【ライブレポート】JAPAN JAM 2026 Day 1(5/2)
昨年、年間で40本ものライブを見に行った私。
その中でもロキノン系列の大きなフェスである、JAPAN JAM、ROCK IN JAPAN FESTIVAL、COUNTDOWN JAPANの3フェスには欠かさず訪れてきた。
一昨年のCDJから一気に邦ロックの沼に足を踏み入れて以来、これまで必ず訪れてきたロキノン系列のフェス。今年もその源流は止めず、その上で再びこうしてライブレポートを書いている。
とはいえ、本来今年のJAPAN JAMは参加予定がなかった。多忙と金銭面で、正直VIVA LA ROCK含む他の春フェスに足を運ぼうとしていたからである。
しかし昨年の末に友人からJAPAN JAMに行きたいとの一報を賜った。なんせその友人はこれが人生初ライブとのことだったから、私が友人を邦ロックの沼に陥れるために結果として蘇我の地に乗り込んでいる。増やせ、音楽仲間。
マカロニえんぴつが一番好きという友人に合わせ、今年は初日に参加してきた。
やはりロキノン系列のフェスは初心者を取り込みやすいと思うし、JAPAN JAMに一緒に行くにあたって私からあれこれ言うことはさほどなかった。アーティスト筆頭に、とにかく環境が充実している。そんな信頼のある、私としても2回目のJAPAN JAM。
1st Act - This is LAST
01. 恋愛凡人は踊らない
02. Scoop!
03. もういいの?
04. シェイプシフター
05. Any
06. #情とは
07. カスミソウ
08. オムライス
正直この日の回り方に関してはタイムテーブルが発表されてから当日まで延々と悩んでいた。
なんにせよ被りが多い、しかも私の中で絶妙に好き度が同じくらいのバンドが被っている。過去参戦したフェスの中で一番どう回るか迷った。
主軸にしたのは、フェスどころかライブ初参加である友人を如何にライブ沼に陥れることができるか、というところ。それゆえに私としては珍しくフェスの一日のほとんどをメインステージで過ごすことにはなったのだけれど。
そうすると、私としてはトッパーからThis is LASTとOddRe:が被っていて悩ましいところではあったのだが、人生初ライブの人間を如何にライブに染められるかと言われた時にThis is LASTが選ばれた。私と好みが合致していたらOddRe:に引きずっていた気もするが、そもそも多分好みが被っていたら初日じゃなくて2日目に行っている気もする。
そんなトッパー、なんせ今や邦ロックフェスでJPOPをとなるとかなり代表クラスのアーティストになりつつあるThis is LASTのライブが良くないわけがなく。まさにこのフェスの開幕宣言を成してくれた。
1曲目の「恋愛凡人は踊らない」のAメロからフロアは指で数字を示して、サビでは沢山の手が上がり、途中の2回のクラップも完璧に決まる。こういう景色を一度見ると、やはり音楽の祭典が始まったなと強く感じさせる。こういう景色を見たくて蘇我まで訪れている。
今冬のドラマ主題歌に抜擢されていた「シェイプシフター」では、菊池(Vo.)がサビをアカペラで歌ってからイントロが始まる。ありきたりなエモだけれど、そんなありきたりなエモが可能なのはまぎれもなく生み出されたメロが綺麗で耳に残るからだと思っている。実際This is LASTの楽曲群は現代のポップスでも耳に残るサウンドが多いイメージがあり、そうじゃなかったら「#情とは」や「カスミソウ」のフロアの盛り上がりがここまでには至らない。普段何気なくSNSで耳にしている、みたいな楽曲が彼らには増えてきたなと思う。
「Any」ではステージの両端を菊池が歩きながらフロアと目を合わせにいく。ただの見つめ合いじゃなくて、なんとなく目と目があった瞬間にその観客との間柄ができるような、観客と菊池のふたりの世界が広がっているような、そんな優しさを感じた。
そしてなんと言っても「オムライス」。言ってしまえば私はこの曲を聴きに来た。彼らのキラーチューンであるこの曲で、朝一とは思えないほどに「君が作ったオムライスかな」とフロアからは大声が上がる。私がライブ通いをやめられない理由がここにあったし、はてさて、オムライスを食べたくなってきたな。
これがJAPAN JAMのオムライスの超火力
— てる / This is LAST (@Teru_SL13) May 2, 2026
これがJAPAN JAMのオムライスの超火力
これがJAPAN JAMのオムライスの超火力
これがJAPAN JAMのオムライスの超火力
