同期
一昨年の夏、定年を迎えた訳だが、運良く同じ職場で再雇用されている。
まあ、担当はコロコロ変えられるし。給与は下がっても、仕事は増えるし。“運良く”とは書いたものの、満足しているわけではない。
おっと。今日はそんなことを書くつもりでは無いのだ。
会社の同期というのは、この定年で、なぜがみんなで集まったり、グループLINEなどを作り、飲み会などをやるようになる。
高校や大学の部活動の同期の集まりも、そうだ。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
定年、還暦を機に繋がり、集まろうという動きをみんながするというのも、ちょっと不思議な感じがするが。
うむ。それは、そうだ。
私から呼びかけたわけは、当然のごとくないのであるが、自然に、複数の同期のグループLINEが出来上がり、なんだか定期的な集まりが開催されている。
私は、悪ガキだったので、お声がけ頂くだけでもちょっと気が引ける。そして、ご多分に漏れず、集まらない。行かない。
ただ、ひとつだけ、なるべく集まっているグループがある。それは、会社の初任部門が同じで、なおかつ寮が同じだった連中の集まりである。
私にとっては、この、寮というのがキーポイントで。文字通り同じ釜の飯を食った仲なのである。
それぞれが、それぞれの良いところも悪いところも知り尽くしていて。それでも繋がり、昔話に花を咲かせる。

そんな仲なら、まあ、集まっても良いか、と、思うのである。
グループLINEに入っていて、いつも飲み会に出ないグループで。たったひとつだけ、名指しで参加してくれないかと主催者から言われたグループがある。
渋々私の予定を言い、夏休みのお盆頃、それにみんなが合わせて、神戸三宮駅で集合するハスだったが、H(注1)の手術の説明が主治医からあるということで、急遽ドタキャンをしてひんしゅくを買った。
Hが手術するとかそういうことを、ちょっとその仲間達には言えなかったのである。
悪ガキというのは、還暦を過ぎても猶やりにくい、厄介な存在なのである。
なんのはなしですか。

そんなこんなを家内に語ろうとして後ろを振り向くと、空のソファーが、静かに笑っていた。
先日から家内は、あるプロジェクトで、都心のホテルに泊まり込んでいる。
シーンとした部屋の空気に、なんだか、心が追いつかない。
今宵もマッサー(注2)は、無い。
昼間のやりとりからすると、家内は、元気なようである。
家内が元気だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)Hとは、次女のことである。マイナースポーツのアスリートを、地方の実業団チームで続けている。私にはかなりキツいが。根は、優しい子である。
(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

