見出し画像

カナダ留学ブームは終わる?トランプさん「対カナダ関税25%だぜ」「カナダって51番目の州だよな?」。カナダの反応は?【わかりやすく解説】

トランプさんがすごい。

就任初日からバッタバッタとアメリカの大改革を進めているトランプさん。中でもカナダにとって影響が大きいのは、2/1に「2/4からやるからね!」言われてしまった「対カナダ関税25%」の件。
(石油などエネルギーものは10%)

で、この件。
結局2/3に(24時間以内!)で即時停止され、いったん(30日)回避されたかたちとなりました。ひと月後、どうなることやら…。

→ひと月後、こうなりました!!!!

→んで、さらにこう!!!!!


ある国からの輸入品ほぼ全製品に25%もの関税をかける、のような大がかりなことを、発表してから数日でやるというのですから、日本では考えられないスピード感。

私はいまカナダに住んでいて、その前はマレーシアに住んでいたのですが、マレーシアでもスピード感的にはそんな感じでした。
でもカナダはさらに速い!(行き当たりばったり感もある)
日本さん、慎重すぎて何も動いていないのでは……と思ってしまいます。

日本では外国人が不動産をほぼ自由に買えるとか、永住権がめちゃ取りやすいとか、投資ビザの金額が激安とか、留学生の学費が国民と同額とか、外国人に政府のお金ばらまきすぎとか、外国人がホテルの住所でも簡単に免許取れるとか、すぐさまどうにかした方がいい問題が山積みだと思うのですが……

閑話休題。

で、今回の関税25%の件、カナダ国内ではこんな感じの反応でしたよ、という話をニュース解説してみます。

トランプさんの強烈なリーダーシップは(よかれあしかれ)すごいなあ、とみんな舌を巻いています。カナダ国内では反トランプが圧倒的。でも、トルドーさんがかなり支持率を落としているので、中にはトランプ賛成派の人がチラホラいたりも。

そして、カナダってなんだか弱腰?
地政学的観点から見ると、そうなるのも無理はない……というか。

これから留学を考えている中高生・大学生のみなさん、
カナダに永住したいな、と考える大人のみなさんなどに、

「カナダってそういう構造の国なんだな」

「カナダとアメリカって似てると思ってたけどそんなふうに違うんだな」

と参考にしていただければと思います。



では、ニュース解説スタート。1本目はこちら。

News1. トランプさん、カナダに25%の関税&石油に10%の関税を!
「やり返すなよ!」と警告


アメリカのトランプ大統領が、「カナダから輸入するものに25%の関税をかける。あと、エネルギー(石油・天然ガス・電気)には10%の関税をかけるぜ」と発表。
これが始まるのは2月4日(火)。 ※の予定でしたがとりあえず停止

トランプさんの言い分としては、「カナダはアメリカのためにちゃんと働いてない。もっと麻薬密売を取り締まれ!国境の管理もしっかりしろ!」ってこと。

ホワイトハウスの声明では、

・カナダからのフェンタニル(アメリカで若者の死因1位となっている激ヤバなドラッグ)が、去年だけで9.8百万人(約1千万人)を殺せる量も押収された

・カナダからの不法移民が、この4年間で過去最多になってる

このへんを激押ししてきています。



News2. カナダのトルドー首相の反応は?「やり返すし!」



これに対して、カナダのジャスティン・トルドー首相は即反撃。

「それなら、アメリカ製品に25%の報復関税をかける!」と発表。その額は300億ドル(約4兆5千億円)

しかも、「21日後には、さらに1,250億ドル分の関税(約19兆円)を追加するからね!」と、かなり強気な対応を取ることに。

また、カナダのエネルギー担当大臣ジョナサン・ウィルキンソン(この人も反トランプ派)は、

「カナダは何も悪いことしてないのに関税をかけられた。でも、カナダ国民のみんな、安心して!俺らはちゃんと戦う準備できてるから!

