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放置していた「AivisSpeech」を再評価。VOICEPEAKとの比較と、ビジネスユースでの使い分け

こんにちは。
皆さんは動画制作やナレーション作成において、どの音声合成ソフトを使っていますか?

私は普段、その圧倒的な読み上げ品質の高さから「VOICEPEAK」をメインで愛用しています。

しかし、実はもう一つ、以前からPCの中に眠らせていたソフトがありました。それが無料で使える音声合成ソフト「AivisSpeech」です。

過去に一度インストールしたものの、2025年夏に界隈をざわつかせた「Anneli問題」の壁もあり、なんだかんだで手を出せずに放置状態になっていました。
詳しくはゆうぷろさんの下記動画を参照いただけると幸いです。

ところが最近、ふと思い立って久しぶりに公式サイトを覗いてみたらびっくり。Anneliの姿はなくなっていたものの、代わりとなる魅力的な音声モデルが大量にラインナップされていました。

「今のAivisSpeechなら、実務でもガッツリ使えるのでは…?」

そう思い立ち、実際に長文を読ませたり、ビジネス用途を想定した調整を行ったりして、普段使っているVOICEPEAKと徹底比較してみました。

この記事では、一度AivisSpeechをお蔵入りさせた私が、再び使ってみて感じた感想をお話ししていきます。


1. AivisSpeech、実は一度「お蔵入り」してました

無料で高機能な音声合成ができるソフトとして登場した「AivisSpeech」。
私自身も、その存在を知った時は「これは動画制作の強力な武器になるのでは!」と期待し、すぐに自分のPCへインストールしました。

しかし、結果としてその時は本格的に使うことなく、そっと「お蔵入り」にさせてしまいました。

その最大の理由が、当時界隈で話題になっていた「Anneli(アンネリ)問題」です。冒頭少し触れましたがが、当時のAivisSpeechはデフォルトのキャラクターであったAnneliに関する諸々の騒動があったために、なんとなくAivisSpeechを使わずに放置してました。

それからしばらく経ち、先日ふとしたきっかけで、「そういえばAivisSpeechって、今どうなっているんだろう?」と公式サイトを覗いてみました。

すると、驚いたことにAnneliの姿はなくなり、代わりの様々な音声モデルが、「AivisHub」というプラットフォームで配布されていたんです。

AivisHubにはたくさんの音声モデルが…!

サイトを見てみると、クリエイターの方々が作成した多種多様な音声モデルがズラリと並んでおり、好みの声をダウンロードしてすぐにAivisSpeech上で使える環境が整っていました。「え、今はこんなにたくさんの声から選べるの!?」と、良い意味で完全に裏切られました。

「今のAivisSpeechなら、もう一度しっかり触ってみる価値がある!」と感じ、再びソフトを起動。
現在メインで使っているVOICEPEAKと比較してみました。

2. 品質の「VOICEPEAK」、手軽な「AivisSpeech」

さっそくテキストを流し込んで色々と音声を生成してみました。普段使い込んでいる「VOICEPEAK」と比べてどうだったのか。

試しに、こちらの記事の冒頭の文章をそれぞれのソフトに読み込ませ、何も調整していない状態のものを載せておきます(文字の読み方だけ一部修正しています)

いかがでしょうか?
個人的な感想ですが、「徹底的に品質を作り込めるVOICEPEAK」と「手軽にサクッと形になるAivisSpeech」という印象で、VOICEPEAKの完成度が90点だとすれば、AivisSpeechは75点くらいといったところでしょうか。

「え、75点ってちょっと微妙じゃない?」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
無料でここまで自然に喋ってくれるのか!という驚きを含めれば、実用ラインを軽々と超えてくる75点です。ただ、やはりVOICEPEAKの出来が良すぎるんですよね。

では、この「15点の差」はどこから来るのか。
それは「細かな調整力」の違いです。

動画のナレーションを作っていると、「ここの単語のイントネーションだけ少し変えたい」「このフレーズとフレーズの間(ま)を、あとコンマ数秒だけ長くしたい」「語尾のトーンをもう少しだけ下げたい」といった、細かなこだわりが必ず出てきます。

VOICEPEAKは、こうした「かゆいところ」に完全に手が届きます。
先ほどのサンプルはデフォルト比較のために何も調整していませんが、単語ごとのアクセントや、話す長さのといった、細部を思い通りにコントロールできます。

VOICEPEAKには「アクセント」「イントネーション」「長さ」の調整項目があります

一方のAivisSpeechにはアクセント以外の調整項目がないため、VOICEPEAKのように細密な調声には向いていません。
「どうしてもこのイントネーションの違和感が拭えない…!」と、ある程度のところで妥協せざるを得ない場面が、どうしても出てきてしまいます。

