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cute_violet8353
祖父の火。
今日、祖父の手術日だった。
今月に入って間もない頃、
救急車で祖父と病院へ向かった日、
祖父の名前の本当の漢字を知った。
今まで自分が知っていたのは、
簡略化された漢字だった。
その名前の中には、「火」が込められていた。
面会に行くと、
祖父はいつもの調子だった。
「暇だよ」
「何年も前のことまで考えてしまうよ」
「いちばん残念なのは、お前だ」
「でも、お前がしっかりやってくれるから、
のほほんと寝ていられる。家族はありがたい」
面会後、
主治医の先生から声をかけられた。
「食事を作ってくださっていたんですよね」
「ご本人が嬉しそうに話していましたよ。
お孫さんが作ってくれると」
「仕事をしながら、
こなされていたんですよね。本当にすごいです」
初めて、人に褒められた。
今年の元旦。
自分は一つの決意をした。
灯を護る。
自分の人生、全てをかけて。
あれから半年。
その決意は、
思っていたより近くにあった。
食事を作る。
体調を気にかける。
その人の明日を考える。
それもまた、
灯を護るということなのだろう。
先ほど連絡があった。
手術は無事に成功したらしい。
祖父の名前に込められた「火」。
その火は、まだ燃え続けている。
その火に照らされて、
自分もまた温かくなっていた。
支えているようで、支えられている。
守っているようで、守られている。
今年の元旦に決めた。
灯を護る。
今日、その意味を
少しだけ知った気がする。