と発表。
ウィルキンソンさんは少し前、アメリカのワシントンに行って共和党(トランプの党)の政治家と話し合っていたらしい。


カナダの州知事たちの反応

カナダの各州のトップ(州知事)たちも、対応について意見が分かれてます。

① アルバータ州のダニエル・スミス知事(この人はトランプ寄り。ちなみに女性)


アルバータ州はブリティッシュコロンビア州の隣の州なのだけど、ここは石油やガスがめっちゃ取れるエネルギー産業の中心地。だから今回の「エネルギーに10%関税」はかなり影響がある州。

知事のスミスさん(女性)は、

「トランプがエネルギーにかける関税を少し低くしたのは、うちの州(アルバータ)が頑張って交渉したおかげ!」

「だから、トランプを怒らせるより、外交で解決した方がいい。」

といっています。
実はスミス女史は、トランプと直接話すために、わざわざフロリダのトランプの自宅まで行ったり、ワシントンでも交渉していた人。だから、なるべく衝突を避けたいみたい。


② オンタリオ州のダグ・フォード知事(反トランプ)


カナダでいちばん産業が栄えているトロントを擁するオンタリオ州は、カナダの中でも自動車産業が盛んな地域。今回の関税で、カナダ製の車のパーツなどに影響大。

フォード知事の意見は、

トランプのやり方にはめっちゃガッカリした!

「俺は、アメリカとカナダが協力して、世界一成功して、安全で、お金持ちな国同士になりたいと思ってる。でも、トランプが勝手にこんなこと始めた。」

カナダには反撃するしか選択肢がない!しかも、ガツンといくしかない!

と強気。
フォードさんは「トランプの関税はアメリカの国民にもダメージを与えるだけ」って批判しています。

関税って、結局はその税金を支払うのは自国の人だから、自国の産業のブレーキになるのよね。

スターリンク(イーロン・マスクさんの会社)との1億ドルの契約も切るからね!

ともいっていました。
(※こちらも、トランプさんの関税延期にともない、契約解除も延期に)

この点では「フォード対マスク」もひとつの注目ポイント。

(イーロン・マスクさんは、この発表について「Oh well(まあ、しゃーないね)」とXで反応。あまり痛手ではないようす!)


③ カナダ保守党のピエール・ポワリエーヴル党首(反トランプ)

カナダの保守党(野党)のリーダー。トルドー首相のライバルだけど、今回はトルドーと同じく「トランプの関税はアカン!」って立場。

ポワリエーヴルはこういいます。

こんな不公平で無意味な関税は、もう弱ってるカナダ経済をさらにボロボロにするだけ!アメリカひどい!

「だから、議会をすぐに再開して、アメリカに対抗するドル・フォー・ドル(アメリカがやった分だけ返す)関税を発動すべき!」

「さらに、カナダの企業を守るために、税金をカットするカナダ国内の緊急対策も必要!」


④ カナダのNDP党首ジャグミート・シン(反トランプ)

NDP党はカナダの労働者を重視する政党。なので、関税の影響で仕事を失う人たちの支援に重点を置いてる。

シンのスタンスはこう。

「政府は、影響を受ける労働者をすぐに助ける準備をしないとヤバい!」

できるだけ多くの仕事を守るために、「カナダ製品を買おう!」って国民に呼びかけるべき!

で、実際、草の根的にも「カナダ製品を買おう!アメリカ製品は買わない!」という動きが活発化してきているもよう。


カナダの経済界も大混乱

カナダ最大の労働組合Uniforのリーダー、ラナ・ペインさんも反トランプ。

「トランプはケンカを売ってきた。でもこんなの、お互いの労働者を傷つけるだけ!」

「トランプはカナダ人の怒りをナメてる!今、俺たちは完全に一致団結して戦う気マンマンだぞ!」

「この仕打ちは絶対に忘れない。もうアメリカに頼らなくても生きていける国を作るしかない!」

でも、その「アメリカに頼らなくても生きていける国」にするのは、北の果てで何をするにもアメリカを通らないと世界市場にアクセスできないカナダの地政学的に大変難しいところ。

経済界からもうひとり。
カナダ商工会議所のキャンディス・レイン会長も反トランプ。

「こんな関税、全く意味がない!」

「ほとんどのアメリカ人だって関税に反対してるし、経済に悪影響を与えるだけ!」

と警告しています。



アメリカで大流行中のヤバい合成麻薬「フェンタニル」が事の発端


今回の関税は、トランプさんが「カナダはちゃんと麻薬密売を取り締まれ!カナダからアメリカにすごい流れてきてるぞ!どうにかしろ!」と言い出したことで始まったもの。

でも、実際は、実はこの説ってけっこう言いがかりに近い(※後述)
そこでカナダ側は「ふざけんな!」と即反撃

カナダ全体が「トランプ許さん!」って感じで団結し始めてる

っていうのがカナダの様子でした。

しかしそもそも。
このニュースの背景にあるのは、どんな状況?
それを次に解説します。


カナダはなぜ全体的に反トランプなの?→トランプがジャイアンすぎるから!


