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【大人の勉強法TOP7】第3回:【環境】重い本は持たない。「電子書籍+紙」で街中を自習室に変える

はじめに


前回は、試験の全体像を把握し、過去問から逆算して最短ルートを進む戦略についてお話ししました。
目指すべきゴールが定まったら、次に取り組むべきは「物理的な環境づくり」です。

社会人の勉強において、最大の敵は「勉強を始めるまでの心理的・物理的な摩擦」です。
テキストが重い、カバンに入らない、出すのが面倒。
そんな些細なストレスが、私たちの継続を阻みます。

今回は、街中のあらゆる場所を自分専用の自習室に変えてしまうための、ハイブリッドな環境構築術について解説します。




基本ルール:テキストは電子も紙も両方買う


結論から申し上げます。
本当に合格したい、あるいは身につけたい知識があるならば、メインのテキストは電子書籍と紙の両方を買うのが基本です。

私は一時期、自分の蔵書をほぼすべて電子化し、意地でも電子書籍だけで勉強しようとした時期がありました。

実際、宅建士と保育士のテキストは電子書籍版だけを使って合格できました。
(ただし過去問集は紙のものを使用。それと無料の問題集アプリも利用)

当時はスマホやiPadさえあれば何千冊もの本を持ち歩ける利便性に酔いしれていたのです。
普通の蔵書はそれで問題ありませんでした。

しかし、いざ勉強という面で実際に運用してみると、そこには超えられない壁がありました。

やはり自宅の机に向かって腰を据えて学ぶ時は、紙の質感やページをめくる感覚、パッと全体を俯瞰できる視認性が勝るのです。
またページを折ったり書き込んだりという物理的なアプローチができる点も大きな魅力です。

正直、宅建士や保育士の勉強も紙の書籍と併用していれば、もう少し苦労は少なかっただろうと思います。

一方で、外出時の利便性においては電子書籍の圧勝です。
厚さ3センチを超えるような資格試験のテキストをカバンに入れ、職場の昼休みや満員電車や狭いカフェのテーブルで広げるのは苦行でしかありません。

「両方買うのはお金がもったいない」と感じるかもしれません。
私がそうでしたから。

しかし、重さに負けて勉強を挫折し、試験に落ちてまた来年受験することを考えれば、数千円の追加投資は極めて効率の良い保険になります。

家では紙、外では電子。
この使い分けが、勉強の機動力を劇的に高めてくれます。



電子書籍がない場合の「スマート・キャプチャ」戦略


残念ながら、すべてのテキストが電子化されているわけではありません。
特にニッチな資格や古い専門書は紙しか存在しないことも多いです。

ここで「気合で持ち運ぶ」という選択をするのは、挫折への第一歩です。
重いカバンを背負って出勤するだけで、私たちの意志の力(ウィルパワー)は削られてしまいます。

そんな時は、今日学習する予定のページをスマートフォンのカメラで数枚撮ってしまいましょう。
これだけで、テキストの重さから解放されます。

あるいは、重要なページをスキャンしてPDF化する、あるいはノートだけを持ち歩くのも一つの手です。

要は「テキストそのもの」を持ち歩かなくても、学習に必要な「情報」にアクセスできる状態を作ることが重要なのです。



学習の洗練化:A4コピー紙1枚の「カンニングペーパー」


さらに持ち物を軽量化し、かつ学習効果を高める方法が「カンニングペーパー(カンペ)学習法」です。
もちろん、これを実際に本番の試験で使用するわけではありません。

この手法では、表計算ソフト(Spreadsheetなど)を使用して、どうしても覚えられない重要な公式や用語、混同しやすいポイントをA4サイズの紙1枚にまとめます。

この「カンペを作る」という行為自体が、実は極めて高度な学習になります。
限られた1枚の紙の中に何を載せ、何を捨てるかを選択するためには、その分野の重要度を正確に理解していなければならないからです。

学習の初期段階では、載せたい情報が多すぎて文字がびっしりと詰まり、何枚にもなってしまうかもしれません。
しかし、学習が進んで知識が定着していくにつれて、すでに覚えたことをリストから削除していきます。
すると、1枚の紙の内容はどんどん洗練され、最終的には「自分にとっての最重要事項」だけが凝縮された究極の1枚が完成します。

この1枚を折り畳んでポケットに入れておけば、もはやスマートフォンすら開く必要がありません。
レジの待ち時間や駅のホームで、サッと取り出して確認するだけです。


街中すべてを自習室にするマインドセット


なぜここまで「持ち運び」と「軽量化」にこだわるのか。
それは、第1回でお話しした「0を避ける」習慣を、場所を選ばずに実行するためです。

テキストをカバンに入れているという意識は、脳に常に「勉強しなければならない」というプレッシャーを与えます。
それが重荷になって勉強が嫌いになっては本末転倒です。
しかし、電子書籍やA4の紙1枚であれば、そのプレッシャーを「いつでも学べる」という自由に変換できます。

お気に入りのカフェ、公園のベンチ、病院の待合室。
物理的な制約を取り払うことで、街中のあらゆる場所があなたの自習室に変わります。
勉強は「机に座ってするもの」という固定観念を捨て、環境を味方につける。これが、忙しい大人が学び続けるための物理的な解です。


さて、環境が整い、戦略に沿って動き出したら、次は「頭の使い方」の出番です。
次回は、インプットの質を劇的に変える「下線引きの活用法」と、最強の定着術「アクティブリコール」について詳しくお話しします。


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