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ショートショート_ 怪人のバラード

金魚玉という言い方自体が、すごく風情がある。

ちょっと口の狭い金魚鉢が、どうして「丸」なんだろうと一瞬思うのであるが、それがまた、箱庭みたいに閉じられた世界の美を醸し出している。

金魚にとっても、本当は自然の中で過ごすことのほうがいいのだが、そもそも金魚は、あまり自然界に生きていない。もともと飼育されている。

夏、涼み、夜店、花火、祭り、金魚。

思うに、夏の日本の文化全部が、金魚玉という言葉に溶け込んでいるような気がするのである。

春はすでに終わった。最近、天気の悪い日が多くて。南の地域から順繰りに梅雨入りをしてきている。

やがて梅雨入り。そして、金魚玉の夏が来る。


そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「金魚玉」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。


そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【額に入った夕暮れ】で。裏のお題が【に入ったおしゃれ】д゚)チラッということだ。


また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。

今週は、いつもの「青ブラ文学部」のお題が出ている。しかも、今回は裏と表が出ている。

「毛想学」(もうそうがく)というお題で、作品を投稿してみませんか?ということで。

「毛想学」とは、実に面白い

また、裏のお題が「知られざる名曲」ということで出ている。私にとってのひとつの名曲を、今回はお題として入れてみようと思う。そしてこの裏のお題。期限がないという。今後も、折に触れて使えそうだ。有難い。


この裏お題、実にいい


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、「荒技師あらわざし」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。


うむ……。そうだな。



3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。

また、今回は、春萌さんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。

今週も、「シロクマ文芸部・金魚玉」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」を少し、コメントにて残した。



読んでいて。静かに。ちょっと切なく。不思議な世界観を味わった。

人間と、金魚が入れ替わってしまったのだ。それはそれは、金魚にとっては、悲しい流れだ。

人の世の理不尽さや、業を経験していくのは、さぞ、ひとりの金魚としては、かなりやるせない。

でも、もう、金魚には戻れない。

満月の残る朝。

金魚玉から飛び出して人として生きていく金魚のために、祈りたくなった。



今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのお題(表と裏のふたつ)。5ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、全部で6重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。

今週は6重の荒技だ。


うむ。


これで何週間だろうか。


まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、つぶやいた。

まるで、悪ガキそのものだな。


まあな。


なんのはなしですか。

「荒技」って、決して反則技じゃないと思うんですよ、うん


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 刻印」約410字を、どうぞ。


金魚玉を覗き込み、涼は財前に話しかけた。

「元の人間に戻すことはできるのか?」


財前が答えた。

「可能だ。毛想学を使えば」


体毛から元の姿を完全に想像し切って復元する手法を財前がそう名付けたのだ。

そして、言葉を継いだ。

「だが、本人がそれを望んでいない」





財前の研究室は、大きな窓ガラスがあり中庭に通じている。

サッシで囲まれた額の中には、夕暮れの山の端が輝き、それを背に研究薬草畑を耕す蘭が見えた。





それはまるで、猫として生きることを決意した潔さを閉じ込めた、ひとつの作品だった。



涼が口を開いた。

「金魚は何のために?」

財前が答える。

「猫としてのおしゃれらしい」




ようやく泉が本質を突く。

「毛って?」

蘭を人に戻すための必須アイテムは、何どれくらいなのか。

財前が答える。

「本人の鼻毛100本だ」





涼と泉は顔を見合わせた。

どう考えても、そりゃ無理な相談だ。





蘭の歌声が聞こえてきた。

知られざる名曲、「怪獣のバラード」だった。




「蘭は怪人、だけどね」

さっちゃん(注2)に、今日の荒技が終わったとソファーを振り返って話しかけると、さっちゃんは笑って言った。

そんな時間があるなら、もっとマッサー(注3)に使ってもらっていいのよ。今日は日曜日だし、また倍返ししてもらおうかな。

……。

マッサーをすると家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。

また来週、良いの書こう




(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。

(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。




「荒技」も長い間やると、マイルドになってくるって、話



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