【集中に集中シリーズ1】 集中するための「環境」ハックと「時間」ハック 後編
前回からの続きです。
集中力のための「環境」デザイン
五感を意識して環境をデザインすることは、集中力を引き出すための強力な手段です。
私たちの脳は、五感から入ってくる情報に大きく影響されます。
ここでは、それぞれの感覚に働きかけ、集中モードへと切り替える具体的な方法をご紹介します。
聴覚
まずは聴覚です。
前述した通り、うるさい環境下では積極的にノイズキャンセルイヤホンを使います。
集中力を高めるための音の選び方にはコツがあります。
歌詞のある音楽は、無意識のうちに言葉を追ってしまい、思考が妨げられることがあるので避けた方が良いでしょう。
代わりに、歌詞のないインストゥルメンタルや、特定の周波数帯を持つ「作業用BGM」がおすすめです。
例えば、432Hzや528Hzといった特定の周波数の音楽は、リラックス効果や集中力向上に繋がると言われています。
また、カフェのざわめきや焚き火の音といった環境音も、適度なノイズとなって周囲の気を散らす音を打ち消す効果があります。
私の好みはミニマル的な(=繰り返しの多い)エレクトロニックやクラシックの音楽。
ある程度ビートの感じられるものがいいです。
あまりにもアンビエントな音楽は眠くなります。
(実際に睡眠用BGMにしていますので)
同様に、波の音や川のせせらぎの音などの自然音も好きですが、私の場合はリラックスしすぎてやはり眠くなることがあります。
視覚
次に視覚です。
視覚情報は集中力に大きな影響を与えます。
まず、照明の色を変えるだけでも効果があります。
作業中は、集中力が高まると言われる昼白色の光が適しています。
逆に、リラックスしたい休憩時間には、温かみのある電球色の光に切り替えるのも良いでしょう。
私はデスクライトは昼白色、部屋全体の照明は赤みを帯びた電球色を選んでいます。
また、デスクの配置も重要。
窓の外の景色が気にならないように配置したり、壁に向かって作業することで、視界に入る情報を最小限に抑えられます。
さらに、PCの壁紙やスマホのホーム画面をシンプルで落ち着いたものに変えるだけでも、デジタルな雑然さを減らすことができます。
嗅覚
三つ目に嗅覚です。
特定の香りは、私たちの気分や集中力に直接的に作用します。
アロマディフューザーやアロマスプレーを活用してみましょう。
面倒なときは、アロマオイルを数滴垂らしたティッシュでも十分代用できます。
集中力を高めたいときには、ローズマリーやペパーミントといった、すっきりとした香りが効果的です。
これらの香りは、脳を活性化させ、思考をクリアにするのを助けてくれます。
また、ユーカリやレモングラスなども、眠気を覚まし、集中力を維持するのに役立ちます。
逆に、作業の終わりには、ヒノキやカモミールのようなリラックスできる香りを使うことで、心身のオフモードへ切り替えがスムーズです。
私の場合、アロマディフューザーは加湿器代わりとしても活躍しています。
ラベンダーは就寝時の定番です。
触覚
最後に触覚です。
普段意識することは少ないかもしれませんが、触覚もまた集中力を左右します。
例えば、毎日触れるキーボードやマウス、長時間座る椅子の素材は、快適さに大きく関わります。
指に馴染むキーボードや、手にフィットするマウスを選ぶことで、操作のストレスが減り、作業に没頭できるようになるでしょう。
また、人間工学に基づいた椅子は、正しい姿勢を保ち、身体的な不快感を軽減します。
一番いいのは何箇所も調整可能な高級チェア(アーロンチェアとか)を使うことでしょうが、私はそこまでコストはかけられません。
そこで安物のゲーミングチェアにクッションや腰サポートシートなどを組み合わせて座り心地改善と腰痛防止に努めています。
さらには、手の届くところに温かい飲み物や、ひんやりとした冷たい飲み物を置いておくのも良いでしょう。
このちょっとした手への刺激が、脳の覚醒状態の維持に役立ちます。
これらの小さな工夫の数々が、無意識のうちに集中を妨げる要因を減らしてくれるのです。
まとめ
私たちの多くは、集中力は「根性」や「意志の力」で生み出すものだと信じてきました。
しかし、これまでの内容で見てきたように、それは大きな誤解です。
集中力とは、意志の力で無理に「操る」ものではなく、適切な環境と時間管理によって、自然と「導き出される」ものなのです。
たとえば、物理的な雑音や視覚的なノイズを取り除けば、私たちの脳は余計な情報を処理する必要がなくなります。
また、時間割を自分の身体のリズムに合わせて調整すれば、最もエネルギーがあるときに最も重要なタスクに取り組むことができます。
そして、五感を活用して心地よい環境を整えることで、無意識のうちに集中モードへと切り替えることができるのです。
これら一つひとつのテクニックは、一見すると小さなことかもしれません。
しかし、それぞれを組み合わせることで、あなただけのオリジナルの「集中環境」と「時間割」を作り上げることができます。
これは、誰かに言われた通りにやるのではなく、あなた自身が自分のための最高のパフォーマンス設計者になる、ということです。
この新しい発想を持つことで、集中力に対する見方も変わってきます。
たとえば、集中が途切れてしまうことを、意志力の不足だと責める必要はなくなります。
それはただ、環境や時間割が最適ではないというサインなのです。
逆に、集中が途切れた後の「反動」も、次の集中への準備期間として前向きに捉えることができます。
この場合は「何もしない」という休息をいれることがポイントです。
このように、すべてを活かせる状態を目指すことが大切です。
ただし完璧主義者にはならないように。
理想の状態を目指すのはいいのですが、絶対にそうならないといけないなどと意気込みすぎてはだめです。
私の経験から、必ず反動が来ます。
今後も私は理想の状態──そこに到達することがけしてないと知りつつも──を目指していろいろと楽しく工夫していこうと思います。
