ショートショート_ 瞬殺
五月病というのは、新入生や新入社員という新人がなるものだと思い込んでいたが。
この春にまた異動し、仕事がまるっきり変わって繁忙を極め。いい頃合いでゴールデンウィークという名の浮島に辿り着き。ぼんやりと過ごしたあとの数日間で、自分自身が五月病にかかっていることに気づいた。
というよりも。
実は今まで。常に五月病状態だったから、自分が五月にも五月病に罹っていることに気づかなかっただけだったということに、定年を超えてようやく気づいた。
この日曜日も、なんだかぼんやりした、でも、落ち着かない一日の終わりを迎えている。
私は、常に五月票だ。五月病は新人がなるものという愚かな前言は、潔く撤回しよう。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「五月病」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【来襲の運勢】で。裏のお題が【哀愁の燻製】|д゚)チラッということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。
今週は、いつもの「青ブラ文学部」のお題が出ている。
「根比べ」というお題で、作品を書いてみませんか?ということで。
先週、ローマ教皇レオ14世が即位した。初の米国出身の人だという。聞くところによると、コンクラーベに纏わる映画も上映されていたようで。いかに自分が世間知らずかを思い知らられる。
今回のお題は、ダジャレにも見えるが。あきらさんは、さすがに奥が深い。今回はお題を文中に素直に入れ込んでみよう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、wsd983320987さんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
今週も、「シロクマ文芸部・五月病」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」を少し、コメントにて残した。
凄く面白かった。かなり感情移入して読んでいてが、最後の一文の「サインをもらう」発想が思い浮かばなかった。笑
wsdさんはちょっとシリアスなSFをよく書かれている印象だが、こういう作品も良いと思う。とても。
でも。
よくよく考えれば、このウイルス、とんでもなく怖い。見かけも性格もすべて乗っ取られてしまって2度と回復しないなんて。
五月みどりになってしまう五月病(さつきびょう)のウイルスだったとして。その変異株が、小松みどりになったりするヤツだと、ウイルス名が「みどり病」に改名されたりするだろうなんて勝手に追い妄想してしまった。
しかし怖い。笑いつつ、ほんとうに怖い。切ない。
wsdさん、しかし、お見事です。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのお題(青ブラ四字熟語のあきらさんの凡例)、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
今週は5重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 瞬殺」約410字を、どうぞ。

五月病になりそうな曇天の連休明けの週末。泉にミッションが発令された。
本来、泉は非番で。ニッパツ三ツ沢スタジアムで声を嗄らして応援していた。
先制ゴール。同時にオフサイドのVR判定となり。イラッとした瞬間に指令が届いたのである。
「怪人?タイミングをわきまえないヤツ!」
常に来襲を迎え撃つ運勢なのだと諦めてはいる。
即座に席を立ち、人目につかないところで瞬間移動ツールを発動した。
目前に、イカの怪人。
「今回は魚介系なのね!?」
そう言うや否や、両手をガッシリと組み合った。
「女だてらに……どこまで根比べできるかな?」
怪人が失笑した瞬間だった。
泉は動いた。
パンチの連打に。後ろ蹴りの左右連発でよろけた瞬間、正対して強烈な脳天踵落とし。ジ・エンド。
怪人は一瞬で熨された。
本部からの応援に引き渡し。公式Xを見ると、チームは辛勝。
泉は大きくガッツポーズ。
「シャーッ!」
そこには哀れな怪人の、燻製に似た少し焦げたような匂いだけが残っていた。

さっちゃん(注2)に、今日の荒技が終わったとソファーを振り返って話しかけると、さっちゃんは笑って言った。
そんな時間があるなら、もっとマッサー(注3)に使ってもらっていいのよ。今日は日曜日だし、また倍返ししてもらおうかな。
……。
マッサーをすると家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。
(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

