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国宝、犬山城に行ってきた

少し前に、娘の夏休みに愛知県へ旅行してきた。
行ったのは海水浴場で知られる知多半島、名古屋市内の東山動物園と熱田神宮、そして犬山市にある犬山城だ。

本当は金のシャチホコを拝みたくて名古屋城がよかったのだが、旦那の「城下町が残ってる犬山城もいいんじゃないのか」という意見にそれもそうだなと頷き、今回は犬山城を選択した。

愛知県へ上陸すること自体が久しぶりすぎてほぼほぼ記憶がない。唯一記憶しているのが、私が四歳の時分で、張り切って朝早く訪れたのに父が「犬山城、入りたかったのに開城は朝八時からだって。他の(観光地)も見たいからいいか」と行って入城を諦めたのだが、落胆する父を前に「犬山城なんてどうせ犬がいるだけだからワンワンうるさいし面白くないよ」と慰めたことくらいだ。


あれからン十年経ち、私と夫、娘は犬山城へと辿り着いた。

高い山の上に立ってて品格ありまくりです


そこはもう、到着した時点で色々が美しかった。お堀はないが、お堀よりも美しい木曽川が城のすぐそばを流れ、絵になる、絵になる、なりすぎる。こんなに美しい城があるのかと感動してしまった。

しかし時は八月下旬、気温は三十八度をマークし、暑いし暑いし、あるいは暑いし、もしくは暑いしで、入り口に辿り着く前の石段ですでに汗だくだった。
しかも入城口に笑った。こんな城は見たことがない。入ってすぐ、いきなり急な階段があるのだ。これを何かい、昔のお殿様や家来達は着物と足袋で駆け上がったり駆け下りたりしたのかい。

上るのももちろん、降りる人も大変そうだった


その階段を上ると資料やら模型、甲冑なんかが展示されていて、そこら辺は他の日本の城と大差はない。だが、ちょっと興味を引いたのは窓の形だ。低い位置に取り付けられた小さな窓で、ああここから石とか落としたり弓矢で敵を撃退したりしたんだろうなとか、そんな想像が楽しい。窓の周りの下り壁とかもオシャレで、装飾がなかなか凝っている城なんだなあと感心した。

階段を上った回数を数えると五回だった。ということはどうやらここは六階建ての城らしい。天守閣の最上階へ上がるには入場制限していて、人数が決められているようだった。ただでさえ一番面積が狭く古く、強度も心配になる。歩くとギシギシいうし、大挙したら床が抜けそうだ。

そして私たち家族は係員に誘導され、ついに天守閣の最上階へと上った。そこは絶景だった。こんなに美しい眺望があるのかと感動した。私は高所恐怖症ではなく、何なら高いところ大好き人間なので興奮もした。旦那も娘もワーワーキャーキャー楽しそうに笑い、写真を撮った。

何といっても木曽川。そう、木曽川。大事なことだから何回だって言う。孔雀緑色の木曽川が、何より美しかったんだ。


目下に見える城内の様子もなかなかよろしい。手入れされた緑、白壁に青みのある灰色の瓦屋根が夏の日差しを浴びて、輝いて見えた。

だけどねえ、現代に残されたのはこの天守閣だけみたい。クソッタレ明治政府がやった廃藩置県のせいで、他にあった物見櫓とか諸々、ぶっ壊されたらしいよ。そんなん、社会の教科書に載ってませんでしたよね。壊す理由ねーだろ、理由あるならそこも教科書に書いて、どんだけ酷いことやらかしたか、子ども達に教えろよと勝手に腹を立ててしまう。


本当はひと山丸ごと城だったんじゃんか!!でっかい城だったんだよ!!

このイラストは拾い画像ですm(_ _)m



そうそう。ここの城は織田信長の叔父が築城したとか。その後、本能寺の変やら何やらで持ち主がコロコロ代わり、最終的には尾張藩の家老、成瀬という苗字の一族が代々、城主を務めてきた模様。

初代から十二代目まで並ぶ


当然ながら全員の苗字が成瀬で、名前の頭が正寿とか正住とか、全員「正」がつく。きっとここんちに生まれた跡取りはみんなマサ君なんだな。肖像画が並んでおり、後半は写真だ。

十二代城主、正俊がウイスキーらしい酒をロックグラスで飲んじゃってるところがいいね

これ、最上階に飾ってあるんだよ。こんなの他の城じゃ見られないよね。肖像画くらいまでならあるけど平成の、スーツにネクタイ姿の当主までの写真が飾ってある城なんて初めて見た。城自体も格調高いし、この代々当主は城を心から愛し、大切に守ってきたんだろう。

平成の途中まで個人所有の城だったらしいけど、今は違う。高額な税金を納めるのが大変になったのか、法人が所有している。何だか切ない。今も誰かの所有物だったらいいのにと勝手に思った。今思えば、私が四歳で訪れた時、まだ十二代目は生きてて所有していたのかと思うと感慨深い。

娘はスタンプを押してきたよ


とても興味深く楽しい、素晴らしい城だった。犬山城Tシャツも買ったんだ。「INUYAMA!!」ってファンキーな感じのデザインのやつで、そんなのを着て出社する男を見かけたらそれ、うちの旦那です。