【information!① 私が投稿する理由】

これまで私は
ホテル飲食業界に身を置いてトータル7年になる。
それだけを聞けば順風満帆なキャリアに聞こえるかもしれない。
けれど実際はそんな綺麗なものじゃない。

さらに私は28歳で地元を離れて東京へ出た。
「もっと自分を試してみたい」
その一心で、
仕事も、暮らしも、人間関係も、
それまでの生活を丸ごと変えてしまった。

そして、東京で待っていたのは――
誰もが一度は憧れるような、
華やかなホテルの世界だけではなかった。

失敗もした、理不尽なことにも遭った、
心が折れたことだって一度や二度ではない。
それでも私はホテルの仕事を続けてきた。
職場を変え、もがきながら積み重ねてきた年月は気づけば業界トータルで7年になっていた。
そして今30歳になった。

この7年間を振り返ったとき、ふと思う。

もし私のキャリアを
ホテル飲食業界7年という一言だけで表したら、きっと大事なものを
たくさん取りこぼしてしまうと。
だから私は、この物語を書こうと思った。

ちなみにタイトルは、ヒカカゲ。
これは業界の
闇の暴露や不幸話の物語ではない。

物語の中には嫌な人も出てくるし、
理不尽な出来事も起こる。
なんで私がこんな目に遭うんだと思ったことだって数え切れない。
けれど、それだけではなかった。

厨房でぶつかり合いながら仕事をした日々。
何もできなかった私を、ちゃんと見てくれた人。
忙しい現場の中で交わした、
何気ない、ありがとう。
環境が変わるたびに
少しずつ増えていった、できること。
以前ならできなかったことが、
いつの間にか当たり前にできるようになっていた自分。
振り返ってみれば私が積み上げてきたものは、
履歴書の職歴欄だけではなかった。

キャリアとは、
肩書きや年数だけでできていくものではない。
その時々で
何を選び、何を手放し、何を持って次へ進んだのか。

その積み重ねそのものが、
自分のキャリアになっていくのだと思う。
そして最近は、もう一つ
強く思うようになったことがある、

キャリアを更新することは、
自分自身を更新することなのだと。


新しい環境に身を置けば、
できなかったことができるようになる。
知らなかったこと広い世界を知る、
人との出会いによって、
自分の価値観が変わることもある。

もちろん、すべてが順調な成長につながるわけではない。

失敗することもある、遠回りすることもある。
それでも、そこで得た経験は必ず
次の自分をつくっていく。

だから今、30歳になった私は、
まだ、これが自分の完成形だとは思っていない。

ホテルで働き続けるのか。
別の仕事に挑戦するのか。

これまで積み上げてきた経験を、
どこで、どう生かすのか正直まだわからない。

でも28歳の頃の自分とは、一つだけ違う。
一度選んだ道を最後まで歩かなければならない
とは思わなくなった。

28歳で東京へ来たことも、
苦しい職場を辞めたことも、
新しい場所へ踏み出したことも、

その時々の自分が、
その時なりに考えて選んだ結果だ。

だったら、これからだって同じでいい。
間違えたら、また選び直せばいい。
立ち止まってもいい、遠回りしたっていい、

キャリアは一度決めたら完成するものではない。

その時々の選択によって
何度でも形を変えていけるものなのだから。
だから私は自分のキャリアを
完成させるのではなく、
これからも更新していきたい。

その途中で出会った人。
失敗したこと、悔しかったこと。
思わず笑ってしまうような出来事。

そして、そこから少しだけ強くなった自分。
その全部を物語にして残していきたい。
いつか誰かが自分の仕事や生き方に迷ったとき。

こんなキャリアでもいいんだ。
まだ決まっていなくてもいいんだ。
そう思って、ほんの少しだけ肩の力を抜けるような物語にできたら。
華やかな成功談ではないし一直線でもない。

迷って、転んで、辞めて、また働いて。

それでも気づけば
ホテル飲食業界に入って7年が経っていた。
そんな私のキャリアだからこそ、
書ける物語がある。
キャリアの途中で何度でも自分を更新していく。
『ヒカカゲ』は、
そんな私自身の次の一歩を記録していく物語でもある。
それが、私がこの物語を書く理由だ。

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