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第3章 開始10分で席を立つ

第3章は、おじさんがホワイトボードの前に立った瞬間が主役だね。

みんなの頭の中を揃える話

として書くと読みやすい。

第3章 開始10分で席を立つ

会議が始まって10分ほど経った。

予想どおりだった。

話は進んでいるようで、どこか噛み合っていない。

誰かが説明する。

別の誰かが質問する。

さらに別の人が補足する。

会話は成立している。

しかし、どうも景色が違う。

私はそこで席を立った。

持ち込んでいたホワイトボードの前に移動する。

そして最初に行ったのは、設備の話ではなかった。

対象エリアを描くことだった。

もちろん正確な図面ではない。

現場を知っている人なら分かる程度の、ざっくりとした地図である。

まずは対象となる場所を書き出す。

そして確認する。

「今回の話って、この範囲で間違いないですよね?」

すると参加者全員の視線がホワイトボードへ向いた。

今まで言葉だけで進んでいた会議に、初めて共通の地図ができたのである。

会議でよく起きるのは、知識不足ではない。

認識のズレだ。

同じ言葉を使っていても、頭の中で違う場所を思い浮かべている。

同じ設備を指しているつもりでも、実は別のものを考えている。

だから話が噛み合わなくなる。

今回も同じだった。

私は専門家ではない。

だから細かい技術の話はできない。

その代わり、今どこの話をしているのかを整理することはできる。

対象エリアを書き出し、

関係する場所を書き込み、

一つひとつ確認していく。

すると不思議なことに、それまで散らばっていた話が少しずつまとまり始めた。

私はこの時、改めて思った。

会議で必要なのは、答えを知っている人だけではない。

同じ地図を見せる人も必要なのだと。

第1章=違和感

第2章=準備

第3章=認識合わせ

と流れが綺麗につながると思う。

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