住宅はAmazon化できるか。BIMが迫る建材流通革命|MSJグループ代表コラム「時流を読む」2025年6月【未来通信note】
MSJグループでは、住宅事業者の経営層に向けたオウンドメディア「未来通信DIGITAL」を運営しています。noteでは、未来通信DIGITALの記事に専門的な内容をかみ砕いた【解説】を加え、note版として発信いたします。
【解説】 記事の「?」を紐解く
・ BIM=建築物の情報を3Dモデルで一元管理する技術
国土交通省は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少をデジタル化で解消するため「建築生産のDX」を推進しています。具体的には、リモート検査や建築確認等手続きの電子化、そして建築BIM化も含まれます。
MSJグループでは、BIMなどを活用した「住宅建設コストダウンを実現化させるプラットフォーム開発を継続・注力」を長期戦略として掲げています。

本コラムでは、MSJグループ代表の鵜澤が、BIMが住宅業界にもたらす変革について独自の視点で論じています。
▼以下、未来通信DIGITALより記事転載

住宅はAmazon化できるか
BIMが迫る建材流通革命
BIMとは、3次元建築情報のデジタルモデル。住宅の設計・施工工程を効率化する革命的なツールとして、本コラムでも取り上げてきましたが、今回は視点を変えて、BIMがもたらす「情報の非対称性」の解消について考えます。
縦割りの業界構造が究極の情報格差を生む
住宅は、情報の非対称性が極めて高いブラックボックス商品です。設計・施工、建材・流通など多岐にわたる専門業種が存在し、業種ごとに異なるロジックと商習慣により動いており、情報は各所で分断されています。
業者同士ですら情報共有は極めて限定的。最終消費者に届く情報は、氷山の一角にも及びません。こうした構造が、住宅を「良し悪しの見えない商品」にしている最大の要因なのです。
BIMの真価は「膨大な情報の可視化」にあり
しかし、BIMはこの情報格差を埋める力を持っています。
BIMは単なる3Dモデリングにとどまらず、建材のひとつひとつをデジタルパーツ化し、仕様・寸法・原価までもデータ化して埋め込みます。
「何円の金釘が、どこで何本必要なのか」といったレベルまで正確に情報を可視化し、ブラックボックスの極みである住宅においても、情報の非対称性を無くしてしまう。これがBIMの本質なのです。

既得権益を揺るがす「建材流通革命」の実現へ
情報の非対称性は、情報優位にとっては好都合であり、しばしば既得権益の温床となってきました。
ムダ、中間マージン、形骸化した役割分担…。住宅産業はこうした既得権益というコストが膨れ上がり、限界を迎えています。この現実に、BIMはくさびを打ち込む存在です。消費者自身が、プレカット工場や建材メーカーに直接発注する——そんな中抜きモデルが、いよいよ現実味を帯びてきました。
Amazonが流通革命を起こしたように、住宅産業にも同じ風が吹き始めています。
決して簡単ではありませんが、BIMを活用した情報開示と流通の最適化こそ、住宅業界を根本から変える鍵になると、私は確信しています。
筆者:鵜澤 泰功 (Uzawa Yasunori)
林業、住宅シンクタンクなどを経験し、1996年に住宅コンサルティング会社を設立。その後住宅会社をより本質的に支援するため、MSJグループ各社を設立。
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