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MASTER OF PUPPETS

音楽の話…㉖

“俺たちは自分たちがやりたいことをやっているだけだ。
それを売れ線に走ったと言う奴らがいるなら、そんなことは知ったことか。
どうでも良いさ。
お前たちは、俺たちの何を知っていると言うんだ?
俺たちがやっていること、それがMETALLICAだ。”

これはCliff Burtonさんの御言葉だ。

私がMETALLICAを初めて聴いたのは1994年…中学3年生の夏で『Master of Puppets(メタル・マスター)』と『METALLICA(ブラックアルバム)』を同時にレンタルした時だった。

いや…、マスターをレンタルしてブラックアルバムは購入したような気がする。

少し記憶が曖昧だ。

その後、間もなくして、AEROSMITHを目的に観てたWoodstock Festival 94の中継で、その1つ前に出てきたMETALLICAを観て何だかわからないけど圧倒されたことを思い出す。

その日のセットリストは…、

The Ecstasy of Gold
01.Breadfan(Budgie cover)
02.Master of Puppets
03.Wherever I May Roam
04.Harvester of Sorrow
05.Fade to Black
06.For Whom the Bell Tolls
07.Seek & Destroy(Includes The Outlaw Torn jam)
08.Guitar Solo
09.Nothing Else Matters
10.Creeping Death
11.Whiplash
12.Sad but True
13.One
14.Enter Sandman
15.So What(Anti-Nowhere League cover)

「Breadfan」で始まるセットリストというのも珍しいな。

このLiveを観た時に感じたのが…、

風林火山。

状況に応じて、素早く、静かに、激しく、揺るがないで動くということを言い表した武田信玄さんの組織のスローガンにもなった『孫子』の一節だ。

METALLICAのことを書こうとして、『孫子』の話になっちゃうんだから、やはり、私は頭がイカれているな。

話は変わるが…、2006年8月12日、その日、私は千葉マリンスタジアムに居た。

METALLICAがEscape From the Studio 2006 Tourの一環で来日していたからだ。

この日のイベントは、またの名をSUMMER SONIC FESTIVALとも言った。

日本の都心で行われるこのFESTIVALは、この時で7回目だったかな?

TOOL、MASSIVE ATTACK、MUSE、DAFT PUNK、LINKIN PARKといった錚々たるアーティストが集結していた。

私は翌日の8月13日はTOOLとNELLY FURTADOさんをお目当てにノンビリやってたけど、1つ悔しかったのは、TOOLの為の場所取りと体力温存をする必要があり、MUSEを観なかったことだな…。

12日は会場の移動なんて必要はなかった。

METALLICAのEscape From the Studio 2006 Tourを観ることだけが目的だった。

その前座に、Hawthorne Heights、Stone Sour、Taking Back Sunday、Avenged Sevenfold、Zebrahead、Hoobastank、そして、Deftonesと…これまたとんでもない連中が集まっていた。

途中で雷雨になり、奇跡の一日になる雰囲気を感じたけど、このまま終わるのか…とも思った。

でも、やはりMETALLICAだった。

METALLICAが登場する前に雨は上がり、気温が急上昇した。

まさにMake Drama。

この日はあくまでSUMMER SONIC FESTIVALだ。

でも、Escape From the Studio 2006 Tourでもある。

さぁ、どっちが力があると思う?

そりゃ、METALLICAだ。

METALLICAは怪獣王ゴジラのような存在であり、拳王ラオウのような存在だ。

この日はMETALLICAによるMETALLICA Familyの為のMETALLICAのツアーの一環に過ぎなかった。

SUMMER SONIC FESTIVAL史上最長の2時間20分……METALLICAのワンマンLIVEと化した。

最初から盛大に、“Die!”、“Die!”、“Die!”、“Die!”の大合唱だ。

そう、「Creeping Death」だ。

文字通りチビッちまったよ。

The Ecstasy of Gold
01.Creeping Death
02.Fuel
03.Wherver I May Roam
04.The God That Failes
05.Fade To Black

from『Master Of Puppets』

06.Battery
07.Master Of Puppets
08.The Thing That Should Not Be
09.Welcome Home(Sanitarium)
10.Disposable Heroes
11.Leper Messiah
12.Orion
13.Damage.Inc

