見出し画像

学級通信シリーズ(異) 62日目

町たんけんⅡ ― 雨雲とワクワクのせめぎあい

天気予報は「晴れ」。しかし、午後になると空はどんより。
「このまま町たんけんに出ても大丈夫かな…?」という不安がよぎります。
数日前に靴をびしょ濡れにしたばかり。今回も雨に打たれたら、さすがに笑えません。

でも、こういうときって迷っていても仕方ないんですよね。
えい、勝負! 行こう!
覚悟を決めて出発したとたん、小雨がポツポツ…。
「雨が強くなったら戻ろう」と決めつつ前進。すると幸い天気が回復し、雨もストップ。ひと安心です。

今回の目的地は、クラスの子どもの一人の家の近く。数名が「行ったことがない」と言っていたので、ちょうどいい機会になりました。


一列で歩くという小さな挑戦

町たんけんでは「歩くときは一列」がいつもの約束。
最近ようやく守れるようになってきましたが、まだフラフラしてしまう子もちらほら。
こういう力は“経験の積み重ね”がものを言います。あと数回歩けば、きっと形になります。

住宅地に入ると、ちょっと帰りたくなってしまった子もいましたが、カバンを持っていなかったので我慢してもらうことに。
そんな気持ちの揺れも、成長のひとコマです。


犬と子どもと、ちょっとした事件

住宅地は犬好きの子どもたちにとってパラダイス。
特に、訪れたお宅のミニチュアダックスフンドが大人気で、もう大騒ぎ。

その途中で、ある子が走り回っているうちに私とぶつかって転び、ひざをすりむいてしまいました。涙を見せたのは初めてで、よほど痛かったのでしょう。
私が「学校に戻ったら保健室で消毒しようね」と声をかけていたところ、おうちの方がバンドエイドを貼ってくれました。

その後、元気がなくなってしまったその子の手を、別の子がずっと握って励ましてくれたのです。学校に戻るまで、ずっと。
子どもの優しさって、本当に胸にしみます。


女子の整列力 vs. 男子のマイペース力

帰り道は女子が先頭、男子が後ろ。
女子はさすが、しっかり一列。男子は……マイペース。
水筒を振り回しながら帰る子もいて、お茶をまき散らしながらの帰り道になりました。

これで今回の町たんけんは終了。あとは、今日歩いた道を地図にまとめる作業が待っています。


算数で“先生が教えられた”瞬間

時刻の学習のときのこと。
「夜中の12時は午前?午後?」と問いかけたところ、ある子が手を挙げてこう言いました。

「先生、12時って“夜”じゃなくて“朝”ですよ」

え?と思って聞いてみると、

「真夜中の2時も“朝”。
お昼は12時から6時までで、6時から12時が夜。なんかで見たよ。」

……はい、先生、勉強になりました。

子どもは時々、思いもよらない知識をすっと差し出してくれます。
教えているつもりが、教わることのほうが多い、そんな日もあります。


若い先生へのアドバイス

①「行くか、やめるか」で迷うとき

天候判断など、“どちらにでも決断できる場面”では、基準を一つ決めておくとブレません。
「雨が強くなりそうなら中止」「小雨なら続行」など、明確なラインを決めるのがコツです。

② 子どもの“さりげない優しさ”を必ず拾う

言葉にしてほめることで、クラスにやさしさが広がります。
特に今回のように「手をつないで励ます」行動は、全体に良い影響を与えます。

③ 失敗も“学びの材料”

転んだり、列が乱れたり、犬に夢中になりすぎたり……。
全部ふくめて“経験”。叱るだけで終わらず、必ず次へのヒントを与えてあげると、子どもはぐんと伸びます。