オヤジの思ひ出話~第82話「退職を告げた日」
今から5年前、2020年9月6日は、私が初めて会社関係者に退職することを告げた日でした。この日から、定年1年前倒しの早期退職に向かって動き出したといってもいいでしょう。
改めて2020年を振り返ってみると、この年は新型コロナウイルスが猛威を振るい、イベントが中止になるばかりか、人々のライフスタイル、さらには人生までも一変させてしまうような激動下にありました。
新聞社で営業職に就いていた私も、職場での交代勤務という不規則な働き方と、道楽であるひとり旅や飲み歩きができないという辛さで、心のバランスが崩れそうになっていました。
役職を解かれて平社員に戻り、「余人をもって代えられる」ような仕事にモチベーションを維持することができず、定年まで働き続けることはムリだと思い、早期退職を決断することになったのです。
退職の時期や退職後の身の振り方など、具体的なスケジュールを固めたところで、タイミングをみて会社に退職の意思を伝えねばなりません。9月に入ってから毎日、そのチャンスをうかがっていました。
退職の意思を最初に誰に伝えるのかは、とても重要なことです。人によっては、「辞めるな」と強硬に翻意を迫ったり、逆に「もっと早く辞めろ」くらいに突き放されたり、ということもゼロではないわけですから。
私は、同期入社だった幹部社員に伝えることにしました。直属上司だった人が8月末で退職しており、事実上の上司不在状態だったこともありましたが、彼は立場が違えども気楽に話ができる間柄でもあったのです。
9月6日は日曜出勤日で、たまたま彼も出勤していました。午前中はお互いそれほど忙しくないので、この機会を逃せないとばかりに彼に退職する旨を伝えました。
表向きの退職理由は「第二の人生をどう生きるか模索したい」というものですが、それとは別のホンネもあるわけです。同期の彼なら、一から十まで説明せずとも分かってくれると思っていました。
案の定、私の話を一通り聞いた彼は「本来なら引き止めなければならない立場なのだが・・・」と言いながらも、早期退職に理解を示し、正式な退職願提出に向けてのアドバイスもしてくれたのです。
ともあれ、会社側に意思を伝えることができ、ひとつのけじめがついたと思いました。1か月半後、新しく直属上司となった人に退職願を提出し、私も会社も正式に退職への手続きに入っていったのでした。
あの時、もし彼に引き止められていたら・・・でも、私は自分の意思を決して曲げなかったでしょう。私の性格までちゃんとわかっていたから、彼は引き止めようとはしなかったのでしょうね(笑)
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