ショートショート_窓
窓を開け、外の空気を入れ換える。
私は、それほど頻繁には、しない。特に、この季節は。
なぜならば、私は、酷い花粉症なのである。
スギ、ヒノキ、あるいは雑草。なぜか植物系のものにアレルギーがあると判定された。
ただ。まだ風は冷たさが残っている日もあるものの、風は気持ちいい。
春だ。
時には鼻をズルズル言わせながらも、窓を開け放ち、気持ちの入れ替えをしたいものだと思う。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「窓を開け」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【獣人十色】で。裏のお題が【集塵トイレ|д゚)チラッということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。
今週の青ブラ文学部のお題は、表と裏がある。ただ、そこは、あきらさん。裏お題の投稿期限は、表のお題とは別の日に設定してくれた。
表のお題が、
「トイレで泣いた春」というお題で、作品を書いてみませんか?
職場や学校で、1人になれる場所ってトイレだけだったりしますね。
悔しいとき、逃げ出したいとき、泣きたくなったときなど。
実話でも創作でもかまいません。なにか思い付いたら、書いてみてください。
ということで。
そして裏のお題が、厠俳句(かわや・はいく)、ということで。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジは「荒技師」だから。書くよな。
うむ……。チャレンジしてみよう。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、ほんとうに励みになる。
また、今回は、鈍亀さんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
今週も、「シロクマ文芸部・思い出す」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」を少し、コメントにて残した。
少し切ない感じがして。でも、「君」を思う、愛のようなものも感じた。
晩冬の、風がある日で。その風に君を思う。ただ、思う。
空は青空が広がっていて。未来は明るいと暗示してくれる。でも、その未来に君は居ず、元気でと、ひとり、青空に願いをかける。
もう、春。
春は、去りゆく人、来たる人を思う季節。見上げる空に雲の流れがあり、人も行き交う。
ただ、君を思う。
そんな感じの感想を持ちました。私は詩が書けないはずなのに。なぜだか、詩のようになりました。
これを詩・歌と呼ばせてもらえるならば、返歌とさせてもらおう。
鈍亀さんの詩、ほんとうに、良い詩だった。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのお題(青ブラ文学部)、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。そしてさらに、今回は小牧幸助さんの企画、「noteことはじめ」も入れ込む。あまりにもやりすぎじゃないかな。
今週は6重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「窓」約410字を、どうぞ。

窓を開け放つと、蘭は、ひとつ大きく息を吸った。
蘭とは、元は悪の枢軸の一員でありながら、その知識と能力を買われ財前の部下に採用されたあの、猫怪人の名である。
あまりにも眼前に広がる空が気持ちよく。そして、なんとはなしに春めいた気持ちも、蘭にそうさせるに十分だったからだ。
ところが。
それからクシャミと鼻水と涙が止まらなくなった。
「花粉症なのを、つい忘れていたのニャ」
蘭はトイレに駆け込んで、トイレットペーパーでぐしゃぐしゃの顔を何度となく拭き続けた。
財前は蘭の後ろ姿を見て悪の怪人たちとの苦闘を思い起こしつつ、蘭の人間味を思い、ボソリと呟いた。
「獣人十色、か」
その後蘭は、散らかしたトイレットペーパーをかき集めつつ一句をしたため、ボソリと呟くように詠み上げた。
花粉症
忘れトイレで
泣いた春
窓には限りなく青空が拡がり。その空を流れ行く雲は、まだかまだかと、桜の花を待ちわびているように思えた。
暖かな陽射しが、蘭の涙目に眩しかった。

さっちゃん(注1)に、今日の荒技が終わったとソファーを振り返って話しかけると、さっちゃんは笑って言った。
そんな時間があるなら、もっとマッサー(注2)に使ってもらっていいのよ。今日は日曜日だし、また倍返ししてもらおうかな。
……。
マッサーをすると家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。
(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

