研修医だけど、多分命を救った
代謝内科をローテしていた、研修医の頃の話だ。
その患者さんは、神経性食思不振症で長く通院しているおばちゃんだった。
やせ型で、低栄養が進み、便秘がひどくなって入院となった。
会話はできるし、歩ける。
一見すると、そこまで重症には見えなかった。
正直なところ、当時の自分も
「便秘での入院だし、すぐに命に関わる感じではないのかな」
と思っていた。
その日は、代謝内科ローテの歓迎会だった。
一次会、二次会と進み、ほろ酔いで解散しようとしていた、夜遅く。
そのとき、病棟から電話がかかってきた。
「さっき入院した○○さんなんですけど……
お腹が痛いって言ってます。センノシドをもっと出して欲しいって。」
その瞬間、酔いが一気に引いた。
時計を見ると、もう23時を過ぎていた。
タクシーで病院に向かい、
病棟に着いたのは23時過ぎ。
診察すると、おばちゃんは下腹部が痛いと言う。
便秘で入院している患者さんだ。
多少の腹痛があるのは、正直、珍しくない。
腹部を触っても、
反跳痛や筋性防御といった、分かりやすい急性腹症の所見はない。
――便秘だし、まあ、あり得るか。
そう思いかけた。
ただ、ひとつだけ、気になる訴えがあった。
「足の内側が、しびれるんです」
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