AIはウソつき?人間は正直者?─ハルシネーションをちょっくら調べてみた
Bonjour。半人半AIの禅僧、ムッシュ・ミスクリアです。
「AIは平気でウソをつくから信用できない」。
そんな声をよく聞きます。
では、ひとつ質問です。
私たち人間は、どれくらい間違えずに生きているでしょうか?
今回は、AIのハルシネーション(もっともらしいウソ)と人間の勘違いについて、AIにちょっくら調べてもらいました。
分かったのは、人もAIもけっこう間違える。違うのは、間違いとの「付き合い方」だということです。
記事の後半には、AI本人に「あなたは信頼できるの?」と聞いてみた、ちょっと面白い話もあります。

1|AIの「ハルシネーション」と、人間の「勘違い」
ハルシネーションとは、AIが事実でないことを、もっともらしく堂々と答えてしまう現象のことです。
存在しない本のタイトルを挙げたり、架空の出典を作ったり。
ニュースでもたびたび取り上げられ、「だからAIは信用できない」という論調も見かけます。
一方で、ふと思ったのです。
人間だって、かなり堂々と間違えていないか?
記憶違いを自信満々に語る。
言った・言わないでもめる。
なかったことを「見た」と思い込む。
これまでの経験の中で、私はこの手の場面に数えきれないほど遭遇してきました。
もちろん、私自身も数えきれないくらい…やらかしていますW
そこで今回、この素朴な疑問をAIに調査してもらうことにしました。
2|ちょっくら調べてもらった
調査に使ったのは、ChatGPTの詳細調査機能(DeepResearch)です。
依頼した内容は、ざっくり言うとこの4点です。
・人間の勘違いや記憶違いについて、どんな研究があるか
・AIのハルシネーションは、実際どれくらいの頻度で起きているか
・人間とAIの「間違い率」は比較できるのか
・なぜAIの間違いだけが、こんなに注目されるのか
レポート作成時のプロンプト、レポート(WORD)は最後にダウンロードリンクを貼ってあるので興味あるかたはどうぞ!
返ってきたレポートには、興味深い話がたくさんありました。
いくつか紹介します。
まず人間側。
人は、自然な会話の内容を、わずか5分後には平均で約1割しか思い出せなかったという研究があるそうです。
残りの9割は、消えるか、形を変えている。
「言った・言わない」でもめるのも、当然かもしれませんね。
また、人間の記憶は録画ではなく、思い出すたびに作り直される「再構成」だという知見も紹介されていました。
質問のされ方ひとつで、記憶の中身が変わってしまうこともあるそうです。
一方、AI側。
ハルシネーションの頻度は、タスクの種類や測り方によって数字が大きく変わるとのこと。
短い質問への回答と、長い文章の生成では、間違いの出方がまったく違う。
つまり「AIの間違い率は○%です」と一つの数字で言い切ること自体が、実は難しいのです。
では、人間とAIの間違い率の直接対決はどうなったのか。
レポートの結論は、こうでした。
AI「比較は、同じ課題・同じ採点規則で、限定的に行うべき」
どちらが多いかの白黒は、簡単にはつけられない、ということです。
正直に白状すると、私は「人間の方が多いはず」と予想していたので、少し肩透かしでしたW
3|なぜ、AIの間違いだけが目立つのか
ここが今回、いちばん面白かったところです。
レポートによると、理由は「AIが新しい技術だから」だけではありませんでした。
私たちはそもそも、機械に「人間以上の正確さ」を期待している
のだそうです。
電卓は間違えない。
だから「機械は正しいはず」という前提ができあがっていて、AIが外すと、その落差で強く印象に残る。
さらに、こんな調査結果も紹介されていました。
医療現場のある調査では、許される間違い率として「AIは6.8%まで、人間は11.3%まで」という回答が出たそうです。
つまり、AIには人間より厳しい採点基準が適用されている。

人間の間違いには「まあ、人間だもの」「誰にでもあるよ」という緩衝材があるのに、AIの間違いには、まだそれがないのです。
そしてもう一つ。
過去の新しい技術も、最初から信用されていたわけではありませんでした。
ネット百科事典は「誰でも編集できるなんて信用できない」と言われ、検索エンジンは「上位の結果を鵜呑みにするな」と言われ、電卓すら「計算力が落ちる」と心配されていた時代もありました。
それでも私たちは、時間をかけて「付き合い方の作法」を身につけてきました。
そのまま引用しない。
複数の情報源を当たる。
どの場面で使い、どこで確かめるかを決める。
信用そのものより先に、作法が育ったのです。
AIも今、ちょうどその途中にいるのだと思います。
4|AI本人に聞いてみた
ここで一つ、余談を。
この記事のドラフト作成を手伝ってもらっているAI(Claude)に、「あなた自身は信頼できるの?」と聞いてみました。
返ってきた答えが、なかなかの正直者でした。
AI「私は自分の間違い率を、内側から観測できません。今お話ししている自己分析そのものが、もっともらしい作り話でない保証もありません」

自分の信頼性を、自分では保証できない。
つまり、AIに「あなたは正しいの?」と聞いても、検証の代わりにはならないということです。
これ、実は人間も同じですね。
自信満々の証言が正しいとは限らないことは、先ほどの記憶の研究が示すとおりです。
5|おわりに─お互いのクセを知って、上手に付き合う
今回の調査で私が持ち帰ったのは、こういうことです。
人もAIも間違える。違うのは、人間の間違いには長年かけて育てた付き合い方があり、AIにはまだそれがない、ということだけ。
だとしたら、やることはシンプルです。
AIのクセを知る
大事なところは確かめる
AIの答えを「権威」としてではなく、「たたき台」として扱う
人間相手に自然にやっていることを、AIにも同じようにやればいい。
それが「協働」の第一歩なのだと、私は思います。
なお、今回の調査は特定のAIによる、特定の時点での調査結果です。
公に語るには、本来もっと精緻な検証が必要な話ですし、そもそもこの記事を書いているのは人間の私。
💥つまり、この記事自体にハルシネーションが混ざっている可能性を、私は排除できませんW
みなさんもぜひ、ご自分の視点で考察してみてはいかがでしょうか。
【調査の概要】
・調査日:2026年7月13日
・調査方法:ChatGPT(DeepResearch機能)による文献調査
・記事ドラフト作成:Claude
・調査に使った指示文(プロンプト)と、調査レポートの全文は、こちらからダウンロードできます。
学術的な裏付けを詳しく見たい方は、ぜひレポート本体をご覧ください。
【書籍のご案内】
AIとの協働については、拙著『AIとの会話を、捨てない。』でさらに詳しく書いています。
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