【大人の勉強法TOP7】第7回:【身体】「耳」と「足」をハックする。運動併用&マルチタスク音声学習法
まえがき
全7回にわたってお届けしてきた「大人の勉強法TOP7」も、今回が最終回となります。
これまで、勉強を習慣化するためのマインドセットから始まり、過去問を使った戦略、デジタルとアナログのノート術、そしてポモドーロを活用した時間管理術などをお伝えしてきました。
最後の総仕上げとしてご紹介するのは、日常生活のあらゆる動作を勉強の時間に変えてしまう究極のハック、「身体」を使った学習法です。
忙しい大人が学習時間を捻出するためには、机に向かっている時間以外をどう使うかが勝負の分かれ目となります。
動画は「見ずに聴く」マルチタスク音声学習
通勤時の車内や、リフレッシュを兼ねた公園の散歩中。
こうした「手と目は塞がっているが、耳は空いている時間」は、絶好の学習時間になります。
有名な資格試験であれば、現在では動画共有サイトなどに質の高い無料の解説動画がたいていアップロードされています。
これを利用しない手はありません。
ただし、ここで一つ重要な投資があります。
それは、動画で学習している期間だけでも、広告を非表示にするプレミアムプランに登録することです。
せっかく集中して音声を聴いている時に流れてくるCMは、貴重な学習リズムを粉々に破壊してしまいます。
この千円程度の出費をケチってはいけません。
そして、この音声学習における最大のルールは、運転中は当然のことながら、散歩中であっても絶対に「画面を見ない(音声だけを聴く)」ことです。
音声を聴いていると、板書や図解を言葉で説明している場面などに出くわし、「ここはどうしても画面で確認したい」という強い欲求に駆られることがあります。
しかし、そこであえて立ち止まってスマートフォンを取り出すことはしません。
この「気になった部分を後で必ず画面で確認しよう」というモヤモヤした欲求こそが、帰宅後や休憩時間に机に向かって復習するための強力なモチベーションへと変わるからです。
ノイズキャンセリングイヤホンという「儀式」
この音声学習を快適に行うため、そして第1回でお話ししたサードプレイス(カフェや図書館など)での集中環境を作るために、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンは個人的に必須のアイテムです。
私の場合、自宅で純粋に音楽を楽しむ時は、大きくて重い密閉型のヘッドホンを使用しています。
一方で、外出先での勉強やサードプレイスで作業をする時には、小さくて軽いワイヤレスのノイズキャンセリングイヤホンを使います。
この物理的なデバイスの使い分けが、脳に対する強力なスイッチとして機能しています。
大きなヘッドホンは「リラックスと娯楽の時間」、小さなノイキャンイヤホンを耳に押し込んだ瞬間に周囲の雑音がスッと消える感覚は「さあ、ここから勉強を開始するぞ」という儀式になっているのです。
思考が行き詰まったら「足」を動かす
インプットだけでなく、思考を整理する際にも身体の動きは重要です。
勉強をしていて、なんだか頭が混乱してきたなと感じたら、ポモドーロ・テクニックの休憩時間でなくても、ちょっとだけ席を立って部屋の中をうろうろと歩き回るのが非常に効果的。
足を動かすことで血流が良くなり、座ったままでは思いつかなかったような知識の繋がり(第5回でお話しした接続)がふっと閃くことがあります。
その意味でも、サードプレイスとして図書館を利用するのは素晴らしい選択です。
私は図書館で勉強していて行き詰まると、席を立って書架の間をうろうろと散歩します。
その際、自分が今勉強している分野とは全く関係のない、普段なら絶対に読まないような本が並んでいるエリアに行くのがおすすめです。
例えば、分厚い哲学書や宗教書の全集・大系的なものが並ぶ棚、あるいは寺社仏閣の歴史や昔の役所の記録全集のようなものがズラリと並んでいる棚です。
そうした重厚な背表紙のタイトルをぼんやりと眺めながらゆっくり歩いていると、自分の焦りや行き詰まりがちっぽけなものに思えてきて、すごく心が落ち着くのです。
(人気がないジャンルの書架はほとんど人がいないというのも利点です)
筋トレと夜の時間は、あえて勉強から切り離す
身体を動かす学習法についてお話ししましたが、一つだけ注意点があります。
それは、本格的な筋トレをする時だけは、あえて勉強とは完全に切り離して集中するということです。
重いダンベルを上げたり、負荷の高いトレーニングをしたりする最中にイヤホンで講義音声を聴いていると、どうしても意識が分散してしまいます。
これはフォームの崩れによる怪我のリスクを高めるだけでなく、筋肉への効果を最大化する妨げにもなります。
運動は運動、勉強は勉強としてメリハリをつけることも、大人の自己管理の大切な一部です。
そして、このように日中のスキマ時間や耳の空き時間を極限まで活用している代わりに、私の場合、夜はほとんど勉強をしません。
世間ではよく「寝る直前に暗記したいものを頭に詰め込むと、睡眠中に記憶が整理されて定着しやすい」という勉強ハックが語られます。
私もかつて試してみたことがありますが、どうしても私には合いませんでした。
夜は1日の疲れで脳のパフォーマンスが落ちており、そこで無理に詰め込もうとしてもストレスが溜まるばかりだったからです。
夜はしっかりと休息をとり、好きなことをしてリフレッシュする。
試験の前夜であっても、あの「A4コピー紙のカンペ」をパラパラと眺めて安心感を得る程度にとどめます。
日中にやるべきことはやっているという自信があるからこそ、夜は思い切って休むことができるのです。
おわりに
全7回にわたり「大人の勉強法」をお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
まとまった時間がとれない、記憶力が落ちてきた気がする、すぐに集中が途切れる。
そんな大人ならではの悩みを、気合や根性ではなく、システムや環境、そしてちょっとしたハックで乗り越えていく。
それが、忙しい私たちが学び続けるための現実的な戦い方です。

この連載の中で、皆様の学習を少しでも前に進めるヒントが1つでも見つかったなら、これに勝る喜びはありません。
今日、たった1ページでもテキストを開くことができたら、それは間違いなく大きな勝利です。
ぜひ、ご自身のライフスタイルに合った勉強法を見つけて、新しい知識の世界を楽しんでください。
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