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平取町トマト農家かおりさんインタビュー

北海道の豊かな自然に囲まれた平取町。
この地でトマト農家を営むかおりさんが、「ニシパの恋人」というブランドトマトの栽培に懸ける思いや、フードロス問題への課題や今後の展望について語ってくれました。


平取町トマト農家のかおりさん


まる「まずはかおりさんの自己紹介をお願いします」

かおり「北海道平取町でトマト農家をしています。元々は保育士としてキャリアをスタートしましたが、26歳でトマト農家に嫁ぎ、実際にトマト栽培を始めたのは30代前半。 現在は夫や義両親と共にニシパの恋人というブランドトマトを作っています。トマト農家として働き始めて13年目に入りました」

まる「保育士という仕事から、トマト農家をやるにあたって、なんか不安なこととかなかったですか?」

かおり「そうですね。結婚する前に農業体験もしていて、1日中植物と向き合う作業が新鮮で楽しくて。子どもが生まれても家族が一緒に働いてて、その姿を見せてあげられる農業って魅力的だと思ったんです。結婚してからは家族の勧めでJAフレッシュミズっていうトマト農家の妻の会に入り、割とすんなり自分の居場所も出来て、おかげさまで一人っていう孤立感はなかったです。」

まる「そうでしたか。お嫁に来て農家になりましたという人がほとんどって感じですか?」

かおり「はい。当時は私と同じ既存農家さんにお嫁に来た人が殆どでした。仕事や子育て、地域の事、沢山お喋りしたら悩んでてもみんな同じなんだなってとても救われましたね笑。
今は夫婦で新規就農で町に来た奥さんが増えて、情報共有や息抜きの場になってます。最近では各地のトマトジュースの試飲会を農協と開催したり、精力的に活動していて楽しいですよ。」

まる「私もマザーベースの活動で、十日町でお米農家さんお手伝いさせて貰ったりもするんですけど、草刈りも収穫もとにかく凄く大変で、腰にも来るし体力的にもきつくて一日行くと一週間疲れがとれないなんてこともあったりして、本当に毎日されてるんだということにリスペクトしかないんですが、トマト農家で一番大変な事はなんですか?」

北海道なので雪もすごい。

かおり「トマト農家に限らずですが、夏は休みが全くなくて大変です。特に収穫は毎日欠かせません。脇芽を取ったり、紐で誘引したりと管理作業もたくさんあって、最近は品種を変えたり作業内容を変えたりして更に余裕がなくなってしまい、ひぃぃいって言いながらやってます。」

まる「今、品種を変えたっておっしゃったんですけど。トマトの品種を変えていいんですか?例えば、えっとニシパの恋人を作ってると思うんですけど。ちょっと勉強不足で申し訳ないんですけど教えて下さい。」

かおり「品種はですね、びらとりトマトは味のバランスが良く棚もちが良い桃太郎という品種に決めています。その桃太郎という中に更に桃太郎ネクストとか桃太郎ブライトとか品種が数種あります。その品種改良で、この病気に強いのがこれです。みたいな感じで出てくるわけです。で、大きく言うと、びらとりトマト「ニシパの恋人」というブランドトマトは桃太郎という品種。みたいな位置づけです。」

まる「なるほど、ちなみに苗から作るんですか?種から作るんですか?」

かおり「ほとんどの農家さんがプラグ苗という5センチ程の大きさの苗からです。中には種から作る農家さんもいらっしゃいます。」


ニシパの恋人とは?



まる「皆さんニシパの恋人を作っているんですかね」

かおり「びらとりトマトを作っている人は皆さん平取町のトマト部会に入っているので、そうなります」

まる「ニシパの恋人は基準が厳しいと聞きました」

かおり「はい、そうですね。ブランドの信頼を守る為に多くの基準を定めています。」

まる「私もメディアの仕事をしているので、色んなブランドや、メーカーさんにも関わるのですが、ブランドを確率させるためには、何がNOかの基準がブランド価値を作りますもんね。ニシパの恋人もそれだけ拘りのあるブランドトマトということですね」

かおり「はい、大変好評を頂いています。おもに関西と関東に出荷しています」

まる「北海道じゃない!」

かおり「そうなんです、是非沢山の方に食べて頂きたいです」

まる「ニシパの恋人のジュースを頂きましたが、すごく甘いですね」

かおり「はい、基準を満たさなかったものを加工品にして販売しています」

まる「トマトジュースはあんまり得意ではなかったのですが、青臭さもなくてフレッシュトマトを食べているみたいに本当にスッキリと飲めました。塩入りも本当に少量でまろやかですよね。美味しかったです」

かおり「すごく嬉しいです!」

まる「ニシパの恋人はどんな特徴があるんですか?」

かおり「トマトはもともと暑さと湿度に弱いので、北海道の安定した夏の涼しさと湿度の低さはトマトに適しています。平取町はなかでも一級河川沙流川沿いに土地が拡がり、更に冷涼で品質の良い美味しいトマトに育ちます。我が家のトマトは冠水も沙流川の水を使ってトマトを栽培してます。先ほどお話しした桃太郎という品種で甘みと酸味のバランスが良く、実がしっかりとした固さのトマトになってます。」