1. トランプの「アメリカ第一主義」がカナダにダメージを与えまくり


トランプさんは「アメリカの利益を最優先!」というスタンスだから、カナダとの貿易とか安全保障とか、普通ならお互い協力するはずのことをけっこうガン無視。「アメリカにとって損なら関係ない」って感じで動きます。

特にカナダにとって痛かったのは:

  • 2018年の鉄鋼&アルミ関税(トランプがカナダに25%の関税をかけた)

  • NAFTA(北米自由貿易協定)を壊して、CUSMAに強引に改定(カナダとメキシコがアメリカの要求を結構飲まされた形の協定に)

  • 「カナダはアメリカを利用してる!」と何度も批判(例えば「カナダはNATO(北大西洋条約機構)で軍事費をちゃんと払ってない!」とか)

カナダ側としては、
「え!ずっと仲良くやってきたのに、トランプさんのせいで一方的にやられっぱなし!」
という不満が溜まっているところ。


2. カナダの価値観とトランプさんの価値観が真逆


カナダは全体的に「リベラル寄り」な国。特に多文化主義・移民政策・環境保護・公的医療を大事にしています。

一方、トランプは「移民は犯罪の元!環境破壊はフェイクニュース!エネルギー燃やして経済回せ!医療は金持ちがいいサービスを受ければヨシ!」みたいな感じだから、考え方が全然合わない。



3. トランプがカナダを「バカにした発言」をしすぎ!

トランプさんはカナダについて結構失礼なことを何度も言っています。例えば:

  • 2018年、G7(主要7カ国首脳会議)で「トルドーは弱虫で不誠実なやつだ!カナダはアメリカに損害を与えてる!」

  • 2020年のパンデミック時「カナダにマスクを輸出しない!アメリカの分が最優先!同盟国とか知らん!」

また、「カナダはアメリカの51番目の州だろ?」というのはトランプさんの鉄板ジョークで、ちょいちょい属国扱いしてます。

こういう感じで、「トランプ=カナダを見下してる!」ってイメージがついて、カナダの政治家はプンスカしています。

こんなXの広告もちょいちょい流れてきます

でも、トルドーさんの支持率が下がりまくっているので(すでに辞任を発表しています)、「でもトルドーよりマシ!」というスタンスのカナダ人もいたりもします。

(でもあんまり大っぴらに言えるムードじゃない。車にそういうステッカー貼って走っている人を見たことがあります)

では、続いて次のニュース。

News3. トルドーさん、トランプ銘柄を狙い撃ち!報復関税リストは「アメリカの象徴的な商品」



カナダも即座に25%かけ返すからね!
と強気に出たカナダさん。 (※こちらも、アメリカ側の関税が延期になったので、一緒に延期しました)

お返しだ!とばかりにアメリカに関税をかけ返す宣言をしたカナダ。
結局延期とはなりましたが、発表されたターゲットは、アメリカの代表的な輸出品

関税対象リスト(一部)は、
アメリカのビール、ワイン、バーボン(ケンタッキー産)
オレンジジュース(フロリダ産)
野菜・果物(カリフォルニア産)
香水・衣類・靴(ブランド物)
家庭用電化製品(冷蔵庫・洗濯機・エアコン)
家具・スポーツ用品
木材・プラスチック製品(アメリカの建築業に影響!)

など、特に「トランプ支持者が多い州」の商品を狙っていることがわかりますでしょうか。
(特にバーボン(ケンタッキー州)、オレンジジュース(フロリダ州)など)

つまり、「アメリカ国内の政治圧力を利用して、トランプにプレッシャーがかかりますように!」的な感じですね。


トルドー首相のコメントは、

「アメリカとカナダは過去にいろいろあったけど、いつも乗り越えてきた。」

「もしトランプ大統領が『アメリカの黄金時代』を作りたいなら、カナダと協力するのがベストな道だ。」

「カナダは北米経済を支えるための大事なパートナーだし、一緒にやっていく準備はできてる。」

と、「カナダは敵じゃないんだから、ケンカするのやめようぜ!」「アメリカ国民にとってもよくないだろ?」というトーンです。

トランプさんの勢いからすると、ちょっと弱気にも聞こえますね。
地政学的に仕方ない、というのはホントに大きいです。


はい、そして次のニュースはこちら。

News.4 カナダさん、関税25%かけられてヤバい産業6つはここだ!


