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頭の中の「羊」

「羊、観てきたよ」

昨日、休みで映画を観てきた夫が言った。

私は気になっていた『羊探偵団』のことだと思い、

「いいなあ。私も観たかったのに。かわいかった?」

と聞いた。

夫「え?かわいい?綾瀬はるかのこと?」

どうも話が噛み合わない。

夫が観てきたのは是枝監督の『箱の中の羊』だった。


私の頭の中には、もふもふの羊がたくさんいたのに、夫の頭の中にいたのは別の羊だった。

同じ「羊」でも、思い描くものはこんなに違う。


同じ話を聞いても、同じ景色を見ても、人によって目が向く場所は違う。

同じ出来事について話しているつもりでも、
実はそれぞれ別の「羊」を見ているのかもしれない。

相手の言葉をちゃんと聞いたつもりでも、頭の中では自分の「羊」を思い浮かべている。

夫婦でも思い描く羊が違うのだ。
ましてや他人なら、なおさらだ。

話が噛み合わなかったり、わかってもらえなかったりすることがあっても、不思議ではない。

相手が悪いわけでも、自分が悪いわけでもない。
ただ、見ていた羊が違っただけ。

そう考えると、気持ちが少し楽になりそうだ。


今日は私が休みだった。

せっかくだから私の羊を観てこようかと思ったのだけれど、残念ながら近くの映画館では上映期間が終わっていた。

羊にも、会えるタイミングがあるらしい🐏

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