見出し画像

Django が愛した Selmer #503

個性的なサウンドとプロポーションとを持つギター Selmer社製ギター #503
三大ギタリストを始め様々なギタリストに多大な影響を与えたジャンゴ・ラインハルトが使用していたギターだ。

Selmer #503

このギターは、今はジャンゴ・ラインハルトと情熱的なマヌーシュ・スウィングを奏でた事を懐かしむようにパリの音楽博物館に展示されている。

幸運な事に我々は、今でもこのギターの音を聞くことが出来る。
Django Reinhardt:Guitar
Stéphane Grappelli:Violin


このギターを語るには、二人の男の出会いから始めなければならない。

1930年代 初頭 管楽器メーカー、フランス・セルマー社のロンドン支店のマネージャー ベン・ディヴィスは、弦楽器製作者でプレイヤーでもある若き マリオ・マカフェリ と出会う。
まったく弦楽器に疎かったセルマー社は、マリオ・マカフェリにガット弦
ギター、スティール弦ギターを依頼する。
この時、マリオ・マカフェリが開発したのがDホールを持つモデルである。

Dホールを持つマカフェリ・ギターのレプリカ DUPONT MDC50

しかし、ギターの理想像を追求するマリオ・マカフェリとシンプルで量産に向くギターを志向するセルマー社が対立し、マリオ・マカフェリは僅か2年でセルマー社を去ってしまうのである。

セルマー社は、マカフェリが残したギターに手を入れ、似て非なる性格を持ったギターを作り出す。
1936年 最終仕様(オーヴァル(楕円形)ホール、14フレット・ジョイント)
のセルマー・ギターが発表される。

Oホールを持つセルマー・ギターのレプリカ Dell'Arte 503

ジャンゴ・ラインハルトは、生涯このオーヴァルホールを持つセルマー・ギターを使い続けた。

1952年 セルマー社はギター部門を閉鎖する。製作されたギターの本数は 1,000本に満たない。
しかし、これらのギターレプリカは現在でも様々なルシアー、メーカーで作り続けられている。

セルマー社は、以降名立たるミュージシャンが使用する管楽器専門メーカーとして現存する。

マヌーシュ・スウィング(ジプシー・ジャズ)には、欠かせないこれらの
ギターは、セルマー/マカフェリ・ギターと呼ばれるが
Dホール:マカフェリ・ギター
Oホール:セルマー・ギター
と区別できる。

マヌーシュ とは、ジプシーが差別用語に該当するから代替えとして世界的には使われるが、日本では誰もジプシーを差別用語と意識していないのでジプシーを使用しても問題ないと思う。

いいなと思ったら応援しよう!