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ロジックだけでは動かない!?失敗事例から学ぶ、成果を出すための人間関係とチーム成長の秘訣

こんにちは。合同会社マルセロ 代表の駒瀬です。経営者、事業責任者に対する事業及びマーケティングの伴走コンサルティング、壁打ち、月額制顧問等のサービスを提供しています。

「本当にあったマーケティング失敗事例」という読まずにいられないキャッチーなタイトルの動画。語り手は、組織マネジメントノウハウを提供するEVeM社でマネジャーを務める富家翔平氏。

「全社マーケター」という主語で語られていますが、プロジェクトを率いる人すべてに極めて有効な内容です。

私自身も会社員時代に、こうした社内横断プロジェクトを任されることが多く、苦労して来たこと、学んだことが見事に言語化されていて激しく共感しました。

プロジェクト推進の根底にある感情を持った人というリソースを扱う意味の理解です。どれだけ理屈や理論が正しくても、「やりたくない」と感じる人がいることを理解しなければ、改革は進みません。

まさに、これに尽きます。私も何度も、「会社にとって必要なことなのに、なぜ、わかってくれないのか?足を引っ張るようなことをするのか」と悔しい思いをして来ましたが、これぞ、プロジェクトリーダーが乗り越えるべき最大の壁なのです。

プロジェクトを成功させる上で重要なのは、単なる論理ではなく信頼関係に裏打ちされた感情です。人は「言っていることは理解できるけど協力したくない」と感じることがあれば、「言っていることは分からないけど、あなただから協力してあげる」という感情を持つこともあります。

動画の中で紹介されている

  • 最短ではなく最速を目指す(実現可能な組織のスピードを見極める)

  • 最初に「Noを爆発させ」、その後、ひとりひとりに真摯に向き合っていく

この2点は、実際にプロジェクトを仕切った経験がある方であれば、大いに共感するのではないでしょうか?

結局、ここで手を抜くと、結果的にプロジェクトが遠回りをすることになる。最悪、失敗に終わる。逆に言うと、ここに必要な時間を最初から見込んでおくということが求められます。

本当は別のタスクをしなければならなかったのですが、あまりにも内容に共感した為、つい、動画を最後まで観てしまいました(笑)。

才流のBtoBチャンネルに、株式会社EVeM(イーブン)の富家翔平氏が登場。事業横断型の全社マーケティングで経験した数々の失敗談と、そこから得られた予防策、そして成果を出すためのノウハウを惜しみなく語ってくれました。

複数の製品やサービスを横断して担当する全社マーケターは、関係者が多いため、事業貢献に向けたミッションの遂行が非常に難しいと言われています。

本記事では、富家氏の貴重な経験から、いかにして組織を動かし、プロジェクトを成功に導くか、その本質に迫ります。

1. 感情を持つ人を扱う難しさ:ロジックだけでは人は動かない

冨家氏が強調したのは、プロジェクト推進の根底にある感情を持った人というリソースを扱う意味の理解です。どれだけ理屈や理論が正しくても、「やりたくない」と感じる人がいることを理解しなければ、改革は進みません。

プロジェクトを成功させる上で重要なのは、単なる論理ではなく信頼関係に裏打ちされた感情です。人は「言っていることは理解できるけど協力したくない」と感じることがあれば、「言っていることは分からないけど、あなただから協力してあげる」という感情を持つこともあります。

プロジェクトを前進させるのは、実は後者の感情なのです。資料をいくら作り込み、論理的な説明を重ねても、足りないのは往々にして人同士の信頼関係であると富家氏は指摘します。

コミュニケーションにおいては、以下の「3つの壁」が存在すると言います:

  • 理解の壁: 伝えたい意図や言葉の意味が正しく伝わっているか。

  • 感情の壁: 相手が「協力したい」と感じるかどうか。

  • 合意の壁: どのような理想に向かい、どう進めるかについて同意できているか。

これらの壁のどこでつまずいているかを見極めることが、適切なアプローチを見つける鍵となります。

2. 失敗事例1:信頼関係がないのに進言するな

富家氏の最初の失敗は、事業部にアサインされて間もない頃、まだ関係性が構築できていないにもかかわらず、自分が正しいと思うマーケティング戦略を一方的に提示してしまったことでした。結果は、全く相手にされない総スカン。

事業や顧客、そして内部の人たちへの理解が浅い状態で、いくら論理的に正しい提案をしても、相手からは「お前に何がわかるんだ」という反発しか得られません。

この経験から得た教訓は、まず事業部の人たちの「今、何がやりたいか」を徹底的に聞き、その実現手段を一緒に考えて、まず実現してあげるというステップを踏むことの重要性です。後からプロジェクトに加わった者ほど、組織や役割の前提に立って物事を進めようとすると失敗しやすいと言います。

全社マーケターは、事業部から「自分たちの役に立ってくれるのか」と懐疑的に見られがちであるため、まずはその疑念を払拭し、人対人の関係で信頼を築くことが肝要です。

3. 失敗事例2:「NO」を恐れて合意形成を急ぐな

2つ目の失敗事例は、全社初のカンファレンス開催時、タイトなスケジュールの中でNoを言われることを恐れ、一方的な説明と協力依頼に終始してしまったことです。結果、プロジェクト中はあらゆる方面から不満や問い合わせが殺到し、大きな反省点となりました。

