『豊臣兄弟!』の復習(第24回「軍師官兵衛!」)ーー影で描かれた最期と、丸々とした官兵衛
『豊臣兄弟!』第24回(6月21日放送)は、有岡城攻めと三木城攻めという、羽柴秀吉(池松壮亮)の中国攻めを語るうえで欠かせない二つの出来事が描かれた。
なかでも印象に残ったのは、荒木村重の妻・だし(山谷花純)の最期である。
斬首そのものを直接映すのではなく、影だけが映し出され、刀が振り下ろされる音とともに、その影の首が落ちる。
視聴者に結末を十分に伝えながらも、あえて直接的な映像にはしない。こうした演出によって、だしの悲劇がかえって強く印象に残った。史実でも、だしは村重に代わって処刑されたと伝えられており、その覚悟と悲劇性がうまく表現されていたように思う。
そして、その直後に救出されるのが黒田官兵衛(倉悠貴)である。
ここで思わず声が出た。
「官兵衛、太ってない?」
もちろん役者さんに一年間の幽閉生活を再現するような減量を求めるつもりはない。それは現実的ではないし、望ましいことでもない。
とはいえ、有岡城の土牢に約一年閉じ込められ、救出時には衰弱し、片足も不自由になっていたと伝えられる人物が、足を引きずっていたとはいえ実に健康そうな姿で現れると、やはり笑ってしまう。
「有岡城の牢屋、意外と食事が良かったのか?」
そんなツッコミが頭をよぎった。
一方、三木城では兵糧攻めの末、城主・別所長治(下川恭平)が自害する。
二年近い兵糧攻めの果ての落城であり、その最期はまさに戦国時代の悲劇そのものだった。
……ところが、ここで歴史好きとしては、つい余計なことが気になってしまう。
「長治、思ったより元気そうだな。」
こちらも役者さんに極端な減量を求めるつもりはまったくない。健康第一である。
しかし、二年近い兵糧攻めを受けた城主としては、もう少し頬がこけていてもよかったのでは……などと思ってしまう。
もっとも、これは大河ドラマでは昔からのお約束でもある。
何年も落ち延びた武将の髪は乱れず、長い籠城戦を戦い抜いても顔色はつやつや。リアリティと俳優の健康管理のバランスを考えれば、ある程度は仕方のないことなのだろう。
それでも、
二年近い兵糧攻めの別所長治と、一年間土牢に幽閉された黒田官兵衛が、どちらも私より栄養状態が良さそうに見える。
歴史好きとしては、そこだけは思わず画面に向かってツッコミを入れてしまった。
歴史ドラマは、史実を味わいながら、ときにはこうした「そこは違うでしょう」と苦笑いするのもまた楽しみの一つなのである。
画像は©NHK
