帰れる家がある。私にとって、それが何よりの支えだ。出会いからもう二十年以上になる。あなたが、私に与えてくれたものは、私の人生において、とても大事な礎になっている。
ただ若く、失うものすら築けていなかった私の背中をただただ押してくれた。社会がどういうものかも知らない私に、「そのままでいい。やりたいようにやれ」と、多くを語らず信じてくれた。
人に信じられるということを生まれてはじめて知った。だからこそ、どれだけ人に裏切られても、大丈夫だったのだと思います。
色々な人に裏切られた。
大人は、平気で嘘をつくことを知った。
あれだけ約束したことが、次の日には「やっぱりダメになった」と覆る。
信じて動いた自分だけが、また頭を下げることになる。
約束とは、他人を守るためでなく、自分を守るために使う言葉なのだと知った。
表では笑い、肯定しながら、裏では真逆のことを言う。
それが「仕事だ」と言い切る大人たちに、何を信じればいいのか分からなくなっていた。
社会に出て、私が相手をするのは、酸いも甘いも噛み分けたと語る大人たちだった。だが、そこに救いはなかった。
自分もそうされてきたからと。
私は、人を信じた自分がアホだと思い込むようになっていく。それが社会の正しい生き方なのだと信じていくようになる。そうしないと、自分が持たない。
それでも、一枚も、二枚も、三枚も経験値が上の大人たちは、自分の仕事、利益のためには容赦しない。私は、失敗ばかりだった。
どうしようもなくて、自分がどうしたらいいのかも分からないと、心の底から聞いた。
「お前、俺がどれだけ裏切られたと思ってる?」
それでも、あなたは言った。
「そのままでいい」
分け隔てなく、誰にでも同じように接するあなたは、そう言った。
社会に合わせようとしている自分を止めてくれた。その言葉は、どんな言葉よりも心に入った。
あなたは、どれだけ裏切られようとも、裏切ることはしない。それをずっとそばで見てきた。
本当に、目指さなければならないのは、この人だ。この人に認められなければ、自分の人生で一番の嘘をつくことになってしまうと感じた。
信じられる人が一人いるのならば、社会や大人は、それに付随するオマケだと思えるようになった。
貰った恩は返さなければならない。それは、自分の生き方として、あなたの生き方を繋いでいくことだと思っています。
私は、あなたのそばを離れてから、はじめてあなたの息子と呼ばれるようになった。そばにいる時、あなたと仕事をしている時に、決して言われなかった言葉だ。
私の友人たちは、とっくに息子と呼ばれていた。
自分で、自分の人生を考えた時に、悩みに悩んだ。そばを離れたくないという気持ちが、ほとんどだった。
色々な世界を見せてくれて、色々な人がいることを見せてくれて、色々なことが毎日起こることを見せてくれた。
自分の人生で、こんなことが起こるなんてと、毎日思っていた。
あなたのことが、本当に大好きだった。
そばにいて、あなたのために何かしたいとずっと考えていた。
だけど、それは何も返していない。あなたに起こることに、携わっているだけだ。
私は、私の生き方をあなたに認めてもらえて恩を返したい。それが、一番の恩返しになると思った。だから、伝えた。
「これからは、お金をいただく関係ではなく、友だちでいたいです」
私は、あなたが嬉しそうな顔をしたことを忘れない。
あなたと、出会って10年の記念に、息子と呼ばれる友人たちと、地元に呼び、あなたのコンサートを主催した。
あなたの来日40周年記念に、自分たちからも祝いたいと、再びイベントを主催した。
私は、あなたに会うと、初心に戻る。
何も考えずに、アホみたいなことばかり言えて、アホみたいなことばかり出来て、見てくれ、見てくれと目一杯出来る。
そして、あなたも私に会うと、これからの話しかしない。いつも、未来を見ていて楽しんでいる姿を見せてくれる。
誰に会っても、
「こいつは、コニちゃんファミリーだよ。息子だよ」
と、言ってくれる。
アホな息子だけど、あなたの息子の一人になれたことが、誇りです。
コニシ木の子の名刺を渡した時、今までで一番悪い顔で笑ってくれたことも忘れない。
「お前から見た、小錦八十吉を自由に書け」
「はい。小錦の子として描きます」
と、答えた口約束は、一生かけて果たします。
私が帰れる家は、あなたの家です。
なんのはなしです家
いい本になりそうです。ありがとうございます。30日まで募集中。今60階くらいの文芸のタワーマンション出来上がっております。一緒に住む方まだ間に合います。この機会を楽しみましょう。フフフ。
KONISHIKIの話については、二十代の頃から、今に至るまでの自分の内面を全面に出してしまっているので、恥ずかしくて有料に閉まっています。この記事も編集され次第マガジンに収納いたします。ごっつぁんです。
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