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土曜日の、ちょうどいい場所

最近、ホットヨガにハマりつつある。

とはいえ、まだ体験したのは1度だけだ。
「ハマっている」と書くには、少し早い気もする。まだ爪先を浸けた程度。もう少し時間をかけて、自分の中で確かめてからにしようと思う。

その前に、今の自分にとって、すでに大きな存在になっている「3Dコンディショニングフロー」というピラティスのレッスンについて書いておきたい。

こちらは、もう腰までどっぷり浸かっている。

ピラティスを始めて1年半ほどになる。最初は基礎だけを受け、それから応用のレッスンを中心に受けていた。数か月が過ぎ、動きのパターンが分かるようになるにつれ、以前ほどの新鮮さやときめきを感じなくなっていた。

そんな時に出会ったのが、この3Dコンディショニングフローだ。

ピラティスの基本的な動きをベースに、軽やかでしなやかなムーブメントを加え、洋楽に合わせて身体を動かしていく。ダンスというほどではないが、音楽に乗せてリズミカルに流れるように動くレッスンだ。

密かに消滅可能性レッスンと呼んでいる。開講しているスタジオが少ない。

だから、週に1度、少し離れたスタジオへ足を運ぶようになった。もう3か月になる。

最初は、音楽に合わせて動くことに強い抵抗があった。今でもレッスン中、ふと我に返る瞬間がある。

「自分はいま、一体何をしているんだろう」

そう思った瞬間、集中力はぷつりと切れる。目の前で軽やかに動くインストラクターのWさんを追いながら、「次はどっちだったかな」と一瞬迷う。その数秒の迷いで、自分だけ動きが遅れてしまう。

最初は動きの順番を覚えるだけで精いっぱいだった。音楽に合わせながら動き、そこへ少しずつ新しい動きが加わっていく。受講して7、8回目くらいになって、ようやく身体が覚え始めたと感じられた。

このレッスンでは、小さなボールを手に持って動くことも多い。持っていることで身体への意識は高まるが、動きに夢中になると、つい存在を忘れてしまう。気づけば手元からころんと落ちる。そんな小さな失敗も、今では笑って受け入れられるようになった。

さらに、普段のピラティスではあまり使わない筋肉も容赦なく使う。特にある動きでは、今でも太ももの外側がつる。身体は正直だ。普段使えていない部分を、きちんと教えてくれる。

そして、このレッスンで改めて気づいたことがある。自分には、思っていた以上にリズム感がないということだ。

それでも最近は、一拍遅れてしまう自分も含めて、この時間を楽しめるようになってきた。

それでも続けられるのは、一緒に受ける会員さんたちと、担当のWさんの存在が大きい。

Wさんのレッスンには、不思議と肩の力が抜けるような空気がある。軽やかに動きながらも参加者を置いていかない。その絶妙な距離感が、この少し難しいレッスンを続けられる理由の1つだと思う。

誰に対しても自然体で接する飾らない雰囲気が、クラス全体の居心地の良さにつながっている。

初めてこのスタジオを訪れた頃、このレッスンを受ける会員はまだ3人ほどだった。今では倍以上に増えている。

15分も動き続けると、息が上がり、汗が一気に噴き出す。水分補給は欠かせない。

何度か休憩を挟みながらも、きつい動きは続く。


終盤になると、最後の追い込みが待っている。最後は、お腹との戦いになる。

腹筋運動をしているわけではないのに、スピーディーな動きの中で、じわじわと負荷がかかってくる。終わる頃には、腹筋が「もう十分です」と訴えてくる。

50分ほど経った頃、激しい動きはようやく終わりを迎える。

最後はマットに全身を預け、静かに目を閉じる。次第に鼓動は落ち着き、呼吸も整っていく。

激しく動いていた身体が、少しずつ静けさを取り戻していく。その感覚が、たまらなく好きだ。

見ず知らずの会員さんたちと息を合わせ、同じ音楽に乗る。その時間を共有する一体感も、このレッスンならではのものだ。

最初はアウェー感のあったスタジオも、最近では顔見知りが増えた。「このクラスには来ますよね」と声をかけてくれるスタッフとも、自然に顔馴染みになった。

レッスンの前後には、商店街の名物の天丼を食べることもある。

汗をかく前の腹ごしらえなのか、それとも頑張ったあとのご褒美なのか、自分でもよく分からない。でも、この街に来る楽しみが、レッスン以外にも少しずつ増えている。

帰りは決まって商店街のパン屋に寄る。アーモンドクロワッサンを2つ買い、バッグに忍ばせる。たまには商店街を歩きながら、人気のコロッケを買って帰ることもある。

この帰り道も含めて、土曜日のこの時間が好きになった。

それまであまり知らなかった街が、ピラティスを通じて少しずつ自分の居場所になっていく。その感覚も手放せない。

以前は、このレッスンの前に別のスタジオで2つレッスンを受けてから、ここへ来たこともあった。つまり、3Dコンディショニングフローを含めると、1日に3つ受けていたことになる。

その日の帰宅後は、もう何もする気が起きなかった。身体から「今日はもう十分です」と言われているような状態だった。

楽しいからこそ、つい欲張りすぎていた。

でも今は、このレッスン1本にしている。その分、この時間をしっかり味わえるようになった。

気持ちよく汗をかいて、ほどよく疲れて帰る。そのくらいが、今の自分にはちょうどいい。

このレッスンがいつまで続くのかは分からない。それでも、しばらくは毎週土曜日のこの時間が、自分のお気に入りのルーティンであり続けると思う。

そして、この3Dコンディショニングフローに出会ったからこそ、今、ホットヨガにも興味が向いているのかもしれない。

その話はまた。


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