【大人の勉強法TOP7】第5回:【接続】知識を腐らせない。デジタルとアナログを使い分けるノート術
まえがき
前回は、必死に思い出す作業である「アクティブリコール」と、アウトプットを前提とした学習の重要性についてお話ししました。
脳に負荷をかけて情報を引っ張り出すことで、記憶の定着率は飛躍的に高まります。
しかし、断片的な知識をただ詰め込むだけでは、実戦で使える武器にはなりません。
知識は、既存の知識や他の情報と「接続」され、体系化されて初めて、腐ることのない生きた知恵となります。
今回は、私が実践しているデジタルとアナログを組み合わせた「知識の管理・体系化」の技術について解説します。
デジタルでの接続:ObsidianとSpreadsheetの活用
デジタルの最大の利点は、検索性と一覧性、そして情報の「リンク」が容易な点にあります。
私は現在、主に2つのツールを使い分けています。
Obsidian
1つ目は、Obsidianというノートアプリです。
これは「ネットワーク型」のノート術を実現するツールで、個々のメモをリンクで繋ぐことができます。
正直に申し上げますと、このリンク化という作業は、後でどう活用するかを含めて個人的にはまだ非常に難しいと感じています。
リンクを貼ること自体に夢中になり、肝心の学習が疎かになっては本末転倒です。
そのため、Obsidianでの管理は、時間に余裕があるときに「未来の自分のための練習」というくらいの気楽な気分で行っています。
無理に全ての情報を繋ごうとせず、ふとした瞬間に「あ、これとこれは関係があるな」と感じたものだけを繋いでいく。
そうして少しずつ自分だけの知識の森が育っていく過程を楽しむことが、継続のコツです。
Obsidianに関してはぜひこちらもご覧ください。
Google Spreadsheet
2つ目は、Google Spreadsheetを使った「暗記用重要事項まとめ表」、通称「カンペ」の作成です。
これは私にとって、もはや必須のプロセスと言えます。
Spreadsheetのセルに、試験に出やすい数字、定義、複雑な条件などを表形式に整理して流し込んでいきます。
当然最初はかなりの量、ページ数になりますが、覚えたところはどんどん削除していくのです。
これを最終的にA4用紙1枚に収まるように覚える&レイアウトを調整するのですが、私は
「最終的にA4紙1枚にうまくまとまったら、大体この試験には勝てる!」
と、本気で思っています。
この感覚は、何物にも代えがたい安心感を与えてくれるのです。
デジタルで編集し、アナログで持ち出す。このハイブリッドな使い方が、私の必勝パターンです。
アナログでの接続:A4紙による図解とマインドマップ
図を描く
デジタルが「整理と保存」に適しているのに対し、アナログは「思考の広がりと可視化」にその真価を発揮します。
ここで活躍するのも、やはり前回登場したA4コピー用紙です。
私は、関係性がややこしい知識や、文章だけでは理解しづらい構造を整理する際、必ず手描きで図解やマインドマップを書きます。
これも、最終的にはSpreadsheetのカンペに貼り付ける図解の「下書き」を兼ねていることが多いです。
私の場合特に有用だったが、FP(ファイナンシャル・プランナー)や宅建(宅地建物取引士)の試験で避けては通れない「相続」のような分野でした。
被相続人が誰で、法定相続人が誰で、遺留分がどれくらいで……といった複雑な人間関係と権利関係を、文字だけで理解するのは至難の業です。
しかし、これを手描きで家系図のような図解にしてみると、驚くほどスッキリと理解できます。
「描けない」は「理解していない」の裏返し
図解を描こうとして筆が止まってしまうことがあります。
そんな時、つい「自分には絵心がないから」とか「図解のセンスがないから」と諦めてしまいがちです。
しかし、図解がうまく描けない本当の理由は、絵の才能ではなく、その知識の構造を自分自身がまだ正しく理解できていないことにあります。
知識同士の関係性が曖昧だから、線が引けないのです。
たとえ1回描いてみて、何がなんだか分からない図になったとしても、全く気にする必要はありません。
学習が進めば必ずどこかで「ああ、こういうことか!」という理解の瞬間が訪れます。
その時にまた、新しい紙に描き直せばいいのです。
いつか必ず、誰が見ても分かるようなシンプルな図にまとめられる日が来ると信じて、まずは気楽に、汚い図をたくさん書いてみるのが上達への近道です。
なぜノートではなく、A4紙なのか
ここでも、ノートではなくA4コピー用紙を愛用する理由があります。それは「書き出しのプレッシャー」を極限まで下げるためです。
ノートだと「きれいに描かなければならない」「失敗してページを無駄にしたくない」という心理が働き、筆が重くなってしまいます。
特に相続のような複雑な図は、何度も書き直すのが当たり前です。
ノートを1ページ丸ごと書き直すのは勇気がいりますが、コピー用紙なら、ぐちゃぐちゃになったら丸めて捨てて、新しい紙を取り出すだけです。
「気楽なのが一番」というスタンスは、第1回の習慣化の話にも通じる、私の勉強法の一貫したテーマです。
自分にプレッシャーをかけず、遊び感覚で図を描き、知識をコネクトしていく。このプロセスの積み重ねが、長期記憶への扉を開きます。
知識を点として放置せず、線や面として繋いでいくこと。
それができれば、あなたの勉強はもっと楽しく、もっと確かなものになるはずです。

次回は、学習の集中力を劇的に高める「ゲーム性を活用した、報酬設計付き集中維持術」について解説します。
話題?の新技法「スレイ・ザ・ポモドーロ」についても詳しくお話しします。
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