#43「この週末、AIと役所の書類を片付けた」
この週末、車両保管場所の変更手続きをAIと一緒にやった。
いわゆる車庫証明だ。今回は個人名義と法人名義が絡む移管等が伴い、書類の種類も手順も通常より複雑だった。警察署のHPには書類と手順は書いてあるものの、素人にはハードルが高い。毎日この作業をしているディーラーや行政書士さんには当たり前のことでも、素人がいかに多くの公的作業を専門家に預けてきたか、改めて実感した。
やってみると、できた。
書式の読み方、記入例、必要書類の確認、所轄警察署への提出手順——AIと相談しながら一つずつ進めた。法令の該当箇所を示してもらい、図面の書き方も教わった。苦労はしたが、なんとか仕上がった。ついでにグーグルマップの未使用機能も身についた。その時ふと思った。これまで専門家に頼んできたのは何だったのか。法令を読み、書式を理解し、代行する——そういう専門知識に基づいた仕事が、AIによって代替されていく。
頭ではわかっていたことを、自分の手を動かしながら改めて実感した。#40〜#42と、「考える主体」について書いてきた。読む主体が変わる、記憶の主体が変わる、私の中の複数の私——そういう内側の話だった。今回は外側の話だ。
AIが「する主体」になっていく。
書類を読み、法令を照合し、手順を組み立てる。かつて専門家だけが持っていた能力が、誰の手の中にも入ってきた。では、人間の「しごと力」とは何か。毎月書いているメルマガ(https://www.kk2.ne.jp)でも触れてきたテーマだ。しごと力とは、知識や技術だけではない。判断し、問いを立て、責任を引き受ける力——AIが代行できない部分が、そこにある。
車庫証明を仕上げながら、そんなことを考えていた。
役所への提出は、明日だ。