これがJAPAN JAMのオムライスの超火力#JJ2026 #JAPANJAM#ThisisLAST pic.twitter.com/1IYiTLtSBy
2nd Act - ハンブレッダーズ
01. グー
02. ギター
03. 常識の範疇
04. SUPER TOMODACHI
05. MUSIC
06. 恋の段落
07. ⚡️
08. 銀河高速
「最初はグー!!!」と高らかにムツムロ(Vo.)が叫んでから始まるハンブレッダーズのアクト。上がる拳。
お昼時、日が高くなり徐々に上がっていく気温と共にボルテージも上がっていく。
混み合いによりステージ真ん中辺りまでしかいけなかったとはいえ、そこからも大きく聴こえてくるフロアのシンガロングにこのバンドの大きさを思い知る。
「暑いね〜〜」と言うムツムロに対して、各々それぞれがそれぞれを口にする。それに対して、「まばらな返答ありがとう〜」とゆるゆるとしたMCを繰り広げていく。なんだかちょっとほんわかしているというか、それは彼らもフロアもこのフェスを心から楽しんでいるからこその光景。
それでもギターをかき鳴らせば彼らは一瞬で私たちのヒーローに変わっていく。いや、むしろ私たちも彼らのヒーローであれているのかもしれないけれど。
「常識の範疇」でもバッチリシンガロングが決まるし、それが終わればムツムロは「もううちらあれだよね、もう皆なんて言いたいかわかるよね」みたいなゆるゆるとした話から最新アルバムに収録されている「SUPER TOMODACHI」という曲を始める。展開が幅広い。
続いても最新アルバムに収録されている「MUSIC」だけれど、この曲ではムツムロはオートチューンを用いて8bitに合わせていく。今までハンブレをロックバンドとしてしか見ていなかったけれど、まだまだ彼らには色んな側面がある。もっともっと知りたいなと思わされる楽曲群が続く。
「今まで書いてきた曲の中で一番いい曲が書けました」と言って演奏するのは「恋の段落」。
そう思っているのは私だけじゃなかった。ましてや曲を自分の手で生み出した人からこんな言葉が聞けると思わなかったし、正面のスクリーンにただ淡々と歌詞が映し出されるあの光景も私の大好きな光景だった。全部全部、素敵で素晴らしくて感動してしまった。
たったひとつの命を君の為に使い果たしてもいいかい
永遠なんてもう要らないから 長生きしよう
飛んでかないよう薬指の自由を奪わせて
時々 愛に変わりながら 恋が続いていく
こんなにも美しいラブソングが聴けて愛せる人生でよかったなって思う。
今までゆるゆるとしたMCが続いてきた中で、最後にムツムロは親友がバンドを辞めてしまったことを話し出す。そして、先日活動休止を発表したUNISON SQUARE GARDENのことも。
そしてその上で、彼はこう重ねる。
「そんな中で、僕たちハンブレッダーズが日本にはいるぞって。日本の音楽シーンのド真ん中にいかなきゃと思いました。俺らがいるから大丈夫。」
何処までも行けると思った夜だった
血と涙と汗が混じり合っていた
続けてみることにしたよ
走る 銀河高速
ただひたすらにかっこよかった。そんな「銀河高速」の始まりだった。
今までとは違い手書き調で映し出される歌詞には、並々ならぬ決意と覚悟を感じる。それに応えるようにフロアも熱を更に上げていく。
アウトロは今までより一層声高らかに響くシンガロングが起き、その熱が終わらぬままこのアクトは幕を閉じた。
こういうロックに胸を高鳴らせて、こういうライブに命を救われて私は生きている。そんな胸の鼓動がそこにはあった。
2026.05.02(土)
— ハンブレッダーズ (@Humbreaders) May 2, 2026
JAPAN JAM 2026
#JAPANJAM
ありがとうございました!
1. グー
2. ギター
3. 常識の範疇
4. SUPER TOMODACHI
5. MUSIC
6. 恋の段落
7. ⚡️
8. 銀河高速
🎧 𝙥𝙡𝙖𝙮𝙡𝙞𝙨𝙩https://t.co/UYYukAQKze#JJ2026 pic.twitter.com/F6v2YCshsj
3rd Act - ハルカミライ
01. 君にしか
02. ファイト!!
03. カントリーロード
04. ファイト!!
05. 俺達が呼んでいる
06. フルアイビール
07. 春のテーマ
08. ウルトラマリン
09. PEAK'D YELLOW
10. ピンクムーン
11. 世界を終わらせて
12. それいけステアーズ
13. エース
14. ファイト!!