AivisSpeechは、「アクセント」以外に調整項目がありません

「じゃあ、やっぱりVOICEPEAK一択なのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、実際に使ってみてわかったのは、AivisSpeechにはこの15点の差を補って余りある「圧倒的な手軽さ」という武器があるということでした。

3. AivisSpeechを動画制作に組み込みたくなる2つの理由

前章で「細かな調整はVOICEPEAKの独壇場」と書きましたが、裏を返せば、AivisSpeechには細かな調整に時間をかけなくても、サクッと使えるメリットがあります。

実際に作業を進める中で、「これは動画制作のワークフローに組み込めるぞ!」と実感した2つの理由を紹介します。

理由①:調整なしで「普通に聴ける」声を作ってくれる

音声合成ソフトを使う際、最も時間が溶けていくのは「調声(ちょうせい)」の作業です。イントネーションの違和感を直し、間を調整し…とやっていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

しかし、AivisSpeechはテキストを「ベタ打ち(ただ入力しただけ)」した状態でも、アクセント調整なしで十分に「普通に聴ける」レベルの音声を生成してくれます。

もちろん完璧ではありませんが、先ほどの「75点のクオリティ」が、テキストを流し込んだ瞬間にポンッと出力されるイメージです。YouTubeの解説動画や、テンポ良く情報を伝えるようなコンテンツであれば、この「ベタ打ち75点」のスピード感は圧倒的な武器になります。「とにかく早く音声を当てて動画の全体像を確認したい」といった用途にもぴったりです。

理由②:長文の読み上げなら圧倒的にラク。

個人的にAivisSpeech最大のメリットだと感じたのがこれです。長いセリフや長文の原稿を一気に読ませたい時の作業が、とにかくラクなんです。

VOICEPEAKで長文を処理しようとすると、どうしても細部が気になってしまい、「ここを直して、あそこも直して…」と沼にハマりがちです。また、文章が長くなればなるほど、全体を通してのトーンの維持や調整にかかる労力は跳ね上がります。

その点、AivisSpeechは良い意味で「ざっくりと全体を自然に読み上げてくれる」ことに長けています。数分にわたるような長いナレーション原稿をドサッと流し込んでも、全体として違和感の少ない通し音声を一発で返してくれるのは快感です。

「細部を作り込むならVOICEPEAK」「長文を一気に処理して形にするならAivisSpeech」。このように、私の中で明確な使い分けのビジョンが見えてきました。

4. AivisSpeechのデメリット(解決策はある)

長文に強くて手軽なAivisSpeechですが、実務レベル、特にビジネス系の動画制作などに組み込もうとすると、いくつか「惜しい!」と感じるポイントもありました。
ここでは、そのデメリットと私なりの解決策をご紹介します。

デメリット①:AivisHubには、ビジネス向けナレーションに使える堅い声が少ない

AivisHubには多種多様な音声モデルが配布されていて見ているだけでも楽しいのですが、全体的な傾向として、キャラクター性の強い声(アニメ風や可愛らしい声、元気な声)が主流です。

そのため、企業のサービス紹介動画や、真面目な解説動画、社内研修用の映像などにそのまま使えるような「落ち着いた・堅めのナレーション声」を探そうとすると、選択肢が少なくて少し苦労します。

【解決策】音声モデル「まい」の音高を下げてみた

「ビジネスライクな声が少ないなら、調整して作ってみよう」と思い立ち、まいという音声モデルを調整してみました。
デフォルトのままだと少し若さや可愛らしさが出る声なのですが、設定で「音高(ピッチ)」を少し下げてみたところ、声の重心が下がり、グッと落ち着いた知的なトーンに変化しました。この工夫ひとつで、ビジネス用途でも十分に通用する、説得力のあるナレーションを作ることができました。
(下に調整済の声を掲載しておきます)

デメリット②:全体的な動作が少し重い(※私のMac環境のせい?)

実際に作業をしていて少しネックに感じたのが「アプリ自体の動作の重さ」です。

テキストを入力したり、各種設定をいじったり、音声を生成したりする際のレスポンスが全体的にもっさりとしており、ワンテンポ遅れるような感覚がありました。

私の使用しているMac環境との相性の問題かもしれませんが、サクサクとテンポ良く作業を進めたい時には、この動作の重さが若干のストレスに感じました。

5. まとめ

一度は「お蔵入り」させてしまったAivisSpeechでしたが、久しぶりに引っ張り出してみた結果、想像以上に実用的なツールへと進化していることがわかりました。

AivisSpeechは無料でこれだけのポテンシャルを持っているので、まだ触ったことがない方や、私のように過去にそっと閉じてしまった方も、ぜひ今のバージョン(とAivisHubの充実ぶり)を体験してみてください。
きっと、あなたの動画制作の新しい武器になってくれるはずです!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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