対カナダ関税25%の影響を最も受けるのはこの産業、という6つがニュースで発表されました。

30日間延期となったので今のところ「セーフ!」なのですが、今後のカナダを占うためにも(そしてカナダの立ち位置を知るためにも)見ていきましょう。

① 石油・天然ガス(カナダ最大の輸出産業!)

💰 アメリカ向け輸出額:1430億ドル(約21兆円)
📌輸出の97%がアメリカ行き!(ほぼアメリカ頼り)

📌 州別内訳: 
アルバータ州:1216億ドル(約18兆円)
サスカチュワン州:117億ドル
ニューファンドランド&ラブラドール州:68億ドル
ブリティッシュコロンビア州:67億ドル

📌 トランプの10%関税で追加コスト:143億ドル(約2.1兆円)

記事では「カナダのエネルギー産業が最大の被害者」と結論。


② 自動車産業(カナダ製の車のほぼ全てがアメリカ行き!)

💰 アメリカ向け輸出額:530億ドル(約8兆円)
📌 96%がアメリカ行き!(カナダ国内ではほとんど消費されない)

📌 州別内訳:
オンタリオ州:525億ドル(カナダの自動車産業の中心地!)
ケベック州:2400万ドル
アルバータ州:1700万ドル

📌 トランプの25%関税で追加コスト:133億ドル(約2兆円)

アメリカで車を売れないとカナダの自動車工場は閉鎖危機!と。すると失業問題、治安悪化などカナダがヤバいことになっていきます。

ちなみに、カナダには自動車メーカーがありません。カナダで作っているのは、他国のメーカーの車です(フォードやGMなどアメリカ車とか、日本車とか)。

日本はトヨタ、ホンダをはじめ世界に名だたる自動車メーカーがたくさんあるし、中国にも韓国にも世界的に有名な車メーカーがあり、あのマレーシアでさえ自動車メーカーがあります。

もちろん、英国、ドイツ、イタリア、スウェーデンなどヨーロッパの国々にも素敵な世界的自動車メーカーが。

カナダに自動車メーカーがない、というのは「え?大国なのに?先進国なのに?」と思ってしまいました。


③ 石油精製(アメリカ向けにガソリンを作る産業)

💰 アメリカ向け輸出額:230億ドル(約3.5兆円)
📌 輸出の85%がアメリカ行き!

📌 州別内訳:
ニューブランズウィック州:101億ドル
アルバータ州:60億ドル
ケベック州:37億ドル
オンタリオ州:24億ドル

📌 トランプの10%関税で追加コスト:23億ドル(約3400億円)

アメリカがカナダのガソリンを買わなくなったら、精製所の経営が成り立たない!これもまた失業者問題につながります。


④ 農業(作物・畜産)

💰 アメリカ向け輸出額:131億ドル(約2兆円)
📌 輸出全体の32%がアメリカ行き!

📌 州別内訳:
オンタリオ州:47億ドル
アルバータ州:19億ドル
サスカチュワン州:18億ドル
ブリティッシュコロンビア州:14億ドル
ケベック州 & マニトバ州:各12億ドル

📌 トランプの25%関税で追加コスト:33億ドル(約5000億円)

カナダの農家さんも、アメリカに輸出できなかったら大打撃です。


⑤ アルミ産業(アメリカの建築・自動車業界に必要な金属!)

💰 アメリカ向け輸出額:128億ドル(約1.9兆円)
📌 93%がアメリカ行き!(カナダ国内の需要はほぼゼロ)

📌 州別内訳:
ケベック州:98億ドル(カナダ最大のアルミ生産地!)
オンタリオ州:20億ドル
ブリティッシュコロンビア州:9.15億ドル

📌 トランプの25%関税で追加コスト:32億ドル(約4800億円)

アメリカでの販売が止まると、カナダのアルミ工場が止まる危機です。


⑥ 航空宇宙産業(カナダの航空機部品の67%がアメリカ行き!)