皆が口を揃えて言う、橋本学の儚さ。
私はこの日、ようやくその一端に触れられた気がした。
ハルカミライのライブの特徴は、まさに矢継ぎ早に次の曲が押し寄せてくる点。
今日もいつものように「君にしか」から始まり、「まだ眠いんだよね〜」と自分たちの目を覚ますかの如く「ファイト!!」に繋げる。ショートチューンが多いハルカミライの楽曲の中でも「ファイト!!」は群を抜いて演奏されることが多く、フロアも全編に渡りシンガロングを繰り広げていく。
この日も「カントリーロード」の直後に2度目の「ファイト!!」を重ね、更にショートチューンである「俺達が呼んでいる」を続けざまに演奏する。
重ねるように「フルアイビール」を演奏するが、「なんか入りズレたよね??」と直後に演奏をストップする。こうやって躊躇なく演奏を止めてメンバーの会話に移るのもハルカミライ特有というか、そんな世界が広がっている。
「フルアイビール」の演奏開始と共にギターアンプから関(Gt.)がジャンプしたのを須藤(Ba.)が「じゃあもっかいジャンプ台から飛ぶのやろうか」と言い、観客の笑いを大きく誘う。
なんとなくこのライブを見ていて思ったのは、ハルカミライという船の上にずっと乗っている気分だったというか、でももうこの規模感ならハルカミライという島国にいると言ってもいいような、そんな一体感がそこにあった。
そして、その舵取りをしている橋本(Vo.)がどうしても儚く見えて仕方なかった。
「We!! Are!! Peak'd Yellow!!」と、サビ前の掛け声と共に始まる「PEAK'D YELLOW」では、イントロにアカペラでの全員歌唱がある。そこでもやはりフロアは完璧に声を揃え、やっぱりそれは今までにない一体感だったというか、メインステージの広さとは思えない団結力をひしひしと感じた。
君より早く死なないから
僕より早く死なないでね
君より早く死なないから
僕より早く死なないでね
愛情に満ち溢れたサビの一節を橋本がアカペラで歌うことによって始まる「ピンクムーン」。
もう5月になったけれど、奇しくもこの日は満月の予定だった。幻想的な満月を見ると、皆がチラつくのはきっと夏目漱石の有名な言葉。それでも私は、いつもいつもこの歌を歌いたくなる。
ああ僕のこと 君のこと
話は尽きないほど
独り言も2人のこと 尽きるまで話そう
明日のこと 昔のこと
今のこと 将来のこと
不安になるかい?なあ 聞いてくれ
今度はBメロの歌詞から始まり、途中からシンガロングを誘う彼らの代表曲。
ライブの醍醐味というものは、フロアの盛り上がりにもかかっている。
私の目の前にいた同い年くらいのふたりの女子が、肩を組んで笑顔でこの曲を歌っているのを見てなんだか泣きそうになってしまった。私事じゃないのに、見ていてずっと幸せだった。
橋本が大いに儚さを孕んでいる人間なのは、こういう人間の突き動かし方をするからなのもあるのかなって思う。
「それいけステアーズ」を橋本が歌っている時も、ずっとずっとそう噛み締めていた。
「エース」をやって終わるかと思いきや、「まだ時間あるね、高い金払ってきてくれてるから」と3度目の「ファイト!!」をやってこのアクトを終えた。美しくて仕方がなかった。
4th Act - go!go!vanillas
01. 平成ペイン
02. カウンターアクション
03. 来来来
04. ダンデライオン
05. SHAKE
06. エマ
07. マジック
08. SCARY MONSTER
私はこういうバンドのこういうライブに弱いとつくづく思う。
1曲目の「平成ペイン」からサビの振り付けを全員で完璧に決めていく。とにかく楽しく、音に乗って体を動かしたり声を出したり、そういうバンドのそういうライブは毎回私にクリーンヒットするのだけれど、この日のバニラズのアクトも例外なく胸に突き刺さってしまった。
続く「カウンターアクション」でもサビのシンガロングを決め、いつからか体が勝手に動き出していた。
周りを見れば近くの観客はまさに踊っている状態で、つられて私も心のままに体を動かしていた。先程のハルカミライで見た女性2人組然り、やっぱりこういう観客がいるとライブに更なる没頭ができるなと思う。楽しい。
「来来来」では落ちサビに高難度のクラップがあるが、やはりこれは音楽フェス。初めて見る人も多いわけで、案の定クラップはバラバラ。もちろん予習して完璧にするのだって楽しいし私はどちらかといえばそうしたい側なので予習に予習を積み重ねてきたけれど、フェス特有のはちゃめちゃ感に周りの皆も沢山笑っていた。それがものすごく私にとっては愛くるしく見えたり。
今までアップテンポなポップスが続いた中、「ダンデライオン」や「SHAKE」といったチルさが目立つ曲も演奏される。もちろん普段のライブのノリ方もそうだけれど、この2曲に関しては心のままに体を揺らしてリズムに乗っている人が沢山いて見ているだけで心地よくなったりもした。
そしてその後に控えるのは彼らの代表曲のひとつである「エマ」。ライブの恒例、「E!M!A!EMA!」と掛け声に合わせて全身でEMAポーズをするターンではやはり最後の「EMA!」の動きの無茶振りさに笑いが込み上げてくるし、サビでは歌詞に合わせて右、左と拳を交互に2回突き上げるダンスがあったりと、やはりバニラズは徹底的に人を楽しませるライブをしてくれる。気がつけば私もその虜だった。「SCARY MONSTER」の最後の一音までの時間が心底短く感じてしまって、どうしようもなくまたライブに行ってみたいと思わされる素敵な出逢いだった。
5th Act - Hump Back
01. 拝啓、少年よ
02. LILLY
03. イスタンブール
04. 番狂わせ
05. 僕らの時代
06. クジラ
07. オーマイラブ
08. 僕らは今日も車の中
09. 星丘公園
フロントマン・林萌々子という生命体をまざまざと見せつけられた。
1曲目、「拝啓、少年よ」。
ただひとつだけ言えるのは、Hump Backというバンドの覚悟と強さをこの曲のたった3分間で怒涛の如く感じたということ。
「『拝啓、少年よ』という、Hump Backという名前より少し有名になったこの曲を1曲目にしました。それでもここにまだいてくれている人達は、"Hump Back"のライブを見に来てくれているってことだよな!!」と高らかに林(Vo.)が叫び、私もHump Backの楽曲に陶酔していく。
MCにメロディーをつけながら語っていき、そのままサビをアカペラで歌い出し始まる「番狂わせ」でもシンガロングが起きる。音源じゃわからない林のがなり混じりの力強い歌唱をどこまでも浴びていたくなった。
「今からここをライブハウスにします!!」と言って始めるのは今までの曲より明らかにテンポの上がった「僕らの時代」という曲。この曲の、どこか焦燥めいた疾走感とフロアの盛り上がりを感じるとやっぱり彼女たちもライブハウスに救われ、ライブハウスで人を救いながら生きてきたのだなというのを感じざるを得ない。
林も「ライブハウスと出会った人生はやっぱり間違いだと思う。けれど、人生は間違った方が面白い。」と自分たちのワンマンに観客を誘っていく。
「やる予定じゃなかったけれど」と最後に演奏されたのは「星丘公園」。こうして演奏に浸って聴いていると、昨年末にCDJで見たSHISHAMOのステージが脳裏によぎる。
私はあのSHISHAMOのステージを見た時、他者に「ロックバンド」の定義を聞かれた時の私は今までSHISHAMOの姿を思い浮かんでいたのではないかと思わされていた。
けれどこの日、Hump Backのライブを見て、SHISHAMOはどちらかといえばポップスの混じったロックなんじゃないかなと思ったし、本来のガールズロックバンドとして私が思い描いていたものはHump Backの姿だったんじゃないかと思った。そう思わされたライブだったし、林萌々子という人間の偉大さを心底思い知った。
6th Act - SHISHAMO
01. 君と夏フェス
02. きっとあの漫画のせい
03. 真夜中、リビング、電気を消して。
04. ハッピーエンド
05. 運命と呼んでもいいですか
06. 最高速度
07. 明日も
そんなHump Backの後に続く、私の人生で今後二度と見ることのできないであろうSHISHAMOのライブ。
まさかCDJを終えた後に再度チャンスが巡り巡ってくるとは思わなかったし、そんな幸せを噛み締めながら超満員のSUNSET STAGEに向かう。本当にトリかと錯覚するくらいの満員っぷり。
宮崎(Vo.)が「JAPAN JAM!」というと、それに合わせてフロアも「いぇーい!」と、どこかゆるゆるとしたノリで返していく。
でもやっぱり、「SHISHAMOと申します!最後までよろしくお願いします!」と言われると、あぁ、この挨拶も今日で最後だし、「最後まで」か……という気持ちになってしまう。
1曲目の「君と夏フェス」で嬌声混じりの歓声が聴こえる。まぎれもないSHISHAMOの代表曲から本アクトが始まっていく。これだけの大勢の観客がいながらサビ前のクラップは完璧に揃っていく。SHISHAMOがこれまでどれだけ多くの人に好まれ愛され、そして解散を惜しまれているのかがたったこれだけでよくわかる。
その後のMCでも、「SHISHAMOは来月活動終了しますので、最後のJAPAN JAMになります」と、胸が張り裂けそうになる、しかし覆りようのない現実にどこか切なさと寂しさをまとわせながら私は彼女たちの最後を見届けていた。
でもそれはきっと彼女たちも同じだったのかもしれないし、そう思わせるような、どこか寂しげなバラードがセットリストの主体となって演奏されていく。
宮崎の泣きの表現も、表現としてやっているのか、果たしてそれとも。なんてことを考えてしまう。
個人的に一番そう感じたのは「運命と呼んでもいいですか」だった。Cメロの声の震わせ方とか、どうしようもなくなって、どうすることもできなくて、私は固唾を飲んで見守っていた。
「あと2曲になります!」と言われ、「最高速度」が演奏された瞬間。私の人生で最後に生で聴くSHISHAMOの曲は決まったと言っても過言じゃなかった。間違っていなかった。
幼い私がテレビで何度も耳にしていた、ギターの音色、ホーン隊の音色。宮崎朝子というひとりの人の歌声。大好きなサビメロ。歌詞。何もかも。そんな「明日も」だった。
CDJの時と同じ、1番のサビまでモニターには宮崎の背中と後ろまでぎっしりと詰まった沢山の観客が歌詞と共に映し出される。
仕事も恋も勉強も
一つも手抜きはできないな
明日の自分のためだと思えば良い
泣くのは別に悪いことじゃない
昨日の自分を褒めながら
今日をひたすらに走ればいい
走り方はまた教えてくれる
ヒーローに自分重ねて
明日も
やっぱり、どうしても。宮崎朝子は、SHISHAMOは私のヒーローだった。
SHISHAMOのロゴの下に「Thanks for everything」と書かれているのも、バンドが相思相愛で成り立っている証明。切なく、寂しく、どこまでも愛おしかった。
7th Act - Blue Mash
01. セブンティーン
02. 平成時代
03. 春のまま
04. ホワイトノイズ
05. 海岸線
どうしてもBlue Mashだけは諦めきれずここだけ別行動を取ってしまった。ごめんよ同行者。
超満員のSUNSET STAGEから、大混雑の中大急ぎでBUZZ STAGEへと移動するとちょうどメンバーがステージに登場していた。
いくら蘇我スポーツ公園の野外の広々としたひらけたステージでも、彼らが立つと一瞬でそこはライブハウスへと変貌する。
フェスだからか、初めて彼らのことを見る人がかなりの割合を占めていた。
「平成時代」のAメロでフロアが一斉に手拍子をすると、優斗(Vo.)は「手拍子なんていらない、お前がそこにいるだけでいい」と彼らしさを示すようなMCを咄嗟に行っていく。そしてフロアもそれに応えるように手拍子から拳へと移り変わる。それを見た優斗も「こういうロックが一番かっこいい!!」と目の前にいるひとりひとりとぶつかり合いながら音楽をしている。
今日ここまで私が見てきたバンドとはあまりに毛色が異なる、しかしながら私はこういうロックがほしくて、こういう焦燥を浴びたくてひとりでこのステージを見にきている。
信念がある。歌いたい人生がある。真っ直ぐな彼のまま。
「僕の一番好きなサビメロが来るんで、拳貸してくれませんか?」と、「春のまま」のサビが始まる。
これをポップスとは言わせない。あくまでロック、彼の魂、彼の人生。
「TikTokで聴けばラブソング、でも今はここにいる人の為に歌うからライブソング」と「ホワイトノイズ」を歌うのも、全部全部そう。彼は来てくれているひとりひとりの為に命を刻みながら歌っている。
「ロックバンドのライブっていいですよね。頭にかけてるタオルで涙が溢れてもすぐに拭けるし、手首につけてるラババンのバンド名の文字で涙を拭える。」なんて言うのも、頑張って日々を生き抜いている"あなた"の為に彼が何年も何年もずっと歌い続けているから。
不器用な僕は
些細なことで傷つき傷つけて
それすら気付けずに
抱えきれない今を生きてる
海岸線を駆け抜けてく
終わりなき僕らの声
大人になんかなれなくても
僕は僕でいい
ここでタイムアップ。
「続きはどこかのライブハウスで!」と言い放ち、ステージを後にする。
どうしようもなくそんな彼らの姿が輝いて見えて、こんなにも泥臭く人間らしい真っ直ぐなロックを奏でているのに、いや、こんなにも泥臭く人間らしい真っ直ぐなロックをずっとずっと歌い続けているからこんなにもかっこよく輝いて見えるのだなと思った。
【速報】
— Blue Mash (@Blue_Mash_band) May 2, 2026
JAPAN JAM 2026
俺たちがBlue Mashでした!
またライブハウスで会いましょう。 pic.twitter.com/YZvMJuc7cV
8th Act - おいしくるメロンパン
01. 色水
02. 未完成に瞬いて
03. look at the sea
04. ツツジの枯れる頃には
05. 誰もが密室にて息をする
06. シュガーサーフ
07. 5月の呪い
この日唯一の前方エリア当選、そこで同行者と合流。
JAPAN JAMの直前に峯岸(Ba.)が目の不調を訴え、サポートメンバーを迎えての今日の出番となった。
いつも通り、むしろいつもより淡々と演奏を始めていく彼ら。にしても1曲目の「色水」からこの季節に似合うどこか切なさを孕む爽やかなロックナンバーが奏でられる。しかしそんな彼らに鮮やかさが増したと感じたのが続いて演奏される「未完成に瞬いて」。切なく爽やかなロックに新しい色味が増したというか、昨年のメジャーデビューに重ねて彼らもどんどん進化している証拠というか。
代表曲の「look at the sea」ではイントロが流れるとともに悲鳴にも似つかわぬ歓声が沸き起こる。ナカシマ(Vo.)が音源どころかライブでも軽々しく高音を出すものだから錯覚を起こしてしまうがこの曲の歌唱難易度はなかなかのもの。それも3ピースバンドのギターボーカルとして歌っているわけだから、その実力は言うまでもない。
いつもならここで原(Dr.)が面白い(?)MCをしたりするのだが、この日は淡々とナカシマがサポートベースの紹介をして即座に次の曲へと移る。いつもより演奏に自身のアクトを振っている彼らが次に演奏するのは先月リリースの「ツツジの枯れる頃には」。この曲も疾走感たっぷり、けれどその中に潜むいつもの切なさが少し狂気を孕んでいるようなリリック。それに伴ってナカシマも感情を少し乗せた歌唱を見せていく。それはこの曲に留まらず、「誰もが密室にて息をする」では楽器隊の音もまさに轟音と形容できるほどの激しさを放っていく。
そして彼らのキラーチューンである「シュガーサーフ」へと移る。いつもならライブの繋ぎだったりがあるが、今日はサポートベースということもありライブの繋ぎや間奏のベースソロアレンジもなくなっていた。しかしそれはそれで貴重なものであり、なんせ全員の演奏力が高いが故に、音源のまま音源より圧倒的にいい音質と臨場感での「シュガーサーフ」だった。奏でられた完璧なベースソロは、峯岸とサポートベース、ひいてはおいしくるメロンパンとサポートベースの信頼関係がなければ実現できないもの。
そして5月に開催されるJAPAN JAMならではの「5月の呪い」を最後に演奏して幕を閉じた。
このライブレポートを書く時は必ずその時のセットリスト通りに曲を聴くのだが、彼らの演奏とメロディの素晴らしいこと。聴けば聴くほど沼に陥っていく。
9th Act - マカロニえんぴつ
01. いつか何もない世界で
02. レモンパイ
03. ルート16
04. 恋人ごっこ
05. パープルスカイ
06. 星が泳ぐ
07. ヤングアダルト
08. ミスター・ブルースカイ
同行者の大本命、マカロニえんぴつ。
私が何度もフェスに行っているのを見て、彼もフェスに興味を抱いて。
その話を聞いたのがCDJ直前だったから、だったらJAPAN JAMに行ってみてもなんて私から提案を仕掛けて。
そんなノリで行くことを決めて、そうすると彼の主軸は間違いなくマカロニえんぴつという今や日本を代表するバンドの演奏を聴くこと。同行者の人生初ライブ、こんなにも豪華にしてしまっていいのだろうか。ありがとうJAPAN JAM。
いつも私は、マカロニえんぴつのアクトにエンドロールを感じると言っている。
初めて見たメトロック、真夏の猛暑の大阪で見たジャイガ、そしてこの前のCDJ。トリ付近にいつも彼らのアクトはあるし、例外なくこの日もSKY STAGEのトリ前を務めていた。
でもこの日のマカロニえんぴつは、彼らだけで起承転結を成しているように思えた。いつもはフェス全体の起承転結の"結"の部分を大いに背負っているが、それはやっぱり「いつか何もない世界で」と「レモンパイ」というポップで軽やかなナンバーから始まったからだろうか。そこがやはりこのアクトの"起"の部分だったのかもしれない。
「最近TikTokで流行ってるらしいから」と、直近では有線放送でも流れている「ルート16」を歌う。ただでさえマカロニえんぴつは誰もが耳馴染みのある曲が他のバンドより大変多く存在しているのに、SNSの普及によってその勢いは更に増していく。彼らの代表曲である「恋人ごっこ」と合わせて、この部分が"承"を担っていたように思う。
かと思えば一気に疾走感溢れる「パープルスカイ」が演奏され、やはりこう振り返るとこの日のマカロニえんぴつはアクト中の楽曲展開が広かったなと感じる。だから起承転結があったと思うのだし、この部分が"転"だったのかもしれない。
でもやっぱり、マカロニえんぴつは個人的にエンドロールのイメージが強い。マカロニえんぴつが、というより、どちらかというと「ヤングアダルト」と「ミスター・ブルースカイ」の2曲のエンドロール感が強いのかもしれないけれど。
個人的には「ミスター・ブルースカイ」が大好きなので、アクトの一番最後に持ってきてくれて本当に嬉しかった。この曲はトリが似合う。同行者も喜んでいたし何より素晴らしすぎて唖然としていた。ここに連れてこられて本当に良かった。
10th Act - クリープハイプ
01. HE IS MINE
02. 身も蓋もない水槽
03. 社会の窓と同じ構成
04. 月の逆襲
05. 生レバ
06. キケンナアソビ
07. 最夜
08. ラブホテル
09. 一生に一度愛してるよ
10. 大丈夫
「突然ですが、セックスの歌を歌います。」
そう、尾崎世界観(Vo.)が一言告げて始まるクリープハイプのアクト。
知らない人はこれがどういうライブでこの人たちがどういうアーティストで私が何を書いているのか理解に苦しむかもしれないけれど、なんと言えばいいだろう、もう名物と言っても過言ではない「HE IS MINE」という曲から始まる。フロア大沸き。
なんのこっちゃって人はとりあえずこの曲聴いてきてください。
今度会ったら何をしようか
今度会ったらキスをしようか
今度会ったら何をしようか
今度会ったらセックスしよう
って歌詞で、最後の歌詞をフロアが全力で叫ぶのがお決まり。
いやあ、まさか私が、それも同行者のいる前で大声で叫ぶなんて、ねえ。
でも、それさえも許してくれるのがライブってものなんじゃないかな。みたいな。
それはさておき、ようやく生で見ることができたクリープハイプ。そんな初めてが、とてつもなく凄まじいものになるとは思っていなかった。衝撃だった。
2曲目の「身も蓋もない水槽」では重たいロービートの中で尾崎がポエトリーリーディングを仕掛けていく。この日のクリープハイプはまさにかっこいい全振り。奏でられる演奏がどうしようもなくかっこよくて、尾崎の歌唱もたまらなく痺れるものだった。
セットリストもかなり攻めたもので、その曲のイントロがかかると一気に驚き混じりの悲鳴が聴こえてくる。実際この日は「栞」すらやらなかった。
私にとって初めてのクリープハイプ。
うまく言葉にできないけれど、どうしようもなくかっこよくてずっとずっと衝撃が走っていた。
今までずっと、「栞」だったり「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」や「憂、燦々」、その辺りの、言ってしまえば彼らの曲の中でもキラキラしている代表曲ばかりを聴いていた。
フェスで「栞」以外は滅多にやらないことは知っていたし、でも「栞」までもセトリ落ちさせてここまで彼ららしさに振ってくれたことが非常に嬉しかった。個人的には「一生に一度愛してるよ」が聴けたのが嬉しすぎた。
今回のフェスで、新しいアーティストに出会うという意味では彼らは完璧にクリーンヒットを成してくれたし、まだまだ音楽に疎いなと思わされた。けれどそれって素敵なことで、まだまだ音楽に疎いということはまだまだ沢山自分の知らない素敵な楽曲たち、素敵なアーティストたちと出会えるチャンスが大いに広がっているということ。これからの私の音楽人生が楽しみで仕方ない。
11th Act - Creepy Nuts
01. のびしろ
02. 堕天
03. よふかしのうた
04. doppelgänger
05. ビリケン
06. ちゅだい
07. Bling-Bang-Bang-Born
08. Mirage
09. Fright
10. かつて天才だった俺たちへ
11. 二度寝
12. オトノケ
ライブ映像を今まで見てきて、楽しくないわけがないクラブ会場みたいなもんなのだろうなと思っていた。初めてのCreepy Nuts。
1曲目から「のびしろ」。この曲を代表する一節、「のびしろしか無いわ」ではDJ松永がバックの音楽の音量を切ってシンガロングを誘っていく。にしてもやはり光るのはR-指定の滑舌、グルーヴ感の良さ。それも相まって勝手に身体が動いてゆく。
そのまま「堕天」、「よふかしのうた」と続いていくが、やはり彼らも代表曲の多いこと。コーレスやシンガロングが勝手に染みついている。
MCを挟めばそこからは怒涛のラッシュ。「doppelgänger」や「ビリケン」での圧倒的リズム感、そしてそれが更に増す「ちゅだい」、その間にも松永があえて音を切ってR-指定のリズム感を更に素晴らしいものにしていくターンや、単純にDJスキルの高さを魅せつけていく。そうして彼らが一気にスターダムに駆け上がるきっかけとなった「Bling‐Bang-Bang-Born」では今日一大きなシンガロングが広がる。まさに世界に羽ばたくバンド。
直近の新曲である「Fright」は煌びやかな音とともにロービートなラップを広げていく、かと思えば一気に倍のテンポのビートに変わりR-指定も捲し立てるようなラップに切り替えていく。作風としてブレないながらもまだまだ展開の引き出しがある松永のクリエイティビティに脱帽。
MCでJAPAN JAMの全関係者に対する敬意を述べつつ、「お前らが俺らの音楽を聴き続けてくれる限り俺らは何度だって蘇れる」と最後に「オトノケ」を披露。最後の最後までシンガロングが止むことはなく、アクト終了直後に打ち上げられる花火までボルテージは最高潮のままであった。
Closing DJ - DJ和
01.ラジオ体操第一
02.StaRt / Mrs. GREEN APPLE
03.シルエット / KANA-BOON
04.愛してみてよ減るもんじゃないし / ねぐせ。
05.春が来てぼくら / UNISON SQUARE GARDEN
06.シャングリラ / チャットモンチー
07.Mela! / 緑黄色社会
08.あつまれ!パーティーピーポー / ヤバイTシャツ屋さん
09.ジャンボリミッキー
10.好きすぎて滅! / M!LK
11.夜の踊り子 / サカナクション
12.ワタリドリ /[Alexandros]
昨年のJAPAN JAMとロッキンではCLAN QUEENが裏に被っていたので3度目にして初めてのDJ和。
前情報としては、何故かラジオ体操第一を最初に行い、途中で必ずジャンボリミッキーを踊らされるということの二点だけ把握済み。そして今回から撮影が可能になったらしいということ。
前情報通りラジオ体操第一が流れ、夜20時の蘇我スポーツ公園で大勢の音楽ファンがラジオ体操第一を行う異様な光景が生まれた。
そうしていよいよDJが始まると、初っ端からMrs. GREEN APPLEの「StaRt」が流れ出す。ミセスから邦ロックの沼に入った私、大歓喜。
出演アーティストの雰囲気に合わせた選曲を行うDJ和、この日はまさしくJ-POPの代表曲が列挙されていた。その中でやっぱり「春が来てぼくら」を流す粋さ。
流すなら最終日だろうな〜と高を括って油断していたので突然のヤバイTシャツ屋さんに私は動揺。撮影していたスマホをすっ飛ばす私。何故?
そして直後に恒例行事である「ジャンボリミッキー」、ここまで11アーティストをノンストップで見てきたとは思えない体力の使い方をしている。続けざまに「好きすぎて滅!」でまたしてもどうしようもなく踊る私。でも何が一番面白かったかと問われるとこの後の「夜の踊り子」で流行っているミームのダンスをDJ和がノリノリでしていたこと。最後に「ワタリドリ」を全員で合唱してJAPAN JAM 2026の初日が幕を閉じた。

そんなJAPAN JAMでした。
終演後に同行者と酒を隣に夕飯を食べて解散。なによりも同行者が切なそうに余韻に浸りながら帰っていたので、それが見られただけで今回の目的は大成功だった。楽しんでもらえて本当に良かった。
私個人としても本当に楽しいフェスだった。ここまでメインステージに居座ることも珍しいし、多分同行者がいなかったら違うタイムテーブルを組んでいたかもしれない。けれど、終わってみれば何の後悔もない、心底楽しいフェスだった。
今年の秋にもここにまた来られるだろうか。

