前向きな物語は、作者さえも救う
執筆を続けるためには、モチベーションが必要です。
しかし、このモチベーション、ちょっとしたことですぐに低下してしまいます。
なので、執筆を続けるためには、このモチベーションの維持・管理も必要になってくるわけですが…
個人的に、モチベーションの維持に「とても効果がある」と思っているものが、ひとつあります。
それは「前向き(ポジティブ)な物語を書いておく」ことです。
「苦難に遭っても“めげない”主人公」「どんな苦境でも折れない心」「ネガティブな気持ちをポジティブな方向へ“変換”できる、柔軟な考え方」etc…
執筆中は「読者」へ向けて…読者を想定して書いていたであろう、苦難に前向きに立ち向かう物語…それが、作者自身に「効いてくる」ことがあるのです。
モチベーションが低下するということは、作者自身がその時、何らかの困難や挫折に遭っているということです。
そしてそのせいで、心が「前向き」に保てなくなりそうだということです。
そんな時、困難や挫折に前向きに立ち向かう主人公の“物語”が心の中にあったなら、それは作者自身をも救ってくれます。
ただし、「前向きな物語」なら、どんなものでも作者を救ってくれる、ということではありません。
それが効果を及ぼすためのポイントは、その物語に「嘘が無い」ことです。
物書きさんの中には、自分が信じていないような「綺麗事」でも「この方が読者にウケるから」という理由で書く人がいるかも知れません。
「こんなに上手くいくわけがない」「こんな言動、ウソくさい」と思いながらも「妥協」して書く人もいるかも知れません。
しかし、そんな「自分自身でさえ信じられない物語」は、作者を救ってはくれません。
その物語の中に「嘘」があることを、他の誰より作者自身が知っていますので、物語の語る「前向きさ」を、信じようがないのです。
「嘘」の無い、作者自身も本気で信じられる「前向きさ」…それを描くというのは、簡単なことではありません。
それは、人生で出遭う可能性のある「挫折」や「絶望」を、真っ正面から「見つめる」ということでもあります。
そして、そんな挫折や絶望の中で「何をどうしたら」前向きでいられるのか、本気で、全力で、頭をフル稼働させて「考える」ということです。
それは、脳や精神を、とてつもなく消耗させるかも知れません。
ですが、そうして「人生の困難に遭っても前向きでいられる答え」が見つけ出せたなら、それは物語の役に立つだけでなく、後々、自分の人生の役にも立ってくれるのです。
自分は、前向きな物語をよく書きます。
(そうでない物語もありますが…。)
しかも、主人公や登場人物を相当な苦難に突き落とした上で、そこから這い上ってもらうパターンが多いです。
(作者としては、かなりのドSなのではないかと思います。)
それは、読者のためというよりも、他の誰でもなく「自分自身のため」なのではないかと思うことがあります。
人の価値観や思考回路は十人十色ですので、作者が「信じられる」物語でも、他の人には信じてもらえないかも知れません。
ですが、少なくとも作者本人には「効果のある」物語なのです。
どんな苦境でも、困難の中でも、前向きでいられるための、方法や考え方…それが“物語”として自分の中に数多く“存在”している…
それはもしかしたら、とてつもなく強力な“人生の切り札”なのかも知れない…そんな風に思ったりもしています。