14.Sad But True
15.Nothing Else Matters
16.One
17.Enter Sandman

encore 

18.Other New Song
19.Last Caress
20.Seek & Destroy

なんと『Master Of Puppets』の20周年記念でアルバムを完全再現するLIVEだった。

今年で40年だからな…。

METALLICAが1983年にデビューした時、どれだけの人が今のようなロック界の超大御所のような存在になるなんて想像できていたんだろうか。

この日のLIVEでは「Battery」から「Damage Inc.」まで手抜きなしの濃厚な時間だったけど、ミーハーなお客さんの多くが途中で退散していた。

空席が目立つ後半だった。

でも、それで良かった。

本物のMETALLICA Familyの熱気という点では最高潮に達していた。

『Master Of Puppets』は、1983年の『Kill ’Em All』、1984年の『Ride The Lightning』を経て3rdアルバムとして1986年3月に発表された。

METALLICAのその後の歩みを左右した運命的な1枚だ。

後に、新しいアルバムを出せば、当然の如く、全米ビルボードチャートの1位を獲得するようになったMETALLICAだ。

METALLICAの定位置…それは頂点。

今も揺らぐことはない。

そんなMETALLICAのメタル史上最高のアルバムと称されることも多い大名盤。

今更、何も語ることはない。

ただ、聴け。

ただ、それだけだ。

2代目ベーシストだけど、METALLICAのオリジナルメンバーと称されているCliff Burtonさんの遺作にもあたる。

「Orion」は今でも涙を流しながら聴くしかない。

アルバムデビュー時に在籍していたメンバーだからな。

METALLICAの実質的なオリジナルメンバーは、Ron McGovneyさんとDave Mustaineさんだけどな…。

私の中ではLars Ulrichさん、James Hetfeldさん、Kirk Hammettさん、そしてCliff BurtonさんこそがMETALLICAだ。

スタイルや展開のパターンがすっかり確立していたヘヴィメタルの様式美とは違い、メンバー全員が極限までテクニックを高め合い、それをヘヴィサウンドに転化していく…そんなMETALLICAというジャンルが好きだった。

こんな太々しいマニアックなバンドがどうしてここまで偉大になれたのか…。

1986年の音楽シーンはWhitney HoustonさんやMADONNAさんといった人たちの全盛期だったし、ハード系のバンドだとVAN HALENやBON JOVIといった人たちがシンセサイザーを前面に出してソフトなサウンドを鳴らしていた時代だった。

その中でMETALLICAの『Master of Puppets』は全米ビルボードチャートで最高で29位だ。

常識的な感覚で言えば、29位程度ではとても大ヒットといえるものではなかったわけだけどさ。

でも、スラッシュメタルと括られるマニアックなバンドが、当時の流行だったMTVなどのメディアによる大掛かりな推しがない状態でLIVEや音楽そのものだけでそこまで上がるというのは奇跡に近かった。

Ozzy Osbourneさんに目を付けられてツアーで同行させてもらったのも大きかった。

そんな、前途明るい未来が見え始めた1986年9月26日……スウェーデンでのツアー中にツアーバスの交通事故でCliff Burtonさんが亡くなってしまった。

まぁ、これ以上書くと重苦しい文になりそうだから、ここまでだ。

とにかくな、METALLICAのメジャー進出の原点である『Master Of Puppets』は特別だ。

私も含めて、このアルバムのおかげで救われた人は世界中に大勢居ることはわかっている。

40周年を盛大に祝うべきだろ。

METALLICAの初期の3枚…いや、『…And Justice for All(メタル・ジャスティス)』までの作品を聴くといつもこの句を思い出す。

風林火陰山雷。

『孫子』という兵法書の軍争篇で軍隊の進退について書いた部分にある“其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆”だ。

『孫子』は、紀元前500年頃の斉国の軍事思想家だった孫武さん、又は紀元前340年頃に戦国時代の斉国の孫臏さんが書いたとされる兵法書だな。

中国における兵法の代表的古典とされる『呉子』、『尉繚子』、『六韜』、『三略』、『司馬法』、『李衛公問対』と並び称される偉大なる武経七書の1つだ。

“其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如く、侵し掠めること火の如く、知りがたきこと陰の如く、動かざること山の如し、動くこと雷霆の如し”。

これは、“移動する時は風のように速く、静止するのは林のように静かに、攻撃するのは火のように、隠れる時は陰のように、防御は山のように、出現は雷のように突然に”ということ。

METALLICAの初期の音楽は研ぎ澄まされていて、いつもこの句を思い出す。

やっぱり、どうしても、今日は『孫子』のことが頭が離れないらしい。

まぁ、仕方がない。

そんなことはどうでも良いさ。

今日はMETALLICAの話だ。

あぁ〜ステキ♪

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