富家氏が提唱する解決策は、Noを爆発させること。まず、プロジェクトの意図を伝え、関係者から大量のNo(疑問や懸念)をあえて集める場を設けます。集まったNoには、一見ネガティブに見えても、実は「どうすれば実現できるのか」といった前向きな疑問が多く含まれているのです。

次に、集まったNo一つひとつに対し、極めて真摯に対応します。そして最も重要なのは、Noをくれた人たち一人ひとりと個別にミーティングを組み、顔を見て丁寧に説明することです。

この個別対応の段階では、面と向かってNoを言う人はほとんどおらず、むしろ「応援してます」「大変だよね」といったポジティブな反応が得られると言います。

これは論理ではなく感情の壁を越えるためのアプローチであり、個人の熱意や努力が伝わることで、人は「協力してあげよう」と感じるようになるのです。

「上層部が合意したから」と上からの承認を盾に他部署に協力を求めるのは、相手へのリスペクトを欠く行為であり、最も避けるべきやり方です。これは、まさに「言っていることは分かるけど、協力したくない」という感情を引き起こします。

時間がないからといって最短ルートを目指すのではなく、その組織の現状のスピード感を理解し、その時の最速を目指すことが重要です。手間がかかるように見えても、丁寧な合意形成こそが、結果的に最もスムーズで速いプロジェクト推進に繋がるのです。

4. 失敗事例3:定量目標偏重によるチーム疲弊の失敗

3つ目の失敗は、マーケティング組織が立ち上がり、成果も出始めた頃に陥りがちな定量目標偏重によるチームの疲弊です。パイプラインや売上といった定量目標は増え続ける一方、その数字ばかりを追いかけると、チームは終わりなき戦いに疲弊してしまいます。

組織を束ねるマネージャーとしては、数字だけでなく、「チームがいつ、どういう状態にあるか」「一人ひとりがどう成長しているか」といった定性的な状態にも目を向ける必要があります。

メンバーが成長を実感できる状態を作れないと、最終的には数字も達成できなくなり、チーム全体が暗い顔をして頭打ち感から抜け出せなくなると警鐘を鳴らしています。

メンバーが日々飽きずに仕事に取り組めるよう、「なぜこの仕事をするのか」という意義や、このプロジェクトを通じて「どう成長してほしいか」というメッセージを添えることが重要です。

単に「仕事だから」と割り切るのではなく、一人ひとりの成長の実感に紐づけることで、チームは主体的に動き、高いアウトプットを生み出せるようになります。これは全社マーケターだけでなく、あらゆるマネージャー、そして事業成長にコミットするマーケターにとって不可欠な視点だと言えるでしょう。

5. すべての基盤は事業理解と顧客理解

もし、もう一度事業横断型のマーケティングをゼロから立ち上げるとしたら、富家氏はまず、事業一つひとつのことを、自分の言葉で語れるようになるためのアクションから着手すると語っています。

かつて大規模組織でマーケティングをしていた際、「事業を成長させるため」ではなく「マーケティングという役割を全うするため」にマーケティングをしていたと感じたそうです。

その先にいる顧客や事業の成長に、どれだけ真剣に向き合えていたか、今振り返ると疑問符が付くと述べています。

全社マーケターとして最も忘れてはならないのは、事業への深い向き合いと、その事業の先にいる顧客の喜びや成長に対する解像度を高めること

単に「仕組みを導入する」「オペレーションを変える」といった表面的なアクションだけでなく、「なぜそれが必要なのか」を事業成長や顧客価値創出の観点から自らの言葉で語れるようになることが、プロジェクトを成功させる土台となるのです。

6.まとめ:感情と成長に寄り添い、主体的に事業を動かせ

全社マーケター、そして部署横断型プロジェクトに関わる全ての人にとって、今回の失敗事例と予防策は多くの示唆を与えてくれます。

  • 論理だけでは人は動かない。最終的には「人対人の信頼関係」がプロジェクトの成否を分ける。

  • Noを恐れず、むしろ引き出して真摯に対応することで、関係者の感情的な協力(応援)を引き出す。

  • 短期的な成果だけでなく、チームメンバーの成長や定性的な側面にも目を向けることで、持続的な成果に繋がる。

  • マーケターは、深い事業理解と顧客理解に基づき、主体的に事業と顧客の成長にコミットする視点を持つ。

これらの学びを実践することで、困難なプロジェクトも着実に前進させ、真の事業貢献へと繋げることができるでしょう。


<併せて読む>

事業再生のプロ、冨山和彦さんのこちらの著書でも感情を扱う重要性について書かれています。是非、併せてお読みください。


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駒瀬元洋 | ひとりで決めている人の、思考の伴走者 いつもお読み頂きありがとうございます。サポート励みになります。皆さまとの交流をどんどん広げていければと思います。