💰 アメリカ向け輸出額:128億ドル(約1.9兆円)
📌 67%がアメリカ行き!(航空機産業は国際的な取引が多いが、アメリカ依存度も高い)

📌 州別内訳:
ケベック州:88億ドル(ボンバルディア社がある)
オンタリオ州:32億ドル
マニトバ州:3.74億ドル

📌 トランプの25%関税で追加コスト:32億ドル(約4800億円)

カナダの航空産業(ボンバルディア社など)が大ピンチ。

ボンバルディアはもともとはスノーモービルの会社(カナダ的!)で、鉄道や航空機を作るようになって、でも2018年に エアバスにCシリーズ(小型旅客機部門)を売却(エアバスA220になった)して 、2020年に航空機事業をアメリカの「スピリット・エアロシステムズ」に売却して、2021年にフランスのアルストムに鉄道部門を売って、今は専らプライベートジェットを作っている会社。で、このプライベートジェットがアメリカで売れまくっている


アメリカ依存が高すぎ! 世界的企業がなく、アメリカ頼りなのがカナダ経済の弱み


というわけで、この「ヤバい6産業」を見ても、かなりのアメリカ依存であることが現れています。

カナダは、国が大きい割に世界的大企業がないんです。

それは、国は大きいけど人口は少なくマーケットが小さいこと。そのためアメリカのマーケットを見込んだ発展の仕方しかできないこと。国土が広い分、輸送が大変なのも問題です。

しかも、ちょっとうまくいって会社が大きくなりかけると、アメリカが来て買っちゃう

北の果てにあるので、何をするにもアメリカを通らないと世界のマーケットに出ていけない。アメリカに「流通とめるぞ!」といわれたらマジ詰む!

カナダは資源国なので、なにか作るよりも資源掘ってる方が儲かるという産業構造。そして、資源のおかげで国内的にわりと安定する。けど製造業が発展しないという構造。

人口減は移民でカバーして、みんな仲良く!
(移民を受け入れすぎていま国内で大問題になって揺らいでいるけど)

移民を受け入れているから、政情不安定な国のお金持ちがやってきて、不動産などを買うから不動産価格があがって、30年前くらいに不動産を買ったようなカナダ人シニア資産持ち層はさらに資産が増えて安泰に。
一方、若者世代は「親の世代と同じ暮らしは到底できない」と言われて幸福度ダダ下がり。労働者としてやってくる移民も然り(資産家移民はポンと家を買ったり売ったりして幸せそう)。

留学生もたくさん受け入れて、国内生の5倍の学費とって学校潤う!「留学生はカナダの資産です」というマーク・ミラー移民大臣の発言も記憶に新しいです。資産かい!留学生も人間ですがー!
(で、そこをビジネスチャンスとばかりに劣悪で詐欺みたいな私立カレッジがトロントや地方などにあって大問題となっていました→近年の学生ビザ削減政策につながる)

という経済構造の国なのですよね、カナダって。

カナダでもお金があって頭のいい人はアメリカの大学を目指しがち(お金がなくても、アメリカの大学には各種奨学金がある。そしてカナダ人、けっこう奨学金を意識して小さいころからスポーツやっていたりします)。
こうしていい人材も流れていってしまうんですよね。


News.5 アルジャジーラも注目! 30日後にどうなる!?どうする!?アメリカ対カナダの関税戦争!

こちらは、中立的な報道で知られるアル・ジャジーラによる解説ニュース。

なぜトランプさんは対カナダとメキシコの関税をストップさせたの?24時間のカオス!

といっています。その内幕はこうだ、といっている記事ですね。

要約すると、

トランプさんたち(ホワイトハウス)によると、

「カナダもメキシコも、国境警備をもっとちゃんとしろ!具体的には、薬物(フェンタニル)と不法移民をアメリカに入れるな!」

という主張。

で、お話合いをして、カナダもメキシコも

「わかった!警備強化するよ!」

と約束して、トランプさんも矛先を納めた、という経緯。

(でも、アメリカは中国には10%の関税をかけることは実施しました)

カナダはもともと、国境警備の強化は関税の件がなくても予定していたから、実質カナダはうまくカードを使って交渉したね、とトルドーさんの株が上がったと言われています。が。

これ、そもそもが、トランプさんのシナリオ通りなんじゃないですかね?


これは「トランプさん劇場」なのでは!


