from 図書館返却本棚 その37 「知的生産術」 出口治明 前編
毎度おなじみ、図書館の返却本コーナーから目についた本、それもなるべく普段読まない系の本を手にとって、図書館の勉強コーナーで読みながら同時に感想を書くという無茶なシリーズその第37段でございます(^^)
はじめに
私たちは今、「自分の頭で考える」ことの重要性がかつてなく高まっている時代に生きています。
技術の進化はめざましく、既存の知識やスキルがすぐに陳腐化していく中で、「考える力」こそが未来を切り開く唯一の武器である――そう、誰もが心の中では理解しています。
しかし、同時に感じているのではないでしょうか。
その「考える」ための時間、体力、精神的な余裕が、日々の忙しさの中で削り取られていく現実を。
もう考えることは全部AIに任せてしまおうか……。
私もそんなやさぐれた気持ちになりかけた時に、図書館の返却本コーナーでこの本に出合いました。
「知的生産」
この言葉の響きに、私はずっと──それこそ20年以上──あこがれを抱いてきました。
これはもう読むしかない!
著者の出口治昭さんの本は以前にも読んだことがあります(タイトルは失念しましたが)。
そのロジカルでシンプル、そして説得力のある「正論」の数々には、感銘を受けました。
しかし、一方で、その「正論」に対して、私自身のリアルな生活や性格と照らし合わせたとき、正直な「違和感や葛藤」も同時に湧き上がってきたことも思い出したのです。
そこでこのnote記事では、単に書籍のハイライトを紹介するのではなく、その「正論」に対する私の率直な私見や疑問を核に据え、私たち現代人が「知的生産」を実践する上でのリアルな課題と、そこから見つけ出した私自身の「アクションプラン」を言語化したいと思います。
PART 1:知的生産の「核」とその挑戦
出口氏は、知的生産と成長をこう定義しています。
知的=自分の頭で考えること
成長=生産性を上げること
つまり、「自分の頭で考えて成長すること」が知的生産の本質だと述べています。
そして、「貧しくなるのが嫌なら知的生産性を上げるしか無い」とも言い切っているのです。
この定義と主張のロジックは理解できます。
しかし、私はここに最初の疑問を覚えました。
「生産性を上げることだけ」が成長なのか?
もちろん、効率よくアウトプットを生み出すことは重要です。
しかし、知的活動における成長は、数字や効率だけでは測れない多角的な側面を持つのではないでしょうか。
生産性が上がらなくても、一つのテーマを深く掘り下げ、知的な充足感を得ることも「成長」の重要な一部ではないかと思うのです。
この葛藤の根底には、「貧富で語る」ことへの抵抗があります。
富を得ることを目指すことは、この現代社会で生きるためには避けて通れない問題であることは百も承知です。
経営者目線からしたら、自分や従業員の生産性は自らの利益に直結するので、生産性を無視することはほぼ無理でしょう。
しかし、生き方や自己実現の価値を、どうしても経済的な豊かさだけで語りたくない、という私の個人的な感情が顔を出すのです。
そう、論理ではなく、感情論です。
この感情を抱えながらも、私は、自分の頭で考え、成長し続ける以外に道はないことも知っています。
だからこそ、この本を深く掘り下げて読む必要がありました。
「飯・風・呂寝る」 vs 「人・本・旅」 — 現代の「基本」はどこにあるのか
知的生産を続けるためのエネルギー源として、出口氏は生活の基本を「飯・風呂・寝る」から「人・本・旅」へシフトすることを推奨しています。
これは、工場的な長時間労働から短時間の知的生産へ移行するための方法論です。
また「人・本・旅」は、頭が良くなる3つの学び方であるとされています。
この論には賛同します。
しかし、現代は、ブラック労働やストレス過多により、「飯・風呂・寝る」すら満足に満たせない人が増えているのではないでしょうか。
疲れ果てた頭と体では、いくら「人・本・旅」を推奨されても、実行に移すことはできません。
この現実を直視するならば、むしろ最初にやるべきことは、「飯・風呂・寝る」を充足させ、心身の土台を立て直すことではないでしょうか。
なぜなら、後述する出口氏自身の言葉にもあるように、「運は健康でないと掴めない」からです。
健康という土台があってこそ、「人・本・旅」という高度な知的活動が成立すると考えます。
人と旅が苦手な人の「知的生産」戦略
「人・本・旅」という学び方そのものには異論はありませんが、正直に言えば、私自身は「人」と「旅」が苦手です。
どちらかといえば、私は人に会って刺激を得るよりも、本に向き合って集中したい。
そして旅先での偶発的な出会いよりも、自宅で静かに思索に耽りたい。
となると、私はどうすればいいのか。
まずは、「本」という得意分野を徹底的に深掘りすること。
そして、苦手だからと避けるのではなく、「人」や「旅」の要素を、オンラインでの対話や、仮想的な空間での情報収集など、自分の得意なフィールドで代替できないか、現代的な方法論を探求すること。
このような2つのアクションプランが考えられます。
知的生産の道は一つではないはずです。
苦手なものを無理に克服するよりも、自分の特性を活かした戦略を練ることが重要だと考えます。

ということで以下次号!
《自己紹介&サイトマップ》
