荒技ショートショート_ 舞台
洗濯機の稼働、つまり、スイッチを押すことについては、さっちゃん(注1)は、何の躊躇もなくやってくれる。
干すのは、かなり躊躇する。できればやりたくないのだ。
そして、畳んで収納する。これは、さっちゃんには重労働らしい。つまり、苦手。もっと言うと、嫌いなのである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
スイッチを押すのだけは好きって、子供みたいだな。
うむ。さっちゃんには、子供みたいなところがある。と言うよりも、ほぼ、子供である。
洗濯物を干し、収納しながら、ふと、そういうことを考えた。
そんな日曜日の夕方に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「洗濯機」からはじめるnoteを自由に書いてみませんか?
ジャンルは小説・詩歌・エッセイなど何でもOK。はじめての人も自己紹介の代わりとしてお気軽に!ということで。
そして、田原にかさんからのお題は…。
お題が【踏切オーディション】ということで。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は…。
「全人類埴輪化計画」です。
AIにイラストを見せて「埴輪化して!」と頼むと、面白いイラストが生成されたので、このお題にしました😊💕、とのことで。
今回は、文中で使ってみよう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、弦空(いと)さんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
「シロクマ文芸部・洗濯機」で検索して飛んで来ました。
コメント欄に、シロクマ感想文を、ほんの少し書かせて頂きます。
洗濯機の音って、何か、きちんとした生活の静謐な一場面に似合う感じがします。
綺麗にして、整えて、次に備える。
そんなところへ、ちょっと梅雨で鈍色の空模様の向こう側から、祭りの太鼓が、ほんの少し聞こえる。
いいですね。
きちんと生きている気がします。
ところが我が家は、とにかく雑然としていて。いやいや洗濯機に突っ込んでスタートキーを押し。テレビを見つつ寝転んでいるところへ、秋祭りの太鼓が聞こえる。
そんな秋の景色が、毎年訪れます。
対照的な季節と生活の様子を、味わえたような気がします。
そろそろ私も、真面目に生きたいものです。
そんな気がしました。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
そうだ、今週は4重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。とうとう3年8ヶ月に突入した。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 差し替え」約410字を、どうぞ。

洗濯機が回っている音がした。
ドアをそっと開けると、中に人の気配がする。
線路沿いのぼろアパート。確かにここがアジトだと、本部からのミッションがくだっている。
怪人が効果無しと踏んだのか、方針を変えてきたのである。
名付けて、全人類埴輪化計画。
特殊な結界を張り巡らす装置を配置し。その範囲内の人々を一気に埴輪に変えてしまう。
涼が踏み込んだ。
工作員は全て一瞬で制圧できたが、バッタ怪人が2階から飛び逃走。
下に控えていた泉がバイクで直ぐさま追跡。やがて涼も追いついた。
怪人はピョンピョン飛んで逃げる。遮断機手前まで追い詰めた。
警報器が鳴り遮断機が下りる。
バッタ怪人は差し掛かった瞬間、躊躇した。
間髪入れずに涼がハイキック、泉が踵落としで勝負がついた。
踏切の向こうは全て埴輪になっていたが。財前の手により無事、元に戻った。
連行されたバッタ怪人が自白した。
「埴輪よりはマシだった」
彼はバッタを演じ続けるという、究極の選択をしたのだった。

《余滴》
さて。今週の荒技の解説です。特に、「毎週ショートショートnote」のお題の。
ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。
私としては。
小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、私が水曜日に書いている「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章やタイトルに入れ込むのですが、田原にかさんのお題は、なるべく言葉そのものは入れ込まず、“匂わせる”という流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。
しかし一方で、私のこの「荒技」にお題を探し続ける人もいらっしゃいまして。
田原にかさんのお題については、お節介な解説を入れてみようと思います。
ですが。
この解説についての一切の苦情は受け付けません。なぜならば、これこそが、「荒技」だからです。笑
◆お題が【踏切オーディション】→
踏切の向こう側は埴輪の世界だと知っていた怪人にとっては、人生という舞台を、バッタ怪人として演じるか、埴輪として演じるかの究極の選択。つまりは、オーディションだったのだろうと思われます。彼は、バッタ怪人であることを選んだ。
ですが彼は、確保されたあと、財前によって人間に戻されてしまっているのですが。
◆タイトル=「舞台」について。
本作では、以下のような「差し替え」があります。
・バッタ怪人は、悪の組織で悪役を演じているのです
・人は誰でも各々の人生を生き、演じています
・人生は舞台だと、彼のシェイクスピアも喜劇「お気
に召すまま」で言っています
・埴輪とバッタ怪人で、どちらが演じ甲斐があるかと
問われたら、究極、バッタかも知れません
解説はここまでです。
何ですと?わからない?理解できない?しっくり来ない?
当然です。全部“荒技”ですから。笑
ちなみに今回のカバー画像は、「シェイクスピア」で検索して選びました。
それにしても荒技。やはり難しいです。時間もかかりますし。苦行です。笑
荒技師への道は、まだまだ遠く彼方にあり。欠片も見えてきません。
そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。
「コジくん、今日は休日出勤で疲れたから、マッサー(注2)やってね、きっちりね」
「…」
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。
(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