だって、カナダとの国境で(約1千万人)を殺せる量、19Kgものフェンタニルが押収された、ということを言ってきていますが、麻薬ルートといえば「メキシコからアメリカ」の方が圧倒的。

メキシコ国境では9,600kg以上が押収されているんですよ。カナダ国境と段違いです。同列に語られるレベル感ではないのでは……

アメリカでフェンタニルがものすごい社会問題になっているのは事実で、今やアメリカの20代の死因のトップがこの薬物(病気・事故などを抜いて)です。
で、その供給源が、中国が原材料をメキシコに入れて、メキシコで薬物になって、アメリカに入ってきている、といわれています。

そもそもは、強力な痛み止め(手術後や末期がんの疼痛管理に使う)である医療用フェンタニルの乱用から始まっているから、国内問題では、という気もするし。

なので、カナダ側からみるととばっちりに近いのでは……と。

カナダはトランプさんと考え方が真逆だし(というか、トランプさんのライバル陣営に近い考え方)、カナダ経済がアメリカ頼みなのもわかっているし、パフォーマンスとして使われてしまっている感があるかな、って感じます。


カナダの人の反応


カナダの人としては、関税の一件の前から、

「あー、国境の向こうじゃなくてよかった」

ということをいう人は多いです。しかしながら。

「でも……トランプってほんと演説が上手いよね。こう、ぐるっとまわって伏線回収してくるような話し方がすごく聞かせる」

「政治家っていうより一流のビジネスマン。エンターテイナーでもあるからねえ」

「メッセージも単純で力強くて、印象的なんだよね」

「そうそう。コミュニケーション術に本当に長けている」

なーんて会話が交わされ、みんな「トランプはカナダの敵!」なのだけど、その強烈なリーダーシップに感心している部分もあるようす。

会社とかでも、こういうワンマンなリーダーっていますよねえ。振り回すだけ振り回して、結局なんだったの!?みたいな。おかげで現場の本来の業務がストップして、周りが疲弊しちゃう、みたいなリーダー。

そんな「俺はジャイアン、ガキ大将」を地で行くようなトランプ大統領に振り回されて、カナダは物価が上がったり、移民政策(永住権や学生ビザ)にも影響が出たり、なにかとさらに時間がかかったりとちょっとよくない影響ありそうだなあ、という予感です。

カナダへの留学を考える人にとっては、カナダという国の成り立ちや立ち位置、アメリカとの違いを考えるいい機会かもしれません。

株式や暗号通貨の世界では、トランプさんでよかった!ありがとう!ってことも多いのですけどね。

そして関税合戦が本当に始まったら、さらなる物価上昇諸々の混乱は必至。
今月末あたりどう話が進行していくのか、見守るしかないです。


自伝の中でも「俺の強みは交渉術!」と語っているトランプさん(若!2008年の本です)。
全米ミリオンセラーの本書。トランプさんの生い立ちから、グランドハイアット、ティファニー界隈、賭博、セントラルパークサウス……とめちゃおもしろそう!解説は「金持ち父さん」のロバート・キヨサキさんです。

【目次】
取引―ある一週間
トランプの手札―取引の諸要素
生い立ち
シンシナティ・キッド―慎重さが利益につながる
マンハッタンへ
グランド・ハイアット・ホテル―よみがえった四十二番通り
トランプ・タワー―ティファニー界隈
賭博―ボードウォークのカジノ
棚ぼた―ヒルトンをめぐる攻防
低家賃の豪華アパート―セントラル・パーク・サウスでの勝負
大きな賭け―USFLの興亡
ウォルマン・リンクの再建
カムバック―もう一つのウェスト・サイド物語
一週間を終えて―取引の結果

Amazonより

え、めちゃおもしろそう。

トランプさん小噺。
けっこう家族思いな一面があるようで、娘の学芸会をこっそりと見に行ったり、いいパパ&いいおじいちゃんなんだって。そういうエピソードを聞かされると、映画版のジャイアンみたいで、トランプさんいい人って感じがしてしまう……
第一印象が悪い人って意外に得ですよね。


 ↓ 北米の劇薬か!?界隈が震撼する「トランプさん劇場」、つづきはこちら!





いいなと思ったら応援しよう!

Yuriko | 教育移住8年目(マレーシア→カナダ)☕海外バイリンガル子育て スキやコメント、サポート、シェア、引用など、反応をいただけるととてもうれしいです☕