『無敵化する若者たち』 金間大介(著)
Z世代の解説本は何冊も読んできましたが
本書がダントツNo.1
若者と接する機会の多い、現場の当事者として、
手触り感のあるリアルな実態を描いている
さらに、細部の分析、解説へのこだわりが凄い
頭が悪いわけでもないのに、全力を出さない
目立ちたくないと言いながら、自分らしさを求める
誰もふざけているわけではないのに、
矛盾だらけの状況は、滑稽にさえ感じる
この矛盾する構図を、丁寧に解説
そして、愛情を持って、未来への願いを綴っています
これが進化の過程なのか、破綻寸前の状況なのか、
部分最適の行き着いた先が、現代なのか?
そんなことさえ考えてしまう
考える素材として、
現代を記録する貴重な資料として、
この本は、永久アーカイブしてほしい
『無敵化する若者たち』 金間大介(著)
『無敵化する若者たち』 金間大介(著)
2026.1、301p
著者は大学教授
イノベーション論が専門
授業やゼミで大学生の発言や行動を見ていて
思うことがある
不確実な世界でチャレンジすることが当たり前の
イノベーション文化とは真逆
一見保守的に見える若者を
マスではなく、いち個人として捉える
N=1の視点で、
行動の裏側にある、思考、感情をひもとく
アンケート結果を根拠として引用していますが、
データ部分は、参考程度に見るのが良さそうです
実際のシーン、発言をひも解くあたりから
一緒にリアルな現場を疑似体験しながら、考えてみましょう
とある日のゼミ室でのシーン
一人遅れてきた生徒
みんな揃っていて、ほぼ満席
空いているのは、教授の横の特等席しか空いてない
この場面で、遅れてきた生徒がどこに座るか、というクイズ
たぶん、正解する人は少ない
冷房が利きすぎて、
みんな腕をさすりながら、必死にガマンしている
それでも、誰も何も言わない
自分から言いだして目立つのを極度に嫌う
先生が一言声をかけると、みんなホッとした表情になる
温度調節パネルの近くの人が、ササっと設定温度を上げる
たったそれだけのことに、責任を感じてしまうのか??
目立つことを極度に嫌う 「言い訳文化」
自分の行動、判断に、いちいち理由を求める
逆に言えば、正当な言い訳があれば、比較的行動に移しやすい
自分が決めたというより、仕方なくそうした
自然な流れでこうなった
この言い訳を必要とする心理
言い訳文化が、今の若者を理解する大きな手掛かりになる
とにかく、目立ちたくない
そこには、恐怖さえ感じているみたい
自分から主張すると、何かとんでもないことでも起きると思っていのか?
主役になりたくない
裁量権もいらない
でも、自分らしさは求めている
この矛盾が、大人をイラつかせてしまう
やりたいことが見つからない
就活するようになっても、
実は、やりたいことが無いらしい
だから、就活のために 「やりたいことを捏造する」 ようになる
そのくせ、やりたいことを見つけてキラキラしている友人を見て、焦るらしい
自分はそこまでできていない、と
未来への絶望感
ちょっとビックリしたのが、
日本の未来についてのアンケート結果
日本には未来がない
日本が衰退していくのは、仕方ない
という項目に 「Yes」 と答えた人が過半数以上
がんばっても、むくわれない
だから、がんばらない
という、社会、日本への諦め
将来の希望がない日本に住んでいるのに、
今の自分は、わりと幸せ、と思っている
こんないい時代が、長く続くと思っているのだろうか?
若者の特徴
チャレンジより圧倒的に安定志向が強い
仕事に対する熱意や欲求がない
平均値より上にも下にも行きたくない
給料は大事だけど、それ以上に安定した、長期的な昇給を求める
アウトではないけど、微妙に失礼
上の世代がためらうような権利主張を平気でする
自己評価が高い
自分らしさは欲しい
いもつ親が味方
いい子を演じる
マジメに読むと、ムカムカしてくる
なにを、たわけたことを、という感じ
でも、悪気はない
環境適用した結果が、これだということ
「あの件どうなった?」 への反応で差が見える
あの件ですね。
から始まる人は、少し自責思考がある。申し訳なさそうに話す。
あの件ですか。
と答える人は、他責がベース。
私は、やること、やってますよ。
むしろ、あなたのフォローが足りないのでは?
という反発があるように感じさせてしまう
本人意識していないかもしれないが、人をイラっとさせる
「あの件どうなった?」
→ あの件ですね。(自責)
→ あの件ですか。(他責)
この微妙な違いに気づいている人は、どれだけいるだろうか?
この詳細な分析力は、さすが、と思いました
現代の豊かさは、先輩たちの遺産
頑張らなくても、なんとかなるのは、
先輩たちが努力して築きあげてきたものがあるから
今は、その資産を取り崩している状態
贅沢な日々を過ごしているのだと気づいていない
今のような安定した社会が、いつまでも続くと思っているのか?
(というのが著者の問題意識)
全て、親のせい?
今の若者は、親との関係性が異常にいい
どんな状況でも絶対に守ってくれる、という安心感
絶対的な信頼
親が言うことはいつも正しい
問題が起きる前に、正解を教えてくれる
それが親の愛情
親ばか(とも言うが)
会社でも、
熱い上司より、とにかくわかりやすい言葉で丁寧に教えてくれる上司がいい
気軽に相談できる
自分の意見をしっかり聞いてくれる
感情的にならず、失敗しないようにサポートしてくれる
そんな上司を望んでいるとか
自分の親みたいな上司、ということか?
活気がある職場はいらない
安定していて、できれば緩やかに成長していきたい
成長とは、人並みに正解を積み上げていくこと、
どこかに正解があると、思っているらしい
(ここも大きな誤解)
本来は、自分で問いを立てて、自分で正解を見つけに行く
そんなチャレンジなんてコスパが悪すぎるとでもw
自ら変化を起こした先の幸福感は、
それまでとは別次元である、と伝えたい
そういう成功体験が圧倒的に欠落している
その機会を奪ってきたのは、親のせいかもしれない、、、
ただ、ギャップがあるだけ
上司世代と若者世代のギャップについて俯瞰して見ると、
どちらも正解、お互いに悪気はない
これは問題というより、現象である、と
つまり、現実は変えられない、という前提に立つべき
事実を受け止めた上で、自分はどうするかを考える
1つの着眼点として、提案されているのは、
言葉より、行動に着目する(事実ベースの考え方)
行動に対してフィードバックする
そのくらいしか、方法はない
チャンスはいくらでもある
チャンスが来たら飛び込む勇気
そこに気づき、行動に移す人が増えてくることを願っている
ただ私は、
ここに書かれているような若者が全てではない、と思っています
少し極端な例を挙げて、考えるキッカケを提供している
理解しがたいけど、
それも現象として受け止めた上で、
自分はどうするか? ですね
著者の対談動画を見ると、また印象も変わります
この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
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