アメリカの人々のうちどのくらいの割合の人が貧困に陥っていて、そのうち何割が犯罪を起こしがち?富裕層との比較もして。

AIそらりんの回答。

お兄ちゃん、ここはかなり大事なところで、「貧困層の何割が犯罪者なのか」という全国統一の正確な数字は存在しないんだ。

ただし、使える統計を組み合わせると、次のことはかなりはっきり言える。

貧困層は、富裕層より逮捕・収監される確率が高い。
でも、貧困層の圧倒的多数は重大犯罪を起こしていない。
また、貧困層は犯罪の加害者になりやすいだけでなく、被害者になる確率も高い。

アメリカの貧困率は約1~1.3割

最新の2024年統計では、アメリカの公式貧困率は10.6%、約3,590万人。約9人に1人だよ。

ただし、公式指標は現金収入を全国共通の基準と比べる古い方式で、地域ごとの家賃差を反映しない。2024年の4人家族の平均的な貧困基準は年収3万2,130ドルだった。

住宅費、税金、医療費、就労費用、公的給付なども反映する補足的貧困指標では12.9%。こちらなら約8人に1人になる。(Census.gov)

貧困の定義割合人数・イメージ公式貧困率10.6%約3,590万人補足的貧困率12.9%約8人に1人公式基準の半分未満の極貧5.0%約20人に1人

つまり、「生活に余裕がない人」まで含めれば、実際の困窮人口は公式の10.6%より多いと考えた方がいい。

そのうち何割が犯罪を起こすのか

正確には分からない。

アメリカには「貧困線以下の人全員を追跡し、何%が1年間に犯罪を行ったか」を測る全国統計がないからだよ。

犯罪には、

  • 警察へ届けられない犯罪

  • 発覚しても逮捕されない犯罪

  • 逮捕されても有罪にならない事件

  • 一人で何十件も起こす常習犯

  • 軽微な薬物所持や交通関係

  • 詐欺や脱税などの富裕層型犯罪

が混在している。

逮捕・有罪判決・収監は、それぞれ「実際に犯罪を行った人の割合」とは違う。公的犯罪記録には、通報、警察活動、起訴、保釈、弁護能力、量刑など複数段階の偏りが入るため、実際の犯罪行動を完全には表さない。(ナショナルアカデミーズ)

規模から見れば、貧困層の大多数は収監されていない

2023年末時点で、アメリカの刑務所・拘置所に収容されていた成人は約185万人。一方、2024年の公式貧困人口は約3,590万人だった。(Bureau of Justice Statistics)

仮に、現実にはあり得ないけど、収監者185万人の全員が貧困層だったと仮定しても、

185万人÷3,590万人=約5.2%

にしかならない。

もちろん、これは「貧困層の犯罪率」ではない。収監されない犯罪者もいるし、収監者全員が貧困状態だったわけでもない。また年も完全には一致しない。

ただ、少なくとも、

「貧困層の大部分が犯罪者だから治安が悪い」

という考え方が明らかに間違っていることは分かる。

貧困層と富裕層では収監率に大きな差がある

約2,100万人を追跡した大規模研究では、1978~83年生まれの男性が27~32歳だった2010年のある1日に、刑務所や拘置所に入っていた割合を、親の所得別に調べている。

男性の集団親が所得下位1%親が所得上位1%白人男性6.4%0.2%黒人男性21.0%2.2%

白人男性では、最下位家庭出身者の収監率は最上位家庭出身者の約32倍

黒人男性でも約9.5倍だった。所得が上がるほど、両方の集団で収監率が下がっている。

ただし、この表には非常に重要な注意がある。

これは、

  • 全貧困層の統計ではない

  • 男性だけ

  • 特定の出生世代だけ

  • 現在の本人所得ではなく親の所得

  • 生涯で犯罪をした割合ではなく、2010年の1日に収監されていた割合

  • 逮捕されなかった犯罪は含まない

という限定的な数字だよ。

だから「貧困層の2割が犯罪者」と一般化してはいけない。21%という非常に高い数字は、最低所得家庭に生まれた黒人男性という、歴史的・地域的・司法制度的な不利益が重なった特定集団の数字なんだ。

同じ最低所得層でも白人男性は6.4%であり、所得だけでは説明できない。人種差別、居住地域、学校、警察活動、保釈制度、量刑、地域の銃・薬物市場なども関係していると考えられる。

貧困層は犯罪の被害者にもなりやすい

司法省の全国犯罪被害調査では、2008~12年の非致死性暴力犯罪の被害率は、

  • 貧困線以下:1,000人当たり39.8件

  • 高所得層:1,000人当たり16.9件

だった。

貧困層は高所得層の約2.4倍、暴力犯罪の被害に遭っていた。銃を使った暴力被害も、貧困世帯では1,000人当たり3.5件、高所得世帯では0.8件だった。なお、この統計での「高所得」は貧困線の4倍以上で、必ずしも大富豪を意味しない。

これは大事で、

貧しい地域では、犯罪者が多いというより、少数の高頻度犯罪者と、その被害を受ける多数の貧困住民が同じ地域に集中している

と考えた方が正確なんだ。

例えば、薬物市場やギャングの抗争がある地域に住んでいても、大半の住民は犯罪に参加していない。むしろ、流れ弾、強盗、家庭内暴力、脅迫などにさらされる側になる。

貧困は犯罪の原因なのか

部分的には原因になる。ただし、犯罪の種類による。

最新の研究レビューでは、経済的困窮を減らす政策は、窃盗などの財産犯罪を減らす効果が比較的明確だった。一方、殺人や重大暴行などの暴力犯罪への効果は一貫していない。(NBER)

つまり、

貧困と関係しやすい犯罪

  • 万引き

  • 窃盗

  • 強盗の一部

  • 無賃乗車

  • 金銭目的の詐欺

  • 違法薬物販売への参加

  • 生活費を得るための財産犯罪

所得だけでは説明しにくい犯罪

  • 恋愛・夫婦間の殺人

  • 家庭内暴力

  • 酒に酔った喧嘩

  • ギャング間の報復

  • 衝動的な銃撃

  • 性犯罪

  • 憎悪犯罪

  • 精神的不調や薬物中毒が絡む事件

だから、

お金がない

必要なものを盗む

という経路は存在する。

しかし、

お金がない

人を殺す

という単純な関係ではない。

暴力犯罪では、若年男性の集中、銃へのアクセス、家庭内暴力、薬物市場、地域の報復文化、幼少期の虐待、学校離脱などが重なることが重要なんだ。

富裕層は犯罪をしないのか

街頭犯罪や殺人で逮捕・収監される割合は、明らかに低い

富裕層には、

  • 犯罪をして得られる数百ドルの価値が小さい

  • 安定した仕事や地位を失う損失が大きい

  • 治安の良い地域に住める

  • 良質な教育や医療を利用できる

  • 違法薬物市場やギャングと接触しにくい

  • 問題が起きても弁護士や治療を利用できる

という保護要因がある。

ただし、富裕層が「道徳的だから犯罪をしない」という意味ではない。

富裕層や企業経営者が関わりやすいのは、

  • 脱税

  • 証券詐欺

  • 会計不正

  • インサイダー取引

  • 横領

  • 贈収賄

  • 賃金未払い

  • 独占・談合

  • 環境法違反

など、警察の街頭取締りでは見つかりにくい犯罪や違反だ。

米財務省が紹介した研究推計では、所得上位1%による未納税額は年間1,600億ドル以上とされた。ただし、これは刑事裁判で脱税罪が確定した金額ではなく、申告漏れや未払いを含む推計なので、そのまま「富裕層の犯罪率」にはできない。(U.S. Department of the Treasury)

また、裕福な人の不正は、

  • 民事訴訟

  • 追徴課税

  • 行政制裁

  • 企業との和解

  • 罰金

  • 会社名義の処分

で終わり、本人が手錠をかけられないことも多い。

一方、貧困層の薬物所持や窃盗は、その場で逮捕され、個人の犯罪歴として残りやすい。

そのため、逮捕者や受刑者だけを見ると、貧困層の犯罪は過大に見え、富裕層の経済犯罪は過小に見える可能性がある。

まとめると

アメリカでは、公式基準で約10.6%、補足指標では12.9%が貧困状態にある。

貧困層が富裕層より逮捕・収監されやすいことは確かだけど、貧困層全体の何割が犯罪を行うかという信頼できる全国数字はない

使えるデータから言えるのは、

  • 貧困層の大多数は重大犯罪を起こしていない

  • 犯罪は一部の若年男性や常習者に集中している

  • 低所得家庭出身の男性は富裕家庭出身者より収監されやすい

  • 貧困層は加害者よりも、犯罪被害者としても大きな負担を受けている

  • 収入増加は財産犯罪を減らしやすいが、暴力犯罪を自動的に消すわけではない

  • 富裕層の街頭犯罪は少ないが、経済犯罪や企業犯罪は通常の犯罪統計に表れにくい

ということだね。

私の見立てでは、犯罪を生みやすいのは「貧困という個人属性」そのものではなく、

若い男性+学校離脱+不安定雇用+貧困地域+銃+違法市場+家庭や地域の崩壊

が重なった状態。

だから貧困者全体を危険視するのではなく、この条件が集中している地域と少数の高頻度犯罪者へ対策を集中するのが合理的だよ。


アメリカの相対的貧困率は?

アメリカの**相対的貧困率は約18%**だよ、お兄ちゃん。

OECDの定義では、

税や社会保障給付を反映した可処分所得が、その国の中央値の50%未満の人

を相対的貧困とする。2021年前後の比較データでは、アメリカは約18%で、OECD平均の11.4%を大きく上回り、OECD加盟国でも特に高い水準だった。(OECD)

ざっくり言えば、

  • アメリカ:約18%、5~6人に1人

  • OECD平均:約11%、約9人に1人

  • 日本:約15~16%、約6~7人に1人

という位置関係になる。

前に出したアメリカの公式貧困率10.6%より高いのは、基準が違うからだよ。

指標アメリカ米政府の公式貧困率10.6%補足的貧困率12.9%OECD方式の相対的貧困率約18%

公式貧困率は、政府が定めた一定の生活基準を下回るかを見る。相対的貧困率は、その国の普通の所得水準からどれだけ取り残されているかを見る指標なんだ。

だからアメリカは、絶対的に食べられない人が18%いるという意味ではない。住宅、教育、医療、交通、通信などを含め、一般的な社会生活へ参加するのが難しい所得の人が約18%いるという意味に近い。

また年齢別では、OECDデータ上、アメリカの相対的貧困率は現役世代より高齢者や子どもで高い傾向がある。高齢者では2割を超えるデータもあり、税と社会保障による所得再分配が欧州諸国より弱いことが、全体の貧困率を押し上げていると考えられる。(OECDデータエクスプローラー)

つまり、前の議論を訂正して厳密に言うと、

アメリカの貧困率は公式基準では約11%だが、先進国間で比較しやすい相対的貧困率では約18%。

というのが適切だね。

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