の日だったが、それをキャンセルしてリキの通院にあて。
私は、仕事でそれにつきあえず、家内ひとりで動物病院にリキを連れて行った。
実は最近は、抗生剤も点滴も効かなくなってきており。食事も水も、ほとんどとれなくなってきている。
そろそろ寿命だとは言え。可哀想に病に冒されている。
ほんとうにかなり弱ってしまって。ヨタヨタしながら、何とか、時々動いて巣箱の外に出て。エサを食べようとしたり、水をとろうとしたりはするものの、なかなか口には入れられないようだ。
リキはずっと、何とか生き延びようとしていて。生きるとは何か。いずれ死ぬ運命とはどういうことかを無言と私と家内に、あるいは子供たちに問いかけてきている。
ハリネズミは、病気に罹りやすい。ガンのようなもの。目の病気。そして多いのが、歯槽膿漏である。
主治医の見立てによると。歯槽膿漏から発する腫瘍が口の中にあり。これがガンのようなものになってしまっているようなのだが。
リキは直ぐに丸まってしまうので、真因をきちんとつかめない。
真因をきちんとつかんだところで。年齢も重ねている消耗した小動物に麻酔をかけてまで触診や外科手術を施すことも残酷な話で。対症療法で様子を見るしかないのが何ともいいようのない不甲斐なさを、自らに感じてしまう。
リキは。まだ、生きようとしている。生を全うする気概を、全面に出して。
この姿に、心揺さぶられないはずが、ないのである。
家内が、言うのである。
「リキも頑張っているわね。でも、あなたのリキのために、私も全てを犠牲にして看護してあげているのよ、コジくん」
この期に及んでまで………。
なんのはなしですか。

そんなこんなを家内に語ろうとして後ろを振り向くと、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、二人三脚だよね。リキのためにね。運転・通院に疲れたからね。やっぱりここは、マッサージでしょ。
はい………。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

■もう、歩くのもやっとで。移動することも今のリキには、大仕事です。頑張るリキに、最後の最後まで勇気づけられます。

磯貝さんは、芸術家である。
私はずっとそう言ってきたが。
芸術家には芸術家らしい独創性とか個性が必要だろうが。それよりも前に、人としての優しさとか面白さがほしい。
むしろ芸術家らしさは、そのうえにこそ積み上がるものなのだろうと思う。
そういう意味では、磯貝さんは、人として十分に優しく。面白い人だと思う。

※コリキの顔は一円玉よりも少し小さいくらいの大きさです
朝ドラ「あんぱん」を見ている。ところどころ違和感があるところもあるが、とても面白く見ている。
主人公の嵩は、京都の芸術学校に落ちたあと、そこよりもかなり競争倍率の高い東京の芸術学校に何とか入学するのだが、てるとさんのこの記事を読むと、なんだか同じような経験をされたのだということがわかる。
私は、ろくに勉強もしなかったから、受験しても落ちる気しかしなかったが。結果的に不合格を見ることが圧倒的に多く。たまたま引っかかった、たったひとつに進学するしかなかった。
これもちょっとは辛かったが。卒業するのがまた、さらに大変だった。
てるとさんの記事を見ると、生きる道を見出すきっかけとか縁を感じる。
私には、そういう縁は、今から訪れるのだろうか。この期に及んでなお、そんな妄想をしている。自分でも笑ってしまう。
昔から、ただの聞かん坊の悪ガキだったので、美術や音楽のような芸術をやっている人とか、身近なところでは、本を読む人に憧れがあった。
そういう意味では、文学フリマって、どんなところなんだろうという興味はある。
参加する意識は無いが。一度は行ってみたい。
いろいろなことがあり。休日もそれほどの時間があるわけでは無いのだが。いつか、東京の文学フリマには、顔を出したいものだと思う。
(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。

