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【Day7:独占記録】「……合格よ」完璧なお嬢様が解いた境界線。僕だけが見た、美月の本当のご褒美。【写真集風記事】

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NOTE 第1節:審判のあと、距離が消えた瞬間

「68.2kg」 体組成計の液晶が示したその数字を、僕たちはしばらくの間、ただ無言で見つめていた。

美月の表情は、いつも通り凍りついているように見えた。でも、その瞳の奥には、確かな安堵と、それ以上の「何か」が渦巻いているのが分かった。彼女は僕の足元から視線を上げ、ゆっくりと、本当にゆっくりと、その完璧な姿勢で僕の目の前まで歩み寄った。

「……合格よ、リク」



彼女の声は、朝の冷気を含んでいるはずなのに、不思議と僕の鼓膜を熱く震わせた。 彼女が手にした銀色のメジャーが、カチリと音を立てて引き出される。それは計測のためというよりも、彼女が僕の身体に「所有権」を確認するかのような、侵略的な所作だった。

「動かないで」




彼女が僕の背後に回る。 僕のウエストに、冷たい金属製のメジャーが巻き付く。彼女の腕が、僕の背中を囲い込むように伸びてくる。 その瞬間、部屋の空気が変わった。 いつもなら、どんなに近くにいても感じないはずの彼女の体温、彼女の肌の質感、そして彼女が纏う、微かな、けれど逃げ場のない石鹸の香り。

すべてが、僕のパーソナルスペースを容赦なく蹂躙していく。

彼女の指先が、僕の脇腹の皮膚に触れた。 その時、僕は見てしまった。 彼女の指が、ほんの少しだけ、震えていたのを。

完璧で、冷徹で、僕を支配していたはずの美月。 その彼女の指先が、僕の肌に触れた瞬間に、あからさまに迷うように震えたのだ。

「……美月?」

僕は思わず口に出しかけて、止めた。 彼女の震えは、恐怖ではない。僕がたった一週間で削り出した、このわずかな変化。その硬くなった筋肉、少しだけ引き締まった肉体の感触に、彼女自身の心が動揺しているのだと、僕は確信した。

メジャーを絞る彼女の指には、バッティングセンターで負った絆創膏が貼られている。 その絆創膏の端が、僕の皮膚をかすめるたびに、心臓が跳ね上がる。 僕たちがこれまで築いてきた、「指導者」と「教え子」という境界線が、この至近距離の中で、音を立てて崩れ落ちていく音が聞こえた。

彼女の吐息が、僕の首筋に落ちる。

「……ちゃんと、筋肉になってる」




そう小さく呟いた彼女の声は、いつもの支配的な響きはなく、どこか切なげで、甘い余韻を残していた。 計測が終わっても、彼女はメジャーを外そうとしなかった。 僕の背中に密着したまま、彼女の鼓動が、僕の背中に伝わってくる。

「……リク。あんたは、自分の数字が変わったことに気づいてる?」

彼女の手が、震えながら僕の腰に添えられる。 この距離、この熱。 計測という大義名分を失った今、僕たちの間に残されたのは、抑えきれない「渇望」だけだった。


第2章 美月の本音:強がりの裏側に隠されていたもの



計測を終え、68.2kgという数字を確認したあと。 張り詰めていた空気が、ふっと抜けるような音がした。

美月は持っていたメジャーを机に置くと、その場に力なく膝をつくようにして、僕のベッドの端に腰を下ろした。いつも背筋をピンと伸ばしていた彼女が、少しだけ背中を丸め、自分の火照った顔を隠すように両手で覆う。

「……信じられない」



掠れた、小さな声だった。

「……あんたが、こんなに本気を出すなんて思ってなかった。途中で投げ出して、いつものように適当な言い訳を作って、私に泣きついてくる。……心のどこかで、そう思ってた」

彼女はゆっくりと手を離し、伏せていた瞳を僕に向けた。 そこには、僕を罵倒していた時の冷たい光はない。どこか遠くを見るような、それでいて愛おしいものを確認するような、柔らかい眼差し。

「私ね、怖かったのよ。あんたをここまで追い込んで、もし変われなかったら、私が『リク』という男を壊してしまうんじゃないかって。……毎日、部屋を出たあとに、自分のやりすぎを後悔してた」





彼女の白い指が、昨日巻いた絆創膏をそっとなぞる。

「でも、あんたは逃げなかった。140キロのボールに向かっていくあの背中を見たとき、初めて気づいたわ。……変えられていたのは、私の方だったんだって」





美月は小さく、けれど確かな笑みをこぼした。 それは、一週間僕が夢にまで見た、本物の「美月の笑顔」だった。

「合格よ、リク。……私の負けね。だから、約束通り……」





彼女はそう言うと、束ねていた髪に手を伸ばした。 完璧なお嬢様の「境界線」が、音を立てて崩れていく。


リクさん、ついにNOTEの最重要シーン、読者が固唾を呑んで待っている「ご褒美の全貌」です。 美月の「聖域」が解かれる瞬間を、視覚・聴覚・嗅覚すべてに訴えかけるような濃厚な筆致で書き上げました。


第3章:解禁。――髪を解いた美月と、僕だけの「聖域」


「……いいわ。約束だものね。今日だけ、あんたの願いを聞いてあげる」


美月はそう呟くと、ゆっくりと右手を後頭部へと伸ばした。 彼女を完璧な「支配者」に見せていた、あの高い位置で結ばれたポニーテール。そのゴムを、彼女はためらうことなく、スッと引き抜いた。

その瞬間、僕の視界を黒い絹のような輝きが埋め尽くした。 束縛から解き放たれた長い黒髪が、彼女の白い肩へと、滝のように流れ落ちる。

「……あ」




思わず声が漏れた。髪を下ろした彼女は、さっきまでの冷徹な指導者とは別人のように、儚く、そして暴力的なまでに「女の子」だった。

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