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荒技ショートショート_ 芝生

水たまりを見ると思うのである。今年も七夕は、雨なのだろうかと。

私の記憶が正しければ、毎年七夕は雨で。久しく織姫と彦星を見たことがない。



昔々の話だが。

ただの悪ガキだった頃、合同の図書の時間に、ある人を見かけた。

本を棚に戻して去って行ったが、私はその本がどんな本かを確かめるためにその場に歩み寄り、星座の本を見つけたのだ。

夏の大三角。織姫と彦星。天の川。


確か、その日も七夕で。雨で体育の授業がなくなったのであった。



私の読書の習慣と天文への興味は、そこが原点である。


そんな日曜日の夕方に、またもや、荒技をやってしまった。


さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。

「水たまり」からはじめるnoteを自由に書いてみませんか?

ジャンルは小説・詩歌・エッセイなど何でもOK。はじめてnoteを書く人も自己紹介の代わりとしてお気軽に!と、いうことで。


そして、田原にかさんからのお題は…。

お題が【七夕の歩幅】ということで。


また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は…。


今回のお題は今回のお題は、今回のお題は「指差呼称」(しさこしょう)です。「右よし!左よし!」のように、安全確認のためにおこなうものですね、とのことで。

また、裏のお題も出ている。「指差呼称」(しさこしょう)ではちょっと書きにくい…という方は、「指」(ゆび)に関するテーマでお書きいただければ…と思います、とのことで。


今回は、これを文中の言葉として使ってみよう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、「荒技師あらわざし」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。


うむ……。そうだな。



3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。

また、今回は、おかゆの味さんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。

「シロクマ文芸部・水たまり」で検索して飛んで来ました。

コメント欄に、シロクマ感想文を、ほんの少し書かせて頂きます。

この短文で、深みを感じました。実に深みのある余韻に満ちている。

最後の一文、いや、二文。新しいですね。いつか、おかゆの味さんへのオマージュとして、真似してみたいと思います。

今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、裏お題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。

そうだ、今週は5重の荒技だ。


うむ。


これで何週間だろうか。とうとう3年8ヶ月に突入した。


まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、つぶやいた。

まるで、悪ガキそのものだな。


まあな。


なんのはなしですか。

「荒技師と自称してるのはお前か?」って、え?いや、え?


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 芝生」約410字を、どうぞ。


水たまりに、整列した隊員達が映っていた。

泉は特殊部隊の訓練に、久しぶりに短期間の特任教官として赴任していたのだ。




泉もほんの2年前、ここで訓練を受けていた。

隊員達は泥だらけで。各々の顔に、背負った宿命を湛えている。瞳は落ち着き使命感と未来をしっかり見据えている。




解散して隊員達は駆け足で撤収。泉は指さし呼称でひとつひとつ最終確認をしたあと、最後に戸口の施錠をして、訓練場を後にした。



本部に帰還する途中の広場で、前からやってくる財前と涼の姿を見つけた。

敬礼すると、2人が空を指さした。


見上げながら今日は七夕だと気づき、まず夏の大三角を確認した。



月の昇る前。天の川は誰にも邪魔されることなく、織姫と彦星を静かに隔てていた。



急ぎ足だったはずが緩くなり、ついに3人は合流して立ち止まり、共に、漆黒に暮れ静まった夜空を見上げた。





財前が言った。

「寝転んでみないか?」




笑い合って芝生に寝転び。




月が昇って来るまで、星座談義に花を咲かせた。


七夕の夜空、我が家のAI、智慧丸に描いてもらいました

《余滴》
さて。今週の荒技の解説です。特に、田原にかさんの「毎週ショートショートnote」のお題の。

ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。

私としては。

小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、私が水曜日に書いている「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章やタイトルに入れ込むのですが、田原にかさんのお題は、言葉そのものは入れ込まず、“匂わせる”という流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。

しかし一方で、私のこの「荒技」にお題そのものを探し続ける人もいらっしゃいまして。

田原にかさんのお題については、お節介な解説を入れてみようと思います。

ですが。

この解説についての一切の苦情は受け付けません。なぜならば、これこそが、「荒技」だからです。笑



◆お題【七夕の歩幅】の匂わせ度について→

今回は泉が主人公です。

特殊部隊の短期間の特任教官として訓練を終え、本部へ戻る途中。緊張感から解放された、そのほんの僅かな時間を書いてみました。

訓練中は、緊張感に包まれ一つ一つの確認を怠りません。

しかし、財前と涼に促されて空を見上げてみれば、今日は七夕。それまで急いでいた足が自然と緩み、仲間と並んで星空を見上げる。

その刹那だけは、任務の歩幅ではなく「七夕の歩幅」になったのだと思います。



◆山根あきらさんの表のお題=「指差呼称」について。

今回のお題を見た時、真っ先に特殊部隊の訓練を思い浮かべました。

鉄道や工場だけではなく、危険を伴う現場では確認という行為そのものが命を守ります。

泉も最後まで指差呼称を行い、施錠を確認して訓練場を後にしました。

平和とは、こうした地味で当たり前の積み重ねの上に成り立っているのだと私は思っています。



◆山根あきらさんの裏のお題=「指」について。

今回は、二つの「指」を描きました。

一つは確認のための指。つまり、指さし呼称の「指」です。

そしてもう一つは、財前と涼が夜空を指差した、その「指」です。

危険を確認するための任務の「指」から、美しい星空を示すための解放の「指」へ。

同じ「指」でも、その役割はまるで違います。

その対比を描きたくて、最後は三人で芝生に寝転び、笑いながら星座談義をさせてみました。

彼らにも、時に、そんな穏やかな時間があっていいのではないかと思ったのです。



解説はここまでです。

何ですと?

そんなことまで考えて書いていたのかって?

もちろんです。

……半分くらいは、後からのコジつけです。コジだけに。笑



ちなみに今回のカバー画像は、「芝生」で検索して選びました。



それにしても荒技。やはり難しいです。時間もかかりますし。苦行です。笑

荒技師への道は、まだまだ遠く彼方にあり。欠片も見えてきません。


そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。

「コジくん、きっと今年の七夕も雨だよ。マッサー(注1)して、2人で星座談義しよう」


「…」


マッサージをすると、家内は上機嫌である。


家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。



これで、いいのだ。

また来週懲りずに、荒技の壁にぶち当たろう


(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


荒技って、とってもムズいんですよね

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