1枚にメッセージが2つあると、どっちも残りません
こんにちは。プレゼンベーシックスクールてらこやの近藤裕規です。
会議でスライドを出して少し説明していたら、「結局、何が言いたいの?」と言われたことはありませんか。
原因はだいたい、1枚の中にメッセージが2つ以上あることです。
今回は、1枚1メッセージを守りつつ、比較表のように情報が増えがちな場面でも崩れない作り方を説明していきます。
基本は1スライド1メッセージ
みなさんはスライド1枚に情報を詰め込むほどちゃんと伝えた気になる、
そんな感覚に陥ってないでしょうか。
1枚にメッセージが2つ以上あると、聴衆はどちらを覚えればいいか迷います。迷った結果、どちらも残らず会議などで「つまり何が言いたいの?」が起きやすくなります。たとえば
「不良が増えた」も言いたい
「対策案もある」も言いたい
「コストを見積もった」も言いたい
「スケジュールも出した」も言いたい
これらは全部正しいです。ただ1枚に載せると、結局「報告の板」になって、判断が進まなくなっていきます。
私は1枚を作るときは、
この1枚で、聴衆に「何を言わせたいか」を1つに絞ることを心がけます。
「増えた」なのか
「原因はここ」なのか
「この対策が効く」なのか
「この案で決めたい」なのか
言わせたいことが絞れない場合は、役割が混在しているときです。
同じスライド内に、報告・分析・提案が同居しています。
分け方はシンプルです。
報告の1枚:事実だけ(何が起きたか)
分析の1枚:解釈だけ(なぜ起きたか)
提案の1枚:判断だけ(どうするか)
この3つを分けると、会議が進む速度が上がります。
読み手が「今どのモードで読めばいいか」を迷わないからです。
そうはいうけど…
「でも枚数が増えると嫌がられる」
「でも上司は一枚にまとめてくれって言うんです」
1枚の中に2メッセージがあるなら、見出しが2つになるはずです。
見出しが2つになるなら、そのスライドは2枚に割る価値がある。
それでも1枚にしたい場合、ここまでお読みいただいた方でしたらどちらかを捨てるしかない、とお考えになるかと思います。
確かに基本は1スライド1メッセージです。
ここで、とっておきの捨てずに両方を活かす形を紹介します。
やり方は単純で、メッセージを2つ並べるのではなく、「主張+条件(または但し書き)」の1文にまとめることです。
たとえば「結論はA。ただし最大リスクは○○」のように、判断を1つに固定したまま注意点を添える。
こうすると、言っていることが増えたように見えても、聴衆が持ち帰る判断は1つのままです。
たとえば比較表でやりがちな失敗は、表の中で
「Aは安い」「Bは早い」「Cは安全」まで全部言ってしまうことです。
それはメッセージが複数になっていて、読み手が「で、結局どれ?」に戻ってしまいます。
比較表のメッセージは、基本的に次のどちらかに寄せると強くなります。
この判断基準なら結論はA
結論を出すには判断基準を先に決める必要がある
つまり比較表は「答え」ではなく「決めるための地図」です。
だからこそ表を出す前に「判断基準」を一度だけ言い切ります。たとえば、
「今回は品質を最優先で決めたい」
「今回は納期を落とせない」
「今回はコスト上限がある」
この一文があるだけで、比較表は読まれる方向が揃います。
そして、どうしても注意点も同じスライドに入れたいときは、メッセージを増やすのではなく、主張+条件の1文にまとめます。
「結論はA。ただし最大リスクは○○」
こうすると、言っていることは2つに見えても、判断は1つにまとまります。
情報が多いのは悪ではありません。
悪いのは、情報が多いまま、言いたいことまで増えることです。
比較表は、情報は多くても、言いたいことは1つにする。
そうすると、会議が前に進みます。
資料は、伝えたいことを増やすために作るのではなく、この先をどう進めるか決めるために作るものです。
1枚1メッセージにすると、読み手の頭に残る。
残るから、会議が前に進みます。
