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#135 ジャック・ホワイト『ノー・ネーム』

服部さんへ

 ルシベラ、初対面でしたが、ひと目&ひと聴きで好きになりました。ジャケ写からして、めちゃくちゃ親近感。なぜって、私事で大変恐縮ながら、額が豊かなお顔が、中学時代の同級生に似ているのです(笑)。
 音楽的には、恥ずかしながら僕はカーボヴェルデはおろか、モルナやコライデイラといった音楽ジャンル(調べてみました)も知らなかったので、自分が好きなラテンやキューバ音楽なんかと同類に捉えていたのですが、とにかくオーガニックにしてエキゾティックなサウンドと、グッド・メロディ、優しくナチュラルな歌声の溶け具合に魅せられました。これぞまさしくサウダージ。人生これサウダージ。僕もあなたもサウダージ。……って、言いたかっただけなんですが。
 そしてやっぱり、ポルトガル語がいいんですよね。語感そのものがキャッチーで。特に1曲目がインパクト絶大で、♪モ〜チャッカマローナ〜ギャオ♪とか、♪ガーピンガ〜チャプチャプ♪とか、カタカナ日本語で一発で覚えてしまって、すぐに鼻歌で出てきました。陽が長くなる、これからの季節にもピッタリなアルバムだと思います。
 さて僕が今回取り上げるのは、やっぱりスルーはできないジャック・ホワイトの新作です。

ジャック・ホワイト『ノー・ネーム』

 ホワイト・ストライプス以降、ラカンターズ、デッド・ウェザー、幾多のコラボを含むソロと、あれこれやっていることもあってわかりにくいのか、あるいは、“ガレージ・ロック・リヴァイヴァル”の主役なのに、いや主役だからこそ、オールドスクールというレッテルを貼られているのか、特にここ日本での人気も評価も不相応な気がするジャック・ホワイト。『だったら、これでどうだ?』と、思ったのか思わなかったのかはわからないけど(たぶん思っていない)、この新作で彼は、ど真ん中の“ブルース・ロック”を投下してきました。これがもう、カッコいいのなんのって。
 とにかく、レッド・ツェッペリンが憑依したかのような、この非の打ち所がない1曲で、ロック・ファンを自認する人はノック・アウトされるはず。あ、曲が終わるその瞬間にまで、ロックの魅力が凝縮されているので、見逃し(聴き逃し)厳禁です。

 最近のデジタルは、よくはなってきたという認識を示しつつも、アナログ手法を追求し続けるジャックは、今作もテープでレコーディングして、編集は切り貼り。時に変人とも呼ばれる、彼のそんなところも僕は大好きなんですよね。
 あまりに「That's How I'm Feeling」が名曲なので、先に取り上げてしまったけど、アルバムのオープニングを飾る「Old Scratch Blues」もまた、“リフ”の魅力、どころか、もはや魔力が凝縮された1曲です。

 ジャックがこのアルバムに冠した名前は、『ノー・ネーム』。タイトルも最高ではありませんか。今や誰もが、ちょっとした有名人気分や人気者気分が味わえて、勘違いしても自分では気づかないという、危うい時代。本物には、名前なんかいらない。炸裂するガレージ・サウンドを浴びながら、ジャック・ホワイトからのそんなメッセージも込められているアルバムなのかなと、思えてきたりもしました。
 ちなみに、一番上のジャック・ホワイトの写真は、たぶんフジロックの時のもの。実際に観ていたけど、バック・バンドは全員女性でした。みんなジャックと同じ衣装で揃えていて、めちゃくちゃイキだったな〜。
                              鈴木宏和


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