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2025年 リピートした曲たち


01. スペシャル/スカート

今日もまたバスに乗れてしまったんだ スペシャルな予感は思い違いだった

スペシャル/スカート

"なんて仕打ちだ"って出来事に打ちひしがれていたころ、出会った曲。
軽快なリズムであるが、歌詞がさみしい。そのさみしさは、しかしその渦中にあるときのお先真っ暗感ではなく、少しずつ忘れていってかさぶたになったような、そんな感じだ。
人生をドラマになぞらえるなら、それにはさまざまな悲劇がある。しかし、それらはいずれトゲが取れて丸くなる。その出来事を当事者として、語り部として扱えるときがくる。その過程におけるつらい時期に寄り添ってくれるような、そんな曲だ。

02. 君にノーベル賞/Mega Shinnosuke

歪んだその母性で僕の人生に幸福を

君にノーベル賞/Mega Shinnosuke

投げやりな賛歌。ラブソングになるだろうか。とても卑屈で、まるで成就する関係だとは思えないが、そのやぶれかぶれ感はいっそ心地よい。
令和のセカイ系アニメの主題歌みたいなイメージである。

03. The Great Time Killer/ラブリーサマーちゃん

Life is a great time killer.

The Great Time Killer/ラブリーサマーちゃん

最高のピチピチロックギャルによるひさしぶりの新譜。
アルバムそのものがそもそもよいのだが、なかでもこいつはとにかくイカすアッパーチューン。ペーパードライバーの私もドライブしたい気分になってくる。
今年ははじめてライブもみたが、まあ音がでかい。鼓膜が破れそうになる。でかい音というのは、なんてよいものなのだろう。
意味のないものはよいし、それに意味を与えなくては辛抱ならない我々の性も、その無意味さが極まって愛おしい。人生とは、だから最高の時間つぶしだ。

04. 飛べない天使の羽を切った/SleepInside

あの子にもらったノイズでラリっていたいよ

飛べない天使の羽を切った/SleepInside

イントロのギターリフからたまらない。気怠そうなボーカルがクールだ。
この曲を聴くと、なぜか鬱屈とした高校生のころを思い出す。artschoolやsyrup16gやpegmapに似たなにかを感じるからだろうか。

05. Morning Boy/SAGOSAID

ただそう 幸せを映したみたい 正しくていつか溶けて消えてしまう

Morning Boy/SAGOSAID

こういうのでいいんだよってロックチューン。たぶん今年いちばん聴いた。
"カーテンを買いなよって笑っていた"って歌い出しがクールすぎる。曲も歌詞もぜんぶドストライクである。

06. 涙とリビドー/自爆

初めて俺にロックを教えてくれたアイツは 地元の役所で受付やってる

涙とリビドー/自爆

こいつがロックンロールだよな。これこそがロックだと思う。なさけなくてええねん。まっすぐであればええねん。まっすぐであれば。

07. Killer Song/Ring Ring Lonely Rollss

何十年間も共に過ごし 夕暮れにはブルースが星を呼んだ

Killer Song/Ring Ring Lonely Rollss

壮大な展開の曲はあんまり好みじゃない。でも、このバンドの曲はけっこうどれも壮大だ。でも、好きだ。なぜだろう。言葉に説得力を感じるから?
好きに理由はいらない。だから野暮なことはしない。かっこいいんだ。

08. 風邪/sidenerds

夏に触れたら 土の匂いもわかるね

風邪/sidenerds

曲も然ることながら、このイントロのアレンジよ。えぐすぎて棒立ちになってしまう。
初期衝動の迸りが老いた私のなかのバンドキッズを刺激します。それはすごく効きます。

09. 天使ちゃんだよ/Trooper Salute

拙い言葉ひとつ取り出して 郵便受けにねじ込んでしまった

天使ちゃんだよ/Trooper Salute

この外連味はすばらしい。キーボードがその役割を担っておるのだろうか。なんにせよぜんぶうますぎる。
ちょっと歌謡曲的なニュアンスもあるからか、新しいのになつかしい気持ちにもなる不思議な曲。

10. サンフェーデッド/篠澤広

安心して, 僕は帰らない, ほらね

サンフェーデッド/篠澤広

ギターもドラムもなにもかも歪みまくってるのに、ボーカルが透き通ってて、相乗効果で殺傷能力が高過ぎる。完全にオーバーキル。
えぐい。ほんまに。なんなんあのギターソロ。あんなんあかんよ。大好き。

11. SALT AND PEPPER/chelmico

定番でもならないありきたり 続けてればいつかはclassic

SALT AND PEPPER/chelmico

往年のクラシック的スクラッチがたまらん。"あったかいごはんがたべたいな"って歌詞、この衒ってなさがめっちゃええ。

12. Kinesin/百円音盤

猫道を跳ねるスケーターの二の腕のお絵描き
バラの花二つ目で追って夕暮れを漕いでく

Kinesin/百円音盤

cymbalsやostooandelを思い出すポップス。なつかしさと普遍的な要素がしっかりある。コンセプトが”中古100円で買える懐かしい名盤のような、古き良き楽曲群”だそうだが、まさにそんな曲。"この曲、私だけがいいって思ってるんやろうなあ"って、聞いたみんながそう思うようなバンドである。

13. アメイジング・グレイスだった気がする/岡林風穂

私の生活の範囲にはない柄のレジ袋紙袋ポイントカード

アメイジング・グレイスだった気がする/岡林風穂

この人の日常に対する視座、これは唯一無二だ。耳なじみのある心地よい歌声から、たまにハッとさせられる詩が飛んでくる。"失ったから輝いたものが今日も誰かを温めるだろう"なんて、こんなものフォークとせずになんとするのか。かっこいい。

14. 無名/井上園子

始まりと終わり分かってはいても真ん中が分からない
また恥をかくのかな

無名/井上園子

この人は音楽史に必ず名を残す傑物だと思う。路上ライブで聞こえてきたら、絶対に足を止めてしまうだろう。この人の歌声には抗えない求心力があるよ。

15. remember/パターソン

what do you mean?
君が泣くときは小さな賢い怪獣さ

remember/パターソン

youtubeでたまたま見つけた曲。
なにかに似てるようだけど、それはこのバンドのエッセンスだったっけってぐらいこのバンド独自のサウンドになってる。ちょっと初恋の嵐のuntittledとか思い出す。
このバンドは来年死ぬほど売れてると思う。とにかく一回聴いてほしい。

16. 後味悪いや|sour/Laura day romance

どんな綺麗に騙してみても 世界はこの鼓動と釣り合っている
似合う自分も似合わない自分もいるのが後味悪いや

後味悪いや|sour/Laura day romance

今年最後にリリースされた今年イチくらった曲。
このバンドは常に最高傑作を更新している気がする。
内省の果てにやっと出てくる言葉だけで編まれたような詩。このバンドでしか成立しないような余白のあるイントロ。サビのメロディがあまりにも綺麗で、ものすごく楽器が鳴っているのに静かだと感じる。それはたぶん、この曲が混然一体となったそれでひとつみたいに完成しているからだろう。意味がまっすぐ入ってくる。
壮大や抒情などといった言葉がなにをも代弁できないように、なにか解説しようなんてことが白けてしまうほどの傑作だと思う。

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