ジャック・ショルダー監督の映画「ヒドゥン(1987年)」レビュー「ロイド・ギャラガーの名を借りて」
ロサンゼルスで真面目な銀行員が突然強盗殺人を繰り返す事件が発生し…
トム・ベック刑事(マイケル・ヌーリー)等は彼を追い詰め…
全身に弾丸を打ち込み…瀕死の重傷を負わす…
ソコにFBIのロイド・ギャラガー(カイル・マクラクラン)という…
童顔の捜査官がやって来て…この事件の捜査に協力したいと言う…
ベック「生憎だが事件は終わりだ…」
「ボーイスカウトくん…」
「アイツは全身に弾丸を食らってもうすぐ死ぬ…」
ギャラガーが血相を変えて病院に行くと…
真面目な銀行員は死んでいて…
隣に入院していた胃潰瘍の患者の姿が見えない…
当該の患者は温厚篤実だと言うが…
その温厚篤実な胃潰瘍の患者が強盗殺人を開始する…
手口が…ゾッとする程真面目な銀行員に似ている…
ギャラガー「アイツだ…」
ベック「アイツ?」「コイツはココで死んでるだろ…」
ギャラガー「死んでない…強盗殺人を続けている…」
ベック「頼むから情報をすべて開示してくれないか…」
「ボーイスカウトくん…」
ベックはギャラガーの挙動に不信を感じ…
身元の確認をすると…
ロイド・ギャラガーは…2週間前に山火事で死んでおり…
「ロイド・ギャラガー」と名乗っている男は…
ギャラガーの友人ストーンであると判明する…
ギャラガーが温厚篤実な胃潰瘍の男をストリップ小屋で発見すると…
彼は胃潰瘍で死んでいて…彼が入れあげていたストリッパーが…
強盗殺人を繰り返し始める…
ギャラガー「アイツだ…」
ベック「もうオマエの…『アイツだ』は聞き飽きた…」
「ギャラガー(仮)くん…」
「オマエは一体誰だ…?」
「『アイツ』とは一体何だ?」
「何故真面目な銀行員や温厚篤実な胃潰瘍の男やストリッパーが…」
「強盗殺人魔に変わった…?」
ギャラガー(仮)「君に説明しても無意味である…」
ベック「無意味か有意味かはオレが決める…」
「一切合切…説・明・し・ろ」
ギャラガー(仮)のようなもの
「アイツは…他の生命に寄生して…カラダを操っている…」
「真面目な銀行員から温厚篤実な胃潰瘍の男へ…」
「温厚篤実な胃潰瘍の男からストリッパーに…」
「アイツは寄生している体が使い物にならなくなると…」
「他の体に移動するんだ…」
「ボク ガ モッテイル ブキ ハ…」
「ホンタイ 二 チョクセツ アテナイト コウカ ガ ナイ…」
「ソレ ハ アイツ ガ ベツ ノ カラダ ニ ノリウツル トキ ダ…」
ベック「オマエも…そうやって…地球人の体に寄生してるのか…」
ギャラガー(仮)のようなもの「ソウダ…」
「ロイド・ギャラガー ノ ナ ヲ カリテ…」
「アイツ ヲ オッテイル…」
「ツマ ト コ ト トモ ノ カタキ ヲ…」
ベックはギャラガー(仮)を…
救い難いイカレとして牢屋にブチ込み…
彼が携帯していた武器を取り上げる…
だが…アイツは…ストリッパーから犬へ…
犬から警察署長に乗り移って…
ギャラガーを始末に来るのだった…
マイケル・ヌーリー演じるトム・ベック刑事の…
叩き上げで厳しい反面,部下思いで家族思いな
情の篤さの共存具合が溜まらん人物造形と…
カイル・マクラクラン演じるFBIのロイド・ギャラガー捜査官の
超然とした佇まいと…彼が初めて酒を飲んでベックの家で酔い潰れて
ベッドに寝込むキュートな姿は何杯でも御飯がおかわり出来る人物造形の…
ふたりの刑事が…凶悪寄生宇宙人を追う…「バディもの」の大傑作…
最初は反目し合ってたふたりが
互いに互いを理解するにつれて「信頼」が生まれ
ふたりが初めて並んで歩く場面に目頭が熱くなります…
作家の岩崎つばさ先生が出された
「ヒドゥン」の同人誌の題名は「君に援護して欲しい」。
「君に援護して欲しい」は…
ギャラガーがストリッパーを追い詰め…
ベックに援護を要請する際のコトバ…
岩崎先生の「分かってる」感じがもうもう溜まらないのです。
あのさ。
僕が「ヒドゥン」がスキな本当の理由はね…
「ヒドゥン」はね…宇宙の凶悪犯を追って来た宇宙のお巡りさんが
「『ロイド・ギャラガー』の名を借りて」地球で活動してるんです…
つまり彼は…ベムラーを追って地球にやって来て
「『ハヤタ』の名を借りて」地球で活動してる
「ウルトラマン」なんですよ…。
僕は「ヒドゥン」が…実は「ウルトラマン」だからスキなんです…。
最後に…撃たれて瀕死の重態のベックのもとにギャラガーが近寄り…
「ベック」として地球に帰化する決意をする場面で…
ベックの娘さん役の子役さんがね…
「ベック」を見詰める娘さんの瞳はね…
娘さんが初めてギャラガーに出会った時の瞳と「同じ」なんです…
「同じ」である事を知りながら「それ」を受け入れて
「ベック」の手をキュッと握る娘さんの演技にもうね…涙涙ですよ…
この年のアヴォリアッツ映画祭のグランプリは
バーホーベン監督の「ロボコップ」が当確と言われてたのですが,
その下馬評を覆したのが本作ですね。
以来,僕の中ではバーホーベン監督がロボコップのジョーンズに
ジャック・ショルダー監督がモートンに見える様になりました。
バーホーベン監督はショルダー監督を…
両脚を銃撃して…
爆薬で吹っ飛ばしたかったんだろうなあ…
と取り留めのない妄想を愉しんでいるのです。
日本語吹替が搭載された
ブルーレイのリリースを…
いつまでも待ってます…