まる「トマト農家をやってて一番楽しいこととか喜びとかやりがいは何ですか?」

かおり「手をかければかける分だけ結果として返ってくる。間違いなく出荷量にも影響してきます」

まる「そんなに顕著にでるんですね。手をかけるっていうのは具体的にどんな事をするんですか?」

かおり「摘果と摘花って言葉があるんですが、摘果は、トマトってだいたい六個七個とかもうちょっと実がついたりするんですけど、夏熱くなりすぎると、そっちばっかりに養分がいってしまい木が育たなかったりとかが発生するんで、身を取ることでその負担を減らし次の実につなげていくとかっていうのがあるんですけど。まあ、ものすごい数なんですごく時間がかかるんですよね。摘花はもっと早い花の段階で数を減らして植物全体の栄養の無駄を防いで、果実の質を高める準備をする、という作業もあります」

まる「私たちが目に見えていない作業が沢山あるんですね。娘さんたちもお手伝いしているんだとか!」

かおりさんの(右)次女(左)長女

かおり「娘たちも、定植などの忙しい日には農作業を手伝ってくれます。結婚前に思い描いていた生活を送れて、農家になって良かったと思っています是非、うちの農家に体験しにいらしてください。夫はとても勉強熱心で毎年新たな栽培方法を取り入れて、来年はこれを試してみようっていうのを本当に終わりがなくやってて。それが結果として見えてきた時がやりがいを感じますね」

まる「ありがとうございます。マザーベースの活動をしてふと感じる事なんですけど、農家さんのお仕事って直接お客さんの顔が見えないじゃないですか。でもかおりさんが作ったニシパの恋人はどこかの誰かの食卓に乗って、食べた人が美味しいって笑顔になってる。」

かおり「そうなんですよ。もちろん親戚とか自分で食べたりはしますが、今年Xを始めてそこで知り合った方が実際に平取町の我が圃場までいらしてくれて。目の前で育てたトマトを食べてもらって感想をもらったのが初めてで。感動というか緊張というか、、なんかドキドキしました笑」

まる「めちゃくちゃ嬉しいですね」

かおり「はい。家族で来られた方、夫婦で来た方、お一人で来た方もいます」

まる「トマトがメディアになって人が繋がったんですね。𝕏もやっぱり可能性が凄い!実際にハウスに来て貰った感じはどうでしたか?」

かおり「まずはハウス内の香りに感動してくれたのも印象的でした。画面からは伝わらないですしね笑。目の前でワイワイと楽しみながらトマトの収穫体験をしてもらって、その場で採れたてのトマトを食べてもらって。こんなに違うんだ!って。」

遊びに来た家族

まる「採れたてなんかすごいですよね。本当にスーパーのトマトと全然違うでしょうね。」

かおり「まず食感が違うんです。新鮮なトマトは張りがあって皮がパリッてなるんですよね。」

まる「おぉ~食べてみたい!」

フードロスへの取り組み

まる「ニシパの恋人に誇りを持って、高い基準でブランドトマトを出荷しているかと思うのですが、その反面で破棄してしまうトマトに関してもかおりさんはなんとかしたいと思っているんですよね」

かおり「はい。農協でも勿論フードロスには取り組んでいます。それが加工品のニシパの恋人です。私たちのような中規模農家でも、農繁期には週に100㎏の破棄トマトが出ます」

まる「100㎏も出るんですか?」

かおり「はい、その中からジュースなどの加工品になるトマトと基準以下の廃棄トマトに分かれます。個別に販売することは出来ないので、欲しい方に廃棄トマトをお譲りする企画を𝕏で始めたんです。そしたら、意外と反響があって、今回のまるカリさんのようにイベントで使用したいとおっしゃっていただいたり。これがきっかけでフードロスを減らして平取町を知って貰うきっかけになれれば良いなって思ってるんです」

まる「素晴らしい取り組みですね。かおりさんから送って貰ったトマトを嬉しそうに𝕏にアップしてる投稿を見かけて、この取り組みを知るきっかけになりました。」

かおり「本当に天塩にかけたトマトなので、喜んで食べてもらえるだけで嬉しいんです。」

まる「その他の廃棄トマトを加工して売ったりする取り組みはしてないのでしょうか?」

かおり「廃棄トマトの中には熟す前の青いトマトもあります。以前青トマトジャムを販売していて地域の新聞に取り上げられたりもしたんですが、高齢化で締めることになってしまいました。私も今回の取り組みをきっかけにまた個人で青トマトジャムを作って販売してみようかなと考えてます。農協と町と協力して、トマトの町、平取のお土産品として観光にいらした方に喜んでもらいたいです。」

まる「トマト農家の未来や、地域貢献、小さく見えて大きな一歩を踏み出そうとしているかおりさんを今後も陰ながら応援させて頂ければと思います」

かおり「まるカリさんありがとうございます。、農協との調整や農家同士の横の繋がりを大切にして課題に取り組みながらも、びらとりトマトを美味しく食べてくれる人たちの為に日々頑張りたいと思います。」

まる「ありがとうございました!!!」

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