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夏の「宵の明星」は低いんだ


スター・ウィークと伝統的七夕(たなばた)

暑いですね(汗;

国立天文台によると, 1995年以来, 8月1〜7日を「スター・ウィーク」として星空に親しむキャンペーンが行われているようです. 最近よく見かけると思ったら30年も続いてたのか...

また, かつて七夕(たなばた)の行事が行われていた旧暦の7月7日を, 国立天文台では「伝統的七夕」としていて, つまりこれは旧暦7月の上弦の月の頃, 今年は8月19日とのこと.

新暦の7月7日はまだ梅雨が明けず星が見えないことも多い(今年は早く梅雨明けして暑かったけど)ですが, 8月は晴天率が高く, 夏至から2ヶ月過ぎて夜が少し長くなるので, 「伝統的七夕」こそ星空を味わうのに好条件!

昼間は暑いし, 夕方涼しくなった頃に外に出てみよう... と思いきや, 夜も「あ゛つ゛い゛〜」てぇ感じかもしれませんが, 頭や手足に虫除けスプレーをぶっかけて, 首にタオルで果敢に星を追うのも風情かも(笑) 少し高い山や高原に行けば夜は涼めるかも♪♫

夕日と宵の明星

このところ金星が「宵の明星」として夕方の西の空に輝いています. 8/15が東方最大離角, つまり太陽から東へいちばん離れる日です. 暑いんだけど, いい感じの金星を見るには外に出なければ… ということで.

ほぼ快晴だったので夕日もやっちゃえ!ということで望遠レンズも持ち出して海岸の方へ…

湖陵海岸の夕日
Tamron 18-300 zoom, Fujifilm X-T20.

もしかしたら太陽が水平線に落ちる瞬間の「グリーンフラッシュ」が見えるか?と密かに期待したんですが, それはダメでした. 湿気が多いのか低空で霞の中にお日様は隠れてしまいました.

同上. まあこれもいい感じかも.

そして, 流れる汗をモノともせず, 機材を立てて金星を探す.

こんな感じで撮れました.

宵の明星(金星) 2026/8/2 19:48
MAK150, TeleVue 3xバーロー, IR/UVカットフィルタ, ASI385MC
ASICapで撮影(gain 240/ss 12ms, 4000コマ), AutoStakkert!4で75%スタック (drizzle 1.5x)

金星の位置がかなり低いですね. 撮影した時に水平線からの高さが約17°. 実は, このくらい低いと光が大気に斜めに入るときのプリズムのような効果で色分散が起こってしまいます. なので, 実際はこんな感じ↓で上と下に色がついて見えています.

上の写真の画像を「RGB align」 OFFで処理したもの. 大気による色分散で上下の縁が青, 赤ににじみます.

この大気による色分散を補正するプリズムのような道具(ADCとか言う)もありますが, 道具が増えるのは面倒だし, 画像処理のときにRGBの輪郭のズレを調整して重ねる(AutoStakkert!4の「RGB align」)とほぼほぼ何とかなるので, そうやって済ませています.

夏の「宵の明星」が低いわけ

惑星たちはだいたい太陽の通り道「黄道」に沿って動いていて, 地球より内側を回る惑星は, 黄道に沿って太陽の左右(東西)を行ったり来たりします. 金星が「宵の明星」として夕方の西の空に見える時, 金星は太陽の東側に居るってこと.

金星の軌道半径は0.72au(天文単位), 地球の軌道半径は1auなので, こんな絵↓を書いてみると, 金星が太陽から一番離れたときの金星と太陽の角距離は46°くらいと計算できます. ($${sin^{-1} 0.72 = 46.1}$$°)

地球から見て金星の軌道は太陽を中央に東西46°, 全体で92°くらいの範囲.

太陽は一年で空を一周するから1ヶ月で30°動き, 46°というと太陽がひと月半で移動する角度になります. てことは...8月に金星が太陽から東へめいっぱい離れて宵の明星として輝く時, その金星の位置は太陽が9月後半の秋分の頃にいる場所ってこと. 黄道は春分点・秋分点(太陽が春分, 秋分にいる位置)で, 赤道に対する傾きがいちばん急になっているから, 今頃の宵の明星は地平線に沈んだばかりの太陽から南寄りへ, かなり浅い角度で上がった所にいるわけです.

Stellariumによるシミュレーション(2026/8/2 19:50JSTの金星)
日没から40分たった19:50の金星の高度はわずか17°

まあ, こんなところで.
【了】

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