SF漫画好きの人に清水玲子先生の漫画の世界をざっくりと紹介したい
「秘密トップシークレット」がドラマ化されたので清水玲子先生の他の漫画作品も紹介したくなりました。
特にSF好きの人におすすめしたくて記事にしてみました。

80〜90年代の白泉社のSF少女漫画と言えば有名なのは日渡早紀先生の「ぼくの地球を守って」や成田美名子先生の「CIPHER」「OZ」や柴田昌弘先生の「ブルー・ソネット」とかかなと思うのですが勿論当時の私もこれらを読んでいましたが私が特に大好きだったのが清水玲子先生のSF漫画だったんですよね。
各作品の連載当時は今と違って微妙にマイナーだったので友人達に清水玲子先生の漫画を布教しまくってました。
そしてありがたいことに読んでくれた友人はみんなハマってくれました。
なんで好きになったのかというと作品のタイトルがいちいち自分的にツボだったんです。
SF好きにはたまらないワードセンス
「竜の眠る星」
「月の子」
「輝夜姫」
「天使たちの進化論」
「ノアの宇宙船」
「22XX」
子供の頃からSFも宇宙も不思議な話とかも大好きっ子だったんですが宇宙好きっ子にはこういうタイトルに心を惹かれちゃうんですよー。
話の内容も未来の世界の話や他の星の話がたくさん出てきますしロボットやクローンに宇宙船も登場します。
清水玲子先生の作品の特徴にユニセックスな設定がとても多く今で言う「LGBT」な表現がとても多いです。
性別だけじゃなくて(例えば動物と人とかロボットと人とか)生物そのものの境界線が曖昧な設定が多くあります。
境界線が曖昧だからこそ生きていくことや人を愛することに悩んだり苦しんだり「無垢であることに罪はないのか」「天使か悪魔か」「罪と罰」「善と悪」など対峙したり葛藤する内容が話の中に必ず出てくるので読者が考えさせられることが多いのも作品の特徴のひとつです。
意外にもドラマ化された「秘密」が清水玲子作品の中だといちばん現実に近い設定でリアルな漫画です。
「秘密」にもユニセックスな部分が強くあってボーイズラブの要素がある。
そして薪の心の中の「秘密」は最終巻のモノローグで語られた内容が答えです。
この世に生きている限り
守るべきものは出来てしまう
全部無くしても また
全部無くした筈なのに また
大切なもの
失いたくないものは
生まれてくる
生きている限り
お腹が減るように
しあわせも 感じるようになる
欲しくなくても
出来てしまうんです
人に見られたくない
そして 秘密も

「秘密トップ・シークレット」は全12巻で完結しています。
「秘密」は猟奇殺人犯とかガンガン出てくるし、えげつないし、なかなかハードでグロいです。
TVドラマではグロくない内容に絞って厳選し放送したんだと思います。
「秘密」はグロい話とかの耐性がある人におすすめします。

「Season0」というスピンオフシリーズも2025年4月現在12巻まで刊行されています。
「Season0」は薪の子供の頃の話だったり完結後のその後の第九や薪達の話が読めます。



「ミルキーウェイ」
「天使たちの進化論」
「22XX」
この3作品はSF短編集で主にジャックとエレナの2人が登場する話をまとめたシリーズです。
ジャックもエレナもロボットで設定は未来で地球だけでなく他の星もたくさん出てきます。
エレナは性別がなくユニセックス型の美しいロボットですが性格がわがままで自由奔放です。
私は優しいジャックの方が好きです。
エレナは苦手だし嫌いです。
エレナが嫌いな人って多いんだよね。
ちなみに彼らはロボットなので食事を摂る必要もなく人に合わせて食べるフリをしたりします。
ジャックは食べることの意味について罪悪感を持っているのですが「22 XX」では、ある星で同じように食べることに葛藤をいだいた子の話が出てきます。
秀逸な話なので是非読んでほしいです。
不思議とロボットのジャックとエレナの方が人間らしくて考えさせられる話がそれぞれ収録されてます。

白泉社文庫から全2巻で刊行されています。
私がいちばん最初に清水玲子先生の作品で読んだのが「竜の眠る星」でした。
話に出てくるモニークが不憫だし哀しすぎて読んでいて毎回必ず涙が出てしまう。
清水玲子先生の漫画は読んでいて泣かされてしまうことがとても多いです。
清水玲子先生の作品は絵が綺麗だからという理由だけでなく話がきちんとしていて内容もなかなか濃くて考えさせられてばかりで気づいたらファンになってたという訳です。

白泉社文庫から全8巻で刊行されています。
1985年のニューヨークを舞台にした話で「人魚姫」をモチーフにしている。
最初はダンサーをしているアートと記憶喪失となった少年ジミーの話なんだけれど同時に人間の王子様と人魚姫の恋の話だったりもする。
キーワードは「三つ子」「卵」「チェルノブイリ」「月」環境汚染の話が世界の破滅にもつながっていったりして壮大なスケールのSFファンタジー。
キャラクター同士の恋愛模様もかなり複雑な展開になっているので後半かなり切なかったし読んでて泣いてしまった。
ちなみに主人公のジミーはよく泣くし少しウザい。
清水先生の作品は主人公なんだけど好きになれないパターンがやたらと多いです。
逆に脇役のショナはカッコいいから好き。
清水玲子先生の作品にはウザい子と優しい大人とやたらとカッコいい子と不憫で気の毒な子が必ず出てくるんだよね「月の子」でもそれらのお決まりキャラクターが登場してます。
「月の子」は長編作品の中でも名作なのでSF好きの人に是非読んでほしい作品です。

白泉社文庫から全14巻で刊行されています。
タイトルから察してしまうと思いますが「竹取物語」をモチーフにしていいます。
他にも「羽衣伝説」もモチーフになっていました。
「月の子」はSFファンタジーだったのですが「輝夜姫」はSFサスペンスミステリーです。
主人公の晶の生い立ちや出生の秘密がサスペンスミステリーとなっています。
内容についてはネタバレになってしまうのであまり触れませんが後半に進むにつれて壮大なスケールに展開していくのは「輝夜姫」でも同じです。
主人公の晶も私はあまり好きになれませんでした。
晶は容姿端麗で頭も良くクールで完璧な子ですが完璧すぎて感情移入できないというか近寄りがたいイメージ。
晶が養子になっている家の娘のまゆという子もウザくて嫌いでした。
「輝夜姫」は女同士の同性愛(百合っていうの?)が出てくるのもあって余計になんだかキャラクターがあまり好きになれなかった。
メインじゃないキャラクターの由(ゆい)と碧(みどり)の二人の方が好感度高めなのは清水玲子作品あるあるなんだと思うけど「輝夜姫」でも脇役の方が魅力的だったりします。
清水玲子先生の絵が美しいので白泉社さんの原画展にも行って実際にカラー生原画を見たのですが…
めっちゃ綺麗でした
出来れば読むなら電子書籍ではなく繊細なタッチが再現出来ている紙の媒体がおすすめです。
それに文庫判より絶版になってしまったコミックスサイズの方がより絵の美しさが伝わると思います。
気になった作品があったら是非一度読んでみて下さいね。
