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荒技ショートショート_ 奥

手を洗うという行為については、流行病はやりやまいからこっちで、なかなか熟練したように思う。

そんなこと、還暦を過ぎたジジイが言うことでもあるまいが、きちんと手を洗うという行為について学んだのである。

昔から、聞かん坊の悪ガキだったこともあり。手の洗い方が粗いと言われ続けていた。性格的にせっかちだというのもあろう。

ササッと洗ったつもりで、ササッと済ませたつもりになる。

だが非常字の教訓というのは、時に尊いもので。やっとこさそれを経過して初めて、まともな手の洗い方を身につけたのである。

この季節、インフルエンザやあらゆるウイルスが平素より蔓延ってくる。乾燥する季節でもあり、彼らは活気づくのである。

だが、もはや私の手の洗い方がその侵入を容易には許さない、と言いたいが。やはりそこは永遠の聞かん坊の悪ガキ。

ゆるゆると粗雑な手の洗い方に自然に陥っている自分を発見してしまった。



そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「手を洗う」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?いうことで。


そして、田原にかさんからのお題は…。

表のお題が【ほんわか台風】で。裏のお題が【女かタイ風】|д゚)チラッ ということだ。


また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。

今週のお題は、「文学全集」というテーマで、作品を投稿してみませんか?ということで。

これは、先週と同じお題である。

今回は、お題を文中に入れることにしよう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、「荒技師あらわざし」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。


うむ……。そうだな。



3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。

また、今回は、わたりあめさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。

「シロクマ文芸部・手を洗う」で検索して飛んで来ました。

コメント欄に、ほんの少し、シロクマ感想文を残したいと思います。



秋を通り越して一気に冬になってきた感じですね。

ついこの前まで、少し動けば汗ばむような陽気の日があったかと思いますが。

夏の記憶って、どうして結構引きずるのでしょうか。

手を洗えど、洗えど、消えぬ夏の匂い。そして気づくと金木犀が香り、ハロウィンの仮装が街を彩り、紅葉が目立ち、息が白くなり、そして雪が降りジングルベルが鳴り響き、除夜の鐘が空を覆い、厳かな初日の出を拝む。

走行している間に、季節は巡るのですね。

手を洗うという行為に、ふと、その来し方を思います。

良い短歌を読ませて頂きました。また始まる週の初めに、心が少しゆったりとする思いがしました。

今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。

そうだ、今週は5重の荒技だ。


うむ。


これで何週間だろうか。もう、2年をとうとう超えて3年目3ヶ月に突入している。


まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、つぶやいた。

まるで、悪ガキそのものだな。


まあな。


なんのはなしですか。

「荒技」ってタイトルにつけるようになったよね?って……


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 奥」約410字を、どうぞ。


手を洗う財前の様子に、ふと、故郷丹波篠山の、とある小料理屋を思い起こした。



もう11月にもなりそうな頃合いだというのに、南洋では台風が発生したという。その影響もあり、東京では先週は季節はずれの寒さが到来したが、気温は一時的に和らいだようだ。

財前は手を拭い、呟いた。

「ノスタルジックだな」


涼は本棚の夏目漱石文学全集に目を逸らした。





その小料理屋というのが、少し変わっていて。和風であるにも関わらず、時にエスニック料理を出す。

所謂裏メニューというやつだ。

だがそれが妙に美味しくて。子供の頃は、店に連れられてやってきては頼んでいた。

それがしばらく続いたある日、涼が何も言わずとも大将が笑顔で、一番に出してくれるようになった。

「カイジャオ、おまちどうさま」



涼は一度だけ、奥の人影が前屈みで手を洗っているのを見たことがある。


後から聞いた話だが、大将の奥さんが密かに手伝っていたのだという。




幼き日の、暖かくて優しい、食べ物の記憶である。


(注) カイジャオとは、タイの卵を使った家庭料理のことである。


《余滴》
さて。「毎週ショートショートnote」のお題の解説です。

ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。

小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、水曜日の「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章に入れ込むのですが、たらはかにさんのお題は、表も裏も、なるべく言葉そのものは入れ込まない方が良い、“匂わせる”のだという流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。

しかし、方や、私のこの「荒技」にお題の言葉を探し続ける人もいらっしゃいまして。

たらはかにさんのお題については、今日も、ここに、お節介な解説を入れてみようと思います。

ですが。

この解説ついての一切の苦情は受け付けません。なぜならば、これこそが、「荒技」だからです。笑



①表のお題が【ほんわか台風】→ 台風は直撃やかすめることもなく、むしろ寒さが厳しくなる折に気温を和らげてくれる“ほんわか”さを醸し出しています。

②裏のお題【女かタイ風】|д゚)チラッ→ カイジャオは、タイの卵を使った家庭料理。恐らくは奥さんが調理場で作ってくれたもの。“か”という表現は匂わせたかどうかは、まあ、ご容赦お願いします。



今回の荒技も、淡々と書きました。でも少し、一話完結感を出せたような気がしています。笑



ちなみに今回のカバー画像は、「奥」で検索して選びました。「奥」というタイトルには、奥の調理場、奥さん。奥深い料理の三つを掛けたつもりです。



それにしても荒技。とても難しいです。時間もかかりますし。なにせ、頭がついてきません。荒技師への道は、まだまだ遠く彼方にあり。欠片も見えてきません。


そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。


「なんか、昨日のマッサー(注1)、手抜きだったような気がする。だから、倍返しね」


いつものミッションが、発動された。


マッサージをすると家内は、上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。



だから。





これで、いいのだ。

荒技、極めるぜ、いつか、きっと



(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

(注1)Mとは、長女のことである。私にはかなりキツいが。根は、優しい子である。


7/66


荒技ってやっぱり一筋縄では身につかないよねって、